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バリアフリーで旨い店

バリアフリーで旨い店 by 山岸朋央/2014年8月28日

バリアフリーで旨い店 番外編 第9回
ユニバーサルデザインの
鳥料理店で参鶏湯を食す

本誌で連載中の「バリアフリーで旨い店」。バリアフリーに配慮しながら店の味を高いレベルで保っている「バリ旨店」をご紹介しているのは本誌だけなんです。

その取材を担当している山岸朋央氏が、連載で書けなかったバリアフリー店のレベルの高さをご案内します。今回はユニバーサルデザインの鳥料理店です。

様々な問題点を解消した入念な設計

ユニバーサルデザインの店内

 韓国では、夏バテ時の疲労回復によく食べられるという参鶏湯(サムゲタン)。滋味深い熱々のスープが、暑さに疲れた身体を癒してくれます。2012年5月号に掲載した『芝の鳥一代』は、誰もが食べやすいように薬膳臭さを抑えたオリジナルの「参鶏湯」と「ユニバーサルデザイン」の二つをウリとした鳥料理居酒屋でした。

 ユニバーサルデザインとは、老若男女、障がいの有無、国籍などに関係なく、誰もが利用できるように設計された施設や製品などのこと。これを、以前は洋食屋が入っていた居抜き店舗に導入することは、金銭的なことも含め、並大抵のことではありません。

 店舗前にある道路との段差は簡易スロープで解消。出入口は自動ドアではなく、幅1mの大きな引き戸ですが、軽い力でもスムーズに開閉できるように改良。奥に長い長方形の店内は中央に広々とした通路を確保し、中央付近にある10㎝以上の段差は、緩やかなスロープを設置して見事に解消しています。

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誰でも利用できる店内を構築

多目的トイレ

 当然ながら、同店が最も力を注いだのがトイレ。既存の洋式に加え、新たに多目的トイレを設置。手作り感あふれる多目的トイレには、点字表示や緊急ボタンが設置されています。点字と言えば、英語メニューとともに点字メニューも用意されていました。

 ユニバーサルデザインの食器まで用意する同店。知恵を絞り、完璧とは言えないまでも、自分たちのできる範囲で『芝の鳥一代』なりのユニバーサルデザイン、バリアフリーの店を作り上げたことは賞賛に値します。

知恵を絞って作られたオリジナル参鶏湯

「参鶏湯・ハーフサイズ」(1000円)に「野菜セット」(580円)をトッピング。右奥は追加した締めの「ラーメン」(500円) ※価格はすべて税抜き

 もちろん、名物の参鶏湯もまた、知恵を絞った逸品でした。高級食材を使っているわけではありませんが、丁寧な仕事ぶりが感じられる参鶏湯は、丸ごと一羽のひな鶏の中に餅米や朝鮮人参、なつめ、栗などを詰めて10時間煮込み、別鍋で作ったコラーゲンとヒアルロン酸たっぷりの鳥骨スープに入れて供する同店オリジナル。誰もが食べやすい味の参鶏湯を誰もが気軽に楽しめる鳥料理居酒屋。夏バテ気味のあなたにおすすめです。


■鳥料理居酒屋 芝の鳥一代
住所:東京都港区芝2-30-6/電話:03-3457-1356/営業時間:11時半~14時、17時〜23時(土のみ17時~22時)/休み:日・祝/交通:都営三田線芝公園駅A1出口から徒歩5分


●山岸朋央(やまぎし ともお)/
1967年東京都足立区出身。流れに身を任せて生きる、自称「何でも屋」のフリーライター。10年間の写真週刊誌記者生活を経て、1999年からフリーに。著書に、『ハンディキャップは元気の素』(講談社)がある。自薦他薦を問わず「バリアフリーで旨い店」を募集中。


その他のレベルの高いバリアフリー店もチェック!
・「「バリアフリーで旨い店 番外編」一覧

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