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バリアフリーで旨い店

バリアフリーで旨い店 番外編 第17回
バリアフリー度がアップ!
新生『かんだやぶそば』

 今年10月に復活を遂げた、蕎麦の名店『かんだやぶそば』。実はバリアフリーも充実しているのです。そこで、本誌で連載中の「バリアフリーで旨い店」のスタッフが徹底的に調査しました。

老舗蕎麦屋が待望の再オープン

板塀の囲いがなくなり開放的になった店舗は、一部2階建ての平屋造り

 昨年2月の火災で半焼し、営業を見合わせていた老舗蕎麦屋『かんだやぶそば』が、先々月の20日、ついに全館リニューアルオープン。現在発売中の1月号では、我々「チームめんくい」の総力を結集し、復活した同店のバリアフリー度を詳細にチェックしました。

 実は、火災で焼失してしまった旧店舗時代も、3年半前の連載4回目で取り上げていた同店。都の歴史的建造物にも選ばれていた1923年築の数寄屋造りの店舗は、店内に一部段差がありましたが、老舗店の古い建物にもかかわらず、バリアフリー度は低くないものでした。最も大切なトイレが、健常者でも狭く感じるような普通の洋式トイレだったのは残念。秋葉原駅周辺など近隣に豊富にあった多目的トイレの案内を、当時の連載で提案したことを思い出します。

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美味しくて設備が充実の“バリ旨”店に進化!

玄関前に側溝による4cm強の段差があるも、敷地内はフラット

 リニューアルオープンから3カ月以上経過した今も、食事時を中心に行列が絶えない同店。明治13(1880)年創業の藪系総本店としての老舗の味は火災前と何ら変わりませんが、その店構えは大きく変わりました。

 焼失を逃れた吊り行灯や看板を同じ場所に置き、極力以前と同じデザインで再建した新店舗は一部2階建ての平屋造り。敷地を囲っていた高い板塀が低い石垣に変わり、開放的になった店舗は、歴史的建造物の多い周囲との調和も良くとれています。

 玄関口から前庭、出入口へと続く緩やかな傾斜の石畳には、以前同様、段差は一切なし。残念なのは、玄関口前にある側溝の蓋による4㎝強の段差も以前同様に変わらずに残っていること。側溝を設置、管理する行政の問題ではありますが、この段差がバリアとなる人がいるのは確かであり、1日も早い対策を願います。

男女別の他にだれでもトイレを設置

 しかし、残念なのはこの1点のみ。手動の引き戸だった出入口が幅1m超の自動ドアになり、店内に一部あった段差もなくなって、完全フラットです。また、座敷スペースが減り、テーブル席が増えたのですが、そのテーブルの高さが、62㎝から3㎝アップし、車いすに乗ったままでも利用しやすくなりました。もちろん、通路幅もテーブル席の外周は幅1m以上を確保。そして、何よりもの朗報は、「だれでもトイレ」の設置です。しかも、おむつ交換台も用意したこのトイレは、オストメイト(人工肛門・膀胱保有者)にも対応した最新式。

 バリアフリー度を大きくアップさせた新生『かんだやぶそば』。障害の有無や年齢、国籍等に関係なく、誰もが老舗の味を堪能できるバリ旨な蕎麦屋に生まれ変わっていました。


店舗情報は『おと週ぐるめ』で見られます。


●山岸朋央(やまぎし ともお)/
1967年東京都足立区出身。流れに身を任せて生きる、自称「何でも屋」のフリーライター。10年間の写真週刊誌記者生活を経て、1999年からフリーに。著書に、『ハンディキャップは元気の素』(講談社)がある。自薦他薦を問わず「バリアフリーで旨い店」を募集中。

2014年12月25日公開

その他のハイレベルなバリアフリー店もチェック!
・「『バリアフリーで旨い店 番外編』一覧

かんだやぶそば

住所:
東京都千代田区神田淡路町2-10
電話:
03-3251-0287
営業時間:
11時半~21時(20時半L.O.)
定休日:
水(祝祭日を除く)
座席数:
97席
アクセス:
地下鉄丸の内線淡路町駅A3出口から徒歩3分、JR秋葉原駅電気街口から徒歩5分

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