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データで食を読み解く

データで食を読み解く 第3回
今、ワインはブームなのか?

 マーケティングのプロが「食」をデータで分析する本連載。第3回目は、最近よく耳にするワインに纏わるエトセトラを取り上げます!

 ここ数年、「ワイン」に関する雑誌の特集やテレビ番組をよく見かけるようになった気がします。で、ホントのところワインって流行っているのでしょうか? こんな時は、Google先生の検索ボリュームの推移でワインが検索されているか確認できます!

出所:Google Trends

 おぉぉぉ! この約10年間右肩上がりではないですか!
「赤ワイン」が1年で最も検索されるのは12月ということもわかりました。忘年会シーズンやクリスマス需要なのでしょうね。最も検索されないのは8月でした。夏の猛暑の中はやっぱりビールといきたいところです。

 ちなみにシャンパンが最も検索されるのは12月のクリスマスシーズンでした。リア充爆発してくださいという声が聞こえてきますね、わかります。

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今、第7次ワインブームだった!

 続いて消費量の推移を見てみましょう。下記統計によると足元はなんと第7次(!)ワインブームだそうです。1998年のピークを越えてグイグイ伸びてきています。

出所:2015 KIRIN 日本のワイン市場

 このグラフを見て一つおもしろいことに気が付きます。ワインと言えば本場はフランスなどヨーロッパを思い浮かべる方が多いと思いますが、1993年までは国産ワインが消費量の半分を占めていたのです。こちらの統計の最新年は2012年ですが、国産ワインは3割程度、輸入ワインは7割といったところです。

 あれ、「国産ワイン」って日本で作られたワインですよね。でも最近、「日本ワイン」という言い方も耳にするようになりました。この違いについて見ていきたいと思います。

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そもそも日本ワインって?

・海外から輸入したブドウを原料にして作られたワイン
・国内で生産したブドウを原料にして作られたワイン

 上記の二つのワイン、実はどちらも「国産ワイン」と表記してもOKなのです。

 国産ブドウ100%のワインが国産ワインに占める割合は2割程度で、8割は輸入原料が使われています(「国産ブドウ100%ワイン、なぜ「国産」と呼ばない?」日経Web 2014/2/5より)。 

 ただ、最近大きな動きがありました。紛らわしかった表記問題も一歩前進です。
「国税庁は新たに『日本ワイン』の表示を設け、地域で育てたブドウを85%以上使用した場合に限り、産地名をラベルに表示できるようにする。産地内で醸造されたかどうかも表示する」(「『日本ワイン』基準厳しく 国税庁、表示ルール策定」日経 Web速報 2015/6/11より)

ソムリエとはなんぞや?

 読者の皆様、一度は「ソムリエ」という言葉をお聞きになったことがあるでしょう。ちょっといいフレンチやイタリアンでかしこまってワインを選んで注いでくれる人、といったところでしょう。女性は「ソムリエール」なんていったりします。

 そんなソムリエさんたちの中に、ブドウのバッチを付けている方がいらっしゃいます。このバッチは、日本ソムリエ協会(Japan Sommelier Association)が主催する試験に合格した証です。

 飲食店でワインに関わるサービスのプロ向けの試験が「ソムリエ」、小売店などでワインを販売するプロ向けの試験は「ワインアドバイザー」、これら以外の単なるファン(飲んべえ?)向けの試験は「ワインエキスパート」と言います。
ちなみにエキスパート資格を取得した後セミナーを受講すると、ワイン検定なる試験の講師になれます。良く言えばワイン伝道師、悪く言えばソムリエ協会の手先とも言えますね(笑)

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2014年、ソムリエ試験に激震が走る

 さて、同協会は、試験の教科書(教本)を毎年出版しています。皆さんはワインと聞いたらどこの国を思い浮かべるでしょう? フランスやイタリア、ご年配の方ですとドイツあたりを挙げる方が多いと筆者は考えます。

 いわゆるソムリエ試験ですが、2014年度に激震が走りました。長い期間に渡って教本における国の順番は「フランス」「イタリア」「ドイツ」……と決まっていました。ところがどっこい、2014年度から「日本」が先頭に来たのです。ここ数年、確かに日本ワインに関する出題がやや増加傾向にはありましたが、いよいよ次のステージに移行した感があります。

 つまり、今後は日本ワインを相当勉強しないとソムリエ試験に合格できない、そんな時代がやってきたのです。

 では、日本ソムリエ協会認定の試験合格者の推移を見てみましょう。

日本にソムリエは何人いるのか

・ソムリエ/約2万人(男性:10,777人、女性:9,161人)
・ワインアドバイザー/約1.2万人(男性:8,248人、女性:4,281人)
・ワインエキスパート/約1.1万人(男性:4,226人、女性:6,906人)
という結果になりました。

 ソムリエさんは男女比が1:1ですが、ワインアドバイザーは男性が、ワインエキスパートは女性が上回っていることがわかります。趣味でワインスクールに通ってエキスパートの資格を目指す人は、女性が多いことが想像できますね。

 ここで取り上げた3つの上位資格にそれぞれシニア……が存在します。また、シニアソムリエのさらに上位にマスターソムリエがあります。詳しくは日本ソムリエ協会のサイトをご覧ください。

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ワインスクールってどんなところ?

 日本人はワインのお勉強が大好きなようで、東京都内だけでもワインスクールが大小様々30校以上もあります(Google先生の検索結果より)。かく言う筆者も婚活の一環になるのでは!?と淡い期待を胸に2年も通ってしまった経験があります。

 スタンダードなコースはこんなイメージ
・期間:半年間/週1回
・内容:座学1時間、テイスティング1時間
・費用:10〜13万円程度

 座学でワイン製法や地域の特徴を学び、テイスティングで味わいの表現を学びます。ワインエキスパートの男女比でも確認したように、ワインスクールの生徒さんには女性の方が多い印象でした。飲食に興味があるキャリア女性、もしくはお金持ちの奥様といったところでしょうか。私自身の婚活にはなりませんでしたが、良い飲み友達が沢山できたことには感謝しています(涙)。

ソムリエ協会は「○○○ソムリエ」を認めていない

 最後に、小ネタを一つ。
日本ソムリエ協会が「ソムリエ」の定義についてキッチリと公表しています。
その中で巷でよく耳にする「○○○ソムリエ」についても言及しています。

――通称として既に様々な「○○○ソムリエ」として使用されているが、職業分類に於いて “正式な呼称”ではない――
とバッサリ。なかなかにつれない態度です。恐っ。

参考)「ソムリエの定義

【まとめ】
・ワインの勉強好きが多いため、ワインの資格合格者は順調に増加しています。
・「赤ワイン」「白ワイン」の検索ボリュームも順調に増加しています。
・ワインの消費量も伸びています。
・国産ワインは輸入原料で作られたものかもしれません。
・日本ソムリエ協会は○○○ソムリエを快く思っていません。
・ワインスクールに2年通っても結婚できない人もいます。
※私の場合の実例ですので、もしご興味ある方はチャレンジしてはいかが?

2015年6月00日公開


●豊澤 栄治(とよさわ えいじ)/
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。横浜国立大学経営学部、一橋大学大学院国際企業戦略研究科卒。現在、株式会社ファンコミュニケーションズ サービス開発部勤務。13年間に渡ってみずほFG、外資系運用会社で統計を使った資産運用業務に携わった後、伸びてる業界で働いてみたいと、インターネットマーケティング業界に転身。住所不定・自称ミュージシャン時代にCDをリリースした経験も。乃木坂46の井上小百合さんとBABYMETAL推しの40歳独身。2015年2月にデータ分析の体験書「楽しいR」を出版。

この他の回もチェックしましょう!
『ビッグデータで食を読み解く』一覧

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