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ドイツ夫と日本人妻の「フードファイト」

新婚1年目!
ドイツ夫と日本人妻の「フードファイト」

冗談? 本気?
ドイツ人のプレゼント

ドイツ人の男性と結婚し、ドイツへ嫁いだ日本人女性。独特なドイツ人のプレゼントに戸惑いを隠せない妻の様子を、イラストとともに公開します。

気軽で質素なドイツ人のプレゼント

誕生日やクリスマス、バレンタインデー。それに結婚祝いや出産祝い。
日本では、大切な誰かに「なにを贈ったら喜んでもらえるかな」と頭を悩ませる行事や記念日がしょっちゅうです。
もちろん、家族行事を大切にするドイツでも、互いに贈り物を欠かさないのは同じ。けれど、そのプレゼントの内容はずいぶんと違うように思います。

かつて日本人の恋人がいたころは、何万円もするようなバッグを誕生日プレゼントに選んだ記憶もありますが、いまの夫とつきあうようになってからは事情はガラリ。

私の誕生日に、チョコレートや花、おまけに自作の写真集などをプレゼントされれば、おのずと「ああ、そういう感じね」と、こちらも手作り餃子やコロッケでお返し(ふだん手のかかる料理をしない私にとっては大変な労力なのです)。

もちろん個人差はあるにしろ、周囲の友人たちに聞いてみても、日本人同士のプレゼントに比べてドイツ人のプレゼントはずっと気軽で、質素なものが多いように感じます。
ブランドもののアクセサリーなど、女心が舞い上がるようなプレゼントがないのは物足りないと言えば物足りないですが、負担なく贈り物をし合える今の習慣も悪くないものです。

……と納得してはいましたが、ドイツに移住して以降、目が点になるようなプレゼントの受け渡し現場を幾度も目にすることになりました。

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夫が親友に贈った“最低”なプレゼント

夫と夫の親友は、互いの誕生日前後に家に招きあってお茶をするのが定番(まるで女子のようですが、ドイツではそれほど珍しいことではありません)。ところが、その際に交換されるプレゼントがどう考えてもおかしい。

今年も、親友が満面の笑みを浮かべてやってきて夫に手渡したものは、アルミ製の缶。そこには、青いペンで「スターシェフの手による非常食!」と手書きで書かれています。夫もハハハなんて笑いながらそれを受け取ります。
ティータイムの間中、「あれはいったい……?」とモヤモヤ。彼が帰るとさっそく夫をせっついて、缶を開けさせれば、なんのことはない、ドイツのスーパーで普通に売られている豆のスープです。
きっと、「お、これでいいや」と家にあったスープの缶のラベルをはがして持ってきたに違いありません。

数か月後にやってきた彼の誕生日のときには、今度は夫がパソコンの前でなにやら作業。
まるごとのゆで卵がいくつも入ったピクルスの瓶のラベルをはがし、それらしく作った自作のものを張り付けています。なにが書いてあるのと問えば、言いにくそうにモジモジニヤニヤした後、「金○マの酢漬け」と書いたと白状しました。ため息しか出ない、なんとも最低な誕生日プレゼントです。
まあもちろん、これは男同士のおふざけ。

にしても、お義姉さんが携えてきたワイン用の紙袋の中から、リボンをかけられた巨大なキュウリが飛び出したり(夫への誕生日プレゼント)、お義母さんからなぜかイタリア米の小袋を贈られたりするにつけ(私へのクリスマスプレゼント)、隅々にまで気を配った一分の隙もないような日本人のプレゼントが懐かしくなります。

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緩衝剤に使われた“あるもの”に妻ビックリ!

あるときにはこんなこともありました。
赤ちゃんが産まれたばかりの友人宅でのホームパーティーの際、あるひと組のカップルが彼らにプレゼントしたのは「旧東ドイツ時代から続くお菓子メーカーのスイーツ詰め合わせ」。レトロでチープな包装紙が目を引く、日本で言う「駄菓子」をいろいろ買い集めて箱に詰めてみました、という感じ。なかなか可愛いプレゼントではありますが、なぜ新生児誕生のプレゼントでそれを……と私はまたモヤモヤ。

しかも、緩衝剤(かんしょうざい)代わりに使われていたのは塩気&油気のないポップコーン。
「ねえねえ、ポップコーンをクッションに使ってるよ。面白いねえ」
と夫の袖を引っ張ってみれば、
「あ、あれ? 別に普通じゃない?」
と驚きの返事。続けて、
「軽いし安いし、プラスチックのものよりエコだしね。でもね、虫がわいたりネズミがかじっちゃったりするんだよね~、アレ」
と続ける。そりゃそうでしょうよ……。

モヤモヤするドイツ人のプレゼント観察。これからもライフワークになりそうです。

イラスト/なをこ

2015年4月26日公開

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