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県民に聞いた!ご当地自慢のグルメ・お土産

ご当地自慢 by 白央篤司/2014年8月30日

県民に聞いた!ご当地自慢のグルメ・お土産
第21回

『ひやしあめ』

 「ひやしあめ」と聞いてパッと分かる方、どのくらいいらっしゃるでしょうか。 ご覧のとおり、ドリンクです。関西地方の夏の飲みもの。
 私も初めて聞いたとき、「食べたことないなあ……」と漏らしたら、大阪の方に「飲みものやねんで」と返され頭の中が「???」で一杯になってしまいました。

水あめを溶いて冷やすから「ひやしあめ」

京都のかたに薦められた『するがや祇園下里』のひやしあめ。原材料は昔ながらに麦芽糖、砂糖、ショウガのみ、水で割っていただきます。初めて飲むのに懐かしさを感じるような、素朴で優しい甘さ

「昔から夏になると駄菓子屋さんや、商店街のウォータークーラーでコップ売りされてました」
 という声が40~50代を中心によく聞かれた、ひやしあめ。
 麦芽ともち米でつくる水あめを溶かして、ショウガ汁やおろしショウガを加えたものです。うっすらと茶色いのは麦芽によるもの。この水あめの味が、なんともいえず、郷愁をそそるのです。

「1967年大阪市生まれですが、ひやしあめといえば『サンガリア』(※飲料メーカー)の缶入りです。今でも自販機で売ってますし、たまに懐かしくて買います」
「昭和50年半ばごろまでは、近鉄線の主な駅にひやしあめのジューススタンドがありましたよ。一杯50円でした」
「商店街のたこ焼き屋が夏だけ、かき氷とひやしあめ屋になってたなあ」
「大阪在住の30代ですが、今だと縁日の屋台でサイダー、ニッキ水と一緒に置いてあるイメージ。京都の観光地の売店でグリーンティーと一緒に売られてるのもよく見かけますね」

 これらは、よく聞かれた声です。
 主に近畿地方のもので、岐阜や広島の一部地域でも飲まれているよう。誕生は江戸末期ごろと伝わります。ちなみに『サンガリア』の缶入りはトップ写真中央のもので、昭和53年に発売されて以来のロングセラー。

 関西では様々なメーカーから販売されており、ハチミツが入ったり、シナモンを加えることも。冬になるとお湯で溶いて飲まれ、この場合は「あめ湯」と呼ばれます。
 夏は食欲増進、冬には体をあたためてくれるショウガ。この効能を、関西のひとはうまく利用していたのですね。

◎東京では、有楽町の『大阪百貨店』で「ひやしあめ」は購入可能。その他、様々に通販もあり。


●文:白央篤司(はくおう あつし)/
東京都出身。フードライター。大学卒業後、編集者を経てフリーに。本誌『故郷レシピ』『死なないレシピ』を始め、食記事・レシピ記事を手掛けつつ、日本酒やアジア料理のイベントを企画している。


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