サバジェンヌが行く! 第20回
サバの活き造りを楽しむ
佐賀県呼子の「サバ活」
イカの街で今、サバがアツい!という噂を聞きつけ、佐賀県唐津市呼子にやって来た、全さば連(全日本さば連合会)のサバジェンヌ池田さん。呼子のブランドサバ誕生秘話を聞いた前回に続き、今回はついにそのサバを食します!
ジェンヌも初めて見る、サバの活き造り
前回、呼子のサバについてお聞きし、いよいよ「サバ活」を味わいます!
現在、呼子で「サバ活を味わえる宿」は7軒。『大望閣』は「呼子でサバ活プラン」としてサバの活き造り、サバ寿司、サバしゃぶしゃぶなどを含むコース料理が楽しめる。
「センターから届いたサバは生簀に入れて、お客様が席についてからさばきます」(古館さん)。いわば、究極の「新鮮な刺身」を食べることができる。
そして、運ばれてきた「サバの活き造り」(記事冒頭の写真参照)。じゃーん、じゃじゃじゃじゃーん。
うわーーーーーーーーー。
日本各地で「サバ活」を重ねてきたが、「お頭付きのサバの刺し盛り」なんぞ初めて見るビジュアルだ。壮観。サバファンなら「うおおおおおおお!!」と、どよめくこと間違いなし。しかも箸でピシピシ叩くと動く。う、動いてるよ~!!
寝ても覚めてもサバ、サバ、サバ!

あっさりととろけるサバは、いくらでも食べられる魅惑の味わい!
大皿の上に華開いたサバをパクリ。身はしっかりエッジがたった食感。そして、品のいい脂が口の中に広がり、とろんとした口どけ。バランスのよい味わいで、バクバク食べられる。わんこサバ状態。あっという間に、サバの頭だけがお皿に残った。
しゃぶしゃぶにして、サッと火を通しても旨みが凝縮して、麗しい味わい。フレッシュ感を活かしたサバ寿司も旨い。
そして、翌日目覚めると、おはようから「サバ」。サバ活は、ぬかりなく朝からはじまる。朝食のサバ茶漬けも絶品!!!
「昨年から今年も、そして今期の間も、日本各地からリピーターのお客様が多いです」と古館さん。全国に名を轟かせたイカでなく、きっぱり「サバ指名」のお客も増加中らしい。
やるな、サバ! もちろん、歯ごたえと甘みが素晴らしいイカの活き造りも楽しめますのでお忘れなく!

(上)ボリューム満点のコース料理を食べつくしても、さらっといただけてしまうサバ寿司
(下)呼子名物「イカの活き造り」
■大望閣
住所:佐賀県唐津市鎮西町名護屋1399
電話番号:0955-82-1711
※「呼子でサバ活プラン」は1万2000円~(1泊2食4名料金。休前日は1万4000円~)
6月30日まで実施。
脂がジュワ~ッな「サバ活石焼しゃぶしゃぶ」

「サバ活石焼きしゃぶしゃぶ」(3000円。3日前までの要予約)。もちろん、焼かなくても絶品!
唐津市国民宿舎『波戸岬』(はどみさき)でも、サバ料理が大好評だ。「今年もお客様の反応は大変いいですね」と支配人の佐藤邦好さんが語る。こちらで楽しめるのは「サバ活石焼しゃぶしゃぶ」。
「お客様によっては生のサバに抵抗のある方もいらっしゃる。そこで、火を入れたメニューも考えてみたんです」と佐藤さん。
目を付けたのは、もともとメニューにあった、佐賀牛の「石焼き」用石板。「これにサバをのせて、サッと炙ると大変美味しく仕上がることがわかったんです」。
もちろん、サバは活き造りで提供。生でしばし味わい、そして石板にのせる。「ぜひこれは塩で食べてみてください」。添えられた岩塩をぱらりとかけて、パクリ。
うわーーー。熱することでジュワッと溶け出した脂にくるまれたサバは、レアステーキのようなとろけっぷり。塩だけで十分旨い。
さらに添えられたわさびをつけてピリリと、レモンをしぼってさわやかに、ハーブソルトで洋風に食してもイケる。

(上)石板に油をひいたわけではないのに、ジュワーッとサバから脂が染み出す
(下)上品な脂と旨みの凝縮した身を、シンプルに塩とわさびで。ほんとに、塩で十分! 涙する味わい(泣)
佐藤さんのおすすめは「塩昆布とネギとともに食べる」。試してみると……おおっ! これは、おつまみに最高! さらには、ごはんにのせても最高! そのうえ、お茶をかけて「お茶漬け風」にしても最高! 薬味でひろがるサバラダイスな石焼!! これは相当ハマる!
「お客さまも、あれこれ楽しんでいるうちにサバが足りなくなって困るとおっしゃいます(笑)。2度目にいらっしゃるときは、おひとりで2名様分のサバを予約されるお客様もいらっしゃいますね」(佐藤さん)。
玄界灘を見ながら、ゆっくりと宿で楽しむ「サバ活」。ぜひ、サバファンなら、活き造りのサバを心行くまで愛で味わうという、なんとも贅沢な「呼子サバケーション」に向かっていただきたい。あ。念のため最後に、もう一度。
「唐津Qさば」で、ビバ! サバ活! きゅ~★
■唐津市 国民宿舎 波戸岬
住所:佐賀県唐津市鎮西町波戸1082番地
電話番号:0955-82-1511
※宿泊は8380円~(1泊2食1名、平日料金)。「サバ活石焼きしゃぶしゃぶ」は6月30日まで。
■サバについてのお問い合わせ
★唐津市農林商工部水産課
TEL 0955-72-9130
2015年2月19日公開
●池田陽子(いけだ ようこ)/
サバを楽しみ、サバカルチャーを発信し、サバで日本各地との交流をはかることを趣旨に活動し、イベント「鯖ナイト」を実施する「全さば連」(全日本さば連合会)広報担当「サバジェンヌ」。本業は薬膳アテンダント/食文化ジャーナリスト。本誌では「元気になる若返り薬膳」を連載。著書に『ゆる薬膳。』(日本文芸社)、『缶詰deゆる薬膳。』(宝島社)、『春夏秋冬ゆる薬膳。』(扶桑社)。
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