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サバジェンヌが行く!

サバジェンヌが行く! 第22回
漁港で堪能!
平塚のサバはスゴかった

今、平塚のサバがアツい! 漁協が中心となって盛り上げています。その様子を全日本さば連合会のサバジェンヌ池田がレポートします。

意外! 湘南はサバスポットだった

平塚漁港で水揚げされるサバ。ピチピチのゴマサバ♪

サバババババ、サババ~♪、
サバババババ、サババ~♪
サバババババ、サババ~~★
サバババババババッババ、サババ!(by サバンオールスターズ)

こんにちは。超「湘南気分」のサバジェンヌです。

湘南=サバ。つながらないかもしれませんが、じつは意外なサバスポット!!

相模湾の中央に位置する神奈川県平塚市・平塚漁港。黒潮の流れを受け、海底は起伏に富む恵まれた漁場で撮れた海の幸が水揚げされる。

じつは、平塚で最も水揚げが多いのはサバだ。平塚市漁業協同組合の伏黒哲司さんは「平塚では主にサバ、アジ、イワシなどを対象とした定置網漁業がおこなわれています。そのなかで、最も多く獲れるのがサバなんです」と語る。

平塚で水揚げされるサバは「ゴマサバ」。「サバは通年水揚げされますが、旬は1~3月ごろと8~9月ごろ。絶品ですよ! 僕も漁師のみなさんも大好きです」と伏黒さん。とりわけ、神経締めにしたサバの刺身は「とろけるような美味しさ」(伏黒さん)だそう。

漁協では、大量に水揚げされるサバを使った「平塚市漁協オリジナルサバグルメ」の開発も積極的に行い、イベントなどで販売している。

たとえば、地元FM局「湘南ナパサ」とコラボして、でき上がったのが「さばとろめん」。
うどん、中華麺バージョンがある。

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街をあげて盛り上げるサバグルメ

さばとろめんうどんバージョンと、中華麺バージョン。イベントでの出店情報は平塚市漁業協同組合のホームページを参照

うどんバージョンはサバを細かくたたいたものを、そぼろ状になるまで炒めて、ねぎのみじん切りを加え、テンメンジャンや豆板醤、酒、みりんなどで味付け。レタスなどの野菜の上にうどんとタネを乗せて、キュウリなどをトッピング。「暑い日にさわやかな、さばとろめんです」(伏黒さん)

中華麺バージョンはサバを細かくたたいたものをそぼろ状になるまで炒め、野菜と一緒に煮込んで味付け、片栗粉でとろみをつけて、それを炒めた中華麺にトッピング。

組合の会議室で、漁協職員とFM局のスタッフと手がしびれるほどサバをたたいてたたいて、試行錯誤した力作だ。イベントでは大好評だ。

もうひとつ、人気なのが「『揚げ★マスター』シリーズ サバの竜田揚げ」。ちなみに「揚げました。→揚げました~。→揚げマスターです」と「『揚げ』三段活用」について伏黒さんが説明する。

『揚げ★マスター』シリーズ サバの竜田揚げ」。ひらつかタマ三郎いわく「ひらつかは魚も女もピッチピチ」

さらに、平塚を代表する「平塚七夕まつり」にあやかって「スター(★)」とさりげなく平塚愛を盛り込んである。

ちなみに、パッケージのイラストは平塚市漁協のPRキャラクター「ひらつかタマ三郎」だ。

当初はかわいい「ネコの漁師」だったはずだが、漁師たちから「漁師のくせにワイルドじゃねえ」という数々の意見を反映した結果「ねじりはちまきにサングラス、足は長靴、口ひげはタコ」というネコかどうかもさっぱりわからない「おっさん」風に。こちらも破壊的に漁師愛を盛り込んである。

そして、サバの竜田揚げにも並々ならぬ伏黒さんの愛が盛り込まれている。

「すごく美味しいです!!」と自信たっぷりの伏黒さん。

―――味付けなど、どんなところにこだわっていらっしゃいますか?

「ないです」(笑顔)

え?????

「ないのがこだわりです」(きっぱり笑顔)。

「こだわりは『平塚のサバを使う』ことだけ! 洋風など、いろいろな味付けの竜田揚げを試してみたのですが、あえてこだわらずに普通に生姜しょうゆに付け込んで、片栗粉をつけて揚げる。これがいちばん! 平塚のサバをシンプルな食べ方で味わっていただくのが、もっとも平塚のサバの美味しさが伝わることに、気付いたんです」

過剰装飾よりシンプル・イズ・ベスト。

伏黒さんはこう続ける。「今後の発展と気づきを感じる、平塚のサバの竜田揚げです」(にっこり)

……わかるようなわからないような、でも平塚のサバへの愛と、平塚のサバのポテンシャルを感じさせる伏黒さんの発言の真相を探るべく平塚のサバを食べてみた!

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“史上最強”の漁協直営レストラン

平塚漁港の食堂

さっそく、平塚のサバを食しに向かったのは、昨年オープンした漁協直営のレストラン『平塚漁港の食堂』。平塚漁港にその日の朝、水揚げされた新鮮な海の幸を楽しめるレストランだ。

食堂といっても、店内はいたってスタイリッシュ。天井が高く、木材をいかした設計で、まるで開放的なカフェのような空間だ。けれどプライスはいたって「食堂価格」。都内なら2、3人前であろうほどのボリュームで、なおかつ、もとは都内の懐石料理店で腕を振るっていた料理長による見た目にも美しく絶品の料理は、なんとすべて2000円ギリ! “史上最強”の漁協直営レストランは平日でも行列ができるという大人気。おそらくいま、日本一アツい“ハマの食堂”だ。

食堂の運営にあたる、平塚市内で飲食事業を展開する「ロコロジ」の常盤嘉三郎社長も「平塚で水揚げされるサバは絶品です!」と太鼓判を押す。

ふだんは〆サバなどで提供されている「神経締めのサバ」を、今回は特別に刺身でいただくことになった。料理長の今泉尊文さんが、さばいたばかりのサバを見せてくれた。「触ってみてください」。バットにのせられた、美しい身を指で押してみる。「ブルン」。うわっ、 ゴムまり触感! 「ムチムチでしょ」と笑う今泉さん。

神経締めにした平塚のサバ刺身。食感もよく、とろける味わい!

期待に胸ときめかせながら刺身を食してみると、ねっとり、そのあとにとろける脂ノリ、豊かな味わい。でも後味さわやか。まるで海岸沿いを吹き抜けるような風のようなサバだ。さすが、サバのテイストも湘南風だ。

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こんがりきつね色、サバフライにうっとり

「サバのフィッシュ&チップス」(780円)。ボリューム満点に見えるが、脂ノリがさわやかなサバは、じつにあっさりお腹におさまる!!

続いて、「フライでも試してみてください」と今泉さんが運んできたのが、「サバのフィッシュ&チップス」(780円)。これが凄い。見てください、この衝撃のビジュアル! 目の前に現れてきたのは、豪快に「1匹まるごと」きつね色に揚がったサバ!

驚きの「豪快さ」に、どこから食べたらいいのか悩んだ挙句にガブリとかぶりついて、またまた衝撃。驚くほどにサバの身がふっくらしているのだ。サクッサクの衣にくるまれた、ジューシーな脂ののったサバは、身がペッタリすることなく、すみずみまでふわっふわ! なんというか、「アジフライ」に近い食感なんである。

感動のあまりガブガブかじる。野蛮にかぶりつく「サバフライ」。「うめー、うめー」とかぶりつく目の前の全さば連会長・サバニスト小林は、野蛮人ならぬ「サバン人」と化してるし。

「サバン人」と化した、全さば連会長サバニスト小林も絶賛の三ツ星サバフライ

いやはや、「衣の中で身がふわっと躍る」躍動感あふれる平塚のサバフライはサバファンのみならず、フライマニアを悶絶させること間違いなし!

平塚のサバはこれだけではありません。次回は漁港を飛び出し、市内へ突撃しますよ~。


■平塚市漁業協同組合
電話番号:0463-21-0146
http://www.jf-hiratsuka.org

■平塚漁港の食堂
住所:平塚市千石河岸51-14/電話番号:0463-86-6892/営業時間:火〜日 11〜15時 ※営業時間内でも魚がなくなり次第、閉店/休み:月曜日 (祝日の場合、翌火曜日定休)


2015年3月19日公開

●池田陽子(いけだ ようこ)/
サバを楽しみ、サバカルチャーを発信し、サバで日本各地との交流をはかることを趣旨に活動し、イベント「鯖ナイト」を実施する「全さば連」(全日本さば連合会)広報担当「サバジェンヌ」。本業は薬膳アテンダント/食文化ジャーナリスト。本誌では「元気になる若返り薬膳」を連載。著書に『ゆる薬膳。』(日本文芸社)、『缶詰deゆる薬膳。』(宝島社)、『春夏秋冬ゆる薬膳。』(扶桑社)、「ゆる薬膳。」はじめたらするっと5kgヤセました!(青春出版社)。


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