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サバジェンヌが行く!

サバジェンヌが行く! 第26回
バッテラロックでバッテラとサバサンドを食らう!

フレンチやイタリアン、バルなどが集中する大阪・西区新町エリアに、「ロックなサバ(!)」のお店があるとの情報が! 全さば連(全日本さば連合会)のサバジェンヌ池田が大阪よりレポートします

サバ嬢、ジェンヌになって大阪に凱旋!

この店に「ロックなサバ」がある!

ホーミターイト  おおサバ ベイブルース♪

連載初の大阪入り! こんにちはサバジェンヌです。

ジェンヌのサバ人生と大阪は深~い関わりがある。わたしの人生におけるサバ初体験は、大阪人が愛してやまない「バッテラ」である。小学校2年生のとき、父が大阪出張の際に、おみやげに買ってきたバッテラを食べて「この世に、こんなに美味しいものがあるのか」と感動。以降、おみやげといえば「ケーキよりバッテラを喜ぶ」という立派な「サバ嬢」として成長。

その後、さらに大阪に引っ越すという幸運に恵まれ、大阪のスーパーでは「バッテラ常時販売は当たり前」というバッテラ王国の幸せをかみしめ、「バッテラでできた家に住みたい」という野望を胸に、あげくの果てにはサバジェンヌになってしまって今に至る。

そんなジェンヌですもの。この店名に響かないわけはない。

寿司バール『バッテラロック』。

バッテラにロックのせ。内田裕也もびっくりだ(たぶん)。一度聞いたら忘れられない店の看板料理はもちろんバッテラ。ご主人の岡田宣行さんは、無類のバッテラ好き。毎日食べても飽きないという筋金入りの「バッテラ―」だ。

もともとは居酒屋を営んでいた岡田さんが、4年前に新店をオープンするにあたって、まずメニューとして思いついたのは大好きなバッテラだった。

岡田さんは、ずっと思っていたことがあった。

「バッテラのサバは、なんで薄いんやろ」

確かに。サバの棒寿司は身がもっちりと分厚いのに、バッテラの場合、身はペラっとしていて、身よりもシャリの面積がはるかに大きい。

「もっと、ごっつい身のバッテラを作りたい!」。バッテラにおける「サバの面積拡大」に、飽くなきチャレンジを続け、ついに「オレが食べたかった」バッテラが完成。こちらを柱にサバのメニューが充実したラインナップで『バッテラロック』がオープンした。

ちなみに店名の「ロック」は、常時70~80年代の音楽を流していることと、岡田さんが1969年生まれであることをひっかけてある。

40~50代のサバファンのみなさん! デッド・オア・アライブとかティアーズ・オブ・フィアーズとかデュラン・デュランとかペット・ショップ・ボーイズを聴きながらサバが楽しめるのは、日本中探してもおそらくここだけやで!(涙)

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酒を飲むためのサバメニューが続々とお出まし

「ガリシソ〆サバ巻」(700円)。ガリそのものも、とっても美味しい~

『バッテラロック』のサバメニューは、「まんま」ではない。同店ならではのひねりが加わっている。「サバの味噌煮や、塩焼きなど定食屋で普通に食べられるようなメニューはなんか『おもろないな』と思いまして。あくまで酒を飲むためのサバメニューを考案しました」という岡田さんのロック魂が込められた料理はメニューを見ているだけで、サバ心をくすぐるものばかりだ。

まずは「ガリシソ〆サバ巻」。『バッテラロック』人気の「きさば」(関西では締めたサバをこう呼びます。覚えておきましょうね~)と、ガリとサバ、大葉を、のりで巻いた一品。脂ののったサバに、ガリが食感と爽やかさを添えて、酒のつまみに最高!

「サバ味噌カレー風味バケット付き」(650円)。カレーのトッピングは大葉。バケットは、全国のパン好きの注目を集める『ル・シュクレ・クール』のもの

そして「サバ味噌カレー風味バケット付き」。ぶつ切りにしたサバを味噌煮にして、カレー粉やガラムマサラなどのスパイスを加える。これをバケットにのせて食べるのだ。

サバのホクホクした身、旨みがみしっと染み出た濃厚な味噌煮とカレーのマッチングが最高! バケットにのせればビールやワインやバーボンなどのつまみに、ごきげんなくらいピッタリだ。

これも意外な感じだが、さらにさら~に。はて。器の上には、なぜか違和感のある物体が鎮座してますけど……。

「梅干し」降臨。

「バケットに梅干しをつぶして塗って、カレーをのせて食べてみてください」

えー!!!

というわけで、梅干しをバケットにぬりぬり。サバ味噌カレー風味をのっけてパクリ。

うおーーーー。こってりした味噌煮に、ほの甘い酸味が加わって目からうろこの美味しさ。梅干しとカレーとサバとバケットのミラクルな口内グラデーションにジェンヌ、ノックアウト。

そらもう叫んだわ。

「岡田さん、天才ですやん!!」 

なんでも、サーフィンが趣味の岡田さんが、とある浜の民宿で「焼き魚と梅干しを一緒に食べてみい」と言われて食べてみたところ、「えらい美味しかった」という経験からインスパイアされた秘策である。イベントでも大人気というこちら、ぜひトライしてほしい。

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サバファンの欲望を満たす「バッテラ」

看板メニューの「バッテラ」(750円)。写真は「バッテラ炙り」との盛り合わせ

そして、真打「バッテラ」の登場である。『バッテラロック』では、サバは、和歌山や兵庫など大阪近郊のサバを使用。脂ののったサバを浅めに締める。

バッテラを作るときの過程として、まずは押し箱に、サバの半身を箱に入るサイズに切り落として置き、その隙間を切り落とした小さい身で埋める、というのが通常のパターン。しかし、『バッテラロック』では「切り落とし部」を使わず、まんべんなくお腹あたりの太い身を敷き詰める。バッテラ―岡田さんは、ちまちましていないのである。

サバの上に、特製の寿司酢を使ったシャリをのせ、箱のふたをのせて、ほどよい押し加減で仕上げる。見よ、サバの分厚さを! シャリよりサバの身の面積が多い魅惑のバッテラ。しかもちゃんと、鯖寿司的「ラウンド形状」ではなく、あくまでバッテラの規則正しく、ピシッとした「スクエア」なビジュアル。

そして、光り輝くサバがめっちゃ美しい……って「バッテラ定番の白板昆布がないやん」とかいうあなた、ちゃんとサバを締めるとき、酢に昆布入れてはんねん。いやー、バッテラ、「脱いだらすごい」やん。あの昆布、いらん衣装やったわ、と思いました。はい。

ひと口食べると、とろり、ふっくらとしたサバの味わいがひろがり、シャリがほどよくそれを支えるという、あくまで「サバ発信」なバッテラは、サバファンの欲望を実に満たしてくれる魅惑の味わい。日本全国のバッテラ―に力強くおすすめしたい!

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サバサンドにのせるのは……!?

サバサンド(700円)。当初はガリもサンドしていたが「汁気が出るので」、あとのせスタイルに

そして、バッテラに次ぐ人気メニューが、オープン当初から提供しているサバサンドだ。こちらのサバサンドは、締めたサバを焼いて、マスタードを塗ったトーストに、大葉とともにサンドするスタイル。

そして、サバサンドにも違和感のある物体が鎮座している。

大量の「ガリ」!!!!

つか、バッテラの脇にいるのと、まるで同じ雰囲気で、たっぷりガリがいますけど。

「サバサンドにのせて食べてください」と岡田さん。

は?

なんと、飾りじゃないのよ、ガリは。
添えもんでもないのよ、ガリは。

まずは普通に食べてみる。締めてから焼いたサバは、身がパサつかずしっとり。こんがりトーストにほどよい酸味のサバ、マスタードと大葉の風味がぴたっと合致した仕上がり。ウマい!

ガリ、のせます

が、ガリである。のせてみる。かじってみる。

ひゃー。ガリの壮快な辛みをまとったサバサンドは、マスタードでは成しえない鮮やかさで、サバサンドのステイタスをアップしている! ぐわっと引き締めている感じ。でもって、ぐわっとその味わいが「酒方向」へ引力が働いているのである。うわうわうわ。

「ガリは~♪サバサンドのためにあるんやでぇ~♪ バッテラのもんだけとちがうのんやでぇ~」

サバサンドとガリの衝撃的な出会い。ゲバラも腰を抜かすサバサンドレボリューション。サバと生姜の相性のよさは、よくよくわかっていたが、サバサンドの大いなる隠し味になるとは! 

ガリさま、ありがとう!(涙)

そのほか『バッテラロック』では、これらの定番メニュー以外にも、日替わりの珠玉のサバメニューも登場。サバレシピの開発に余念がない岡田さんは、いまは「カレーと寿司とサバ」という、これまたロックなメニューも試作中だとか。乞うご期待!

サバ×ロックな、めくるめく熱い大阪サバナイトにしびれてくれたまえ!!


■寿司バール バッテラロック
住所:大阪府大阪市西区新町1-20-16 メゾンドール新町 1F/電話番号:06-4390-9108/営業時間:18時半~翌2時(サバが売り切れ次第、閉店)/休み:日・祝


2015年5月21日公開


●池田陽子(いけだ ようこ)/
サバを楽しみ、サバカルチャーを発信し、サバで日本各地との交流をはかることを趣旨に活動し、イベント「鯖ナイト」を実施する「全さば連」(全日本さば連合会)広報担当「サバジェンヌ」。本業は薬膳アテンダント/食文化ジャーナリスト。本誌では「元気になる若返り薬膳」を連載。著書に『ゆる薬膳。』(日本文芸社)、『缶詰deゆる薬膳。』(宝島社)、『春夏秋冬ゆる薬膳。』(扶桑社)、「ゆる薬膳。」はじめたらするっと5kgヤセました!(青春出版社)。


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