気取らない雰囲気の中 職人仕事を堪能する『すしひこ』@板橋 気取らなさとクオリティの高さのギャップにやられた。「かしこまって食べるのが得意じゃない」と言う和食出身の店主が開いたのは、寿司をメインにした小料理屋。おまかせで…
画像ギャラリー時は令和。コロナ禍を経て、お寿司のスタイルが多様化。気軽に楽しめるようになっていました。カウンターメインの店でも一貫ずつから注文できる店が増えています。人気店の新業態から地元に根付く店まで“明朗寿司”の厳選3軒がココ!
お好みでもおまかせでも気軽に選べて懐にやさしい『すし其一(きいつ)』@人形町
好きなネタを好きな順番で、気の向くまま。それはちょっと、ひとり旅の快楽に似ている。小肌の次は好物の玉子かホタテか、寄り道で毛ガニを肴に一杯やろうか。もちろん行先が決まったツアー的なおまかせもいいが、それ一択じゃないのがうれしいところ。
穴子 480円、小肌 380円、生イクラ 480円、本鮪赤身 380円、本鮪中トロ 480円
何てったって上質な素材が1貫80円~の明朗会計だ。懐と相談しつつ自由旅を楽しめる。そう、旅の舞台は人形町、初代の人気店『すし宗達(そうたつ)』が手掛けた期待の新鋭である。お値打ちの秘密は代表の新田真治さんが毎朝豊洲へ出向き、仲卸と信頼関係を築いて質のいい魚を手に入れる努力を惜しまないから。
特にマグロは有名仲卸「やま幸(ゆき)」から仕入れる上物で、ハッとする色香が赤酢のシャリと蜜月に絡まり口いっぱいに広がる。穴子もあえて通常より大物を使うのは、仕込みに手間を掛けてもよりふっくら感を楽しめるように。目指すはなるべく安く、おいしく、気軽に。『其一』の旅、間違いない。
[住所]東京都中央区日本橋人形町1-19-5 エムズクロス人形町5階
[電話]03-6661-6218
[営業時間]11時~14時、17時~23時
[休日]不定休 ※施設に準ずる
[交通]地下鉄日比谷線ほか人形町駅A5・A6などから徒歩すぐ
江戸前寿司を最新システムで、名店が始めた次代の寿司屋『寿司海路(うみじ)』@麻布十番
銀座で長年愛された老舗割烹『ぎんざ山路』が大人の街、麻布十番で新たに寿司屋を始めた。と聞けば一瞬ひるむが心配はご無用。カウンターに座ればポチッと気軽なモバイルオーダー制。システムはいかにも令和だが、魚はといえば山路時代から古い付き合いのある仲卸が目利きした極上の天然物だ。
トロたく細巻 1800円、春子鯛 700円、天然真鯛 700円、赤貝 880円
しかも付け場に立つのはこの道40年前後の熟練職人。軽く塩を当てて酢に通した春子鯛や酢〆してひと晩寝かせた小肌など、確かなネタは江戸前の仕事をきっちり施している。それがさくっと数貫つまむだけでも歓迎とはありがたき幸せ。楽しみ方はあなた次第。
[住所]東京都港区麻布十番1-5-25 麻布十番ハイツ101
[電話]03-6455-5179
[営業時間]12時~15時(14時半LO)、17時~翌4時半(翌4時LO)※日の夜は~22時
[休日]基本無休
[交通]地下鉄南北線ほか麻布十番駅4番出口から徒歩4分
気取らない雰囲気の中 職人仕事を堪能する『すしひこ』@板橋
気取らなさとクオリティの高さのギャップにやられた。「かしこまって食べるのが得意じゃない」と言う和食出身の店主が開いたのは、寿司をメインにした小料理屋。おまかせでネタを決めてくれるコースもいいけれど、ここは気さくな店主と「今日は何の魚がいいの?」なんて話しながら一貫ずつ出してもらう。
鯵 440円、小肌 440円、平目 440円、金目鯛 550円〜、中トロ 550円〜、車海老 770円〜
その握りがまた旨いんだ。平目はしっとり昆布〆にして旨みを引き出した身に、サッと削りかけた柚皮がふわりと香る。この職人仕事をテレビが流しっぱなしの店内で気を緩めて食べられる。こんな楽しみ方ができるとは、いい時代になったもんだ!
[住所]東京都北区滝野川7-15-3
[電話]03-5972-1503
[営業時間]12時~14時(13時半LO)、17時~23時(22時半LO)※日・祝は~22時(21時LO)
[休日]木
[交通]JR埼京線板橋駅東口から徒歩3分
撮影/西崎進也(すし其一、寿司海路)、小島昇(すしひこ)、取材/肥田木奈々(すし其一、寿司海路)、藤沢緑彩(すしひこ)
※2023年11月号発売時点の情報です。
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