東京の官庁街・霞が関の中心から東京タワー方面に十数分歩くと、高層ビルが林立する一帯に出る。「虎ノ門ヒルズ」だ。森タワー、ビジネスタワー、レジデンシャルタワー、ステーションタワーの高層ビル4棟から成る複合施設。4棟の中で最…
画像ギャラリー東京の官庁街・霞が関の中心から東京タワー方面に十数分歩くと、高層ビルが林立する一帯に出る。「虎ノ門ヒルズ」だ。森タワー、ビジネスタワー、レジデンシャルタワー、ステーションタワーの高層ビル4棟から成る複合施設。4棟の中で最後に開業したステーションタワーの飲食エリアから、昼飲みに最適な“ネオ酒場”3軒を紹介したい。
2023 年10月開業、地上49階建て高さ約266m
地上49階建て、高さ約266mの「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」は2023年10月に開業。虎ノ門ヒルズ駅直結のビル内には商業施設、オフィス、ホテルなどが内包されており、中でも地下2階から地上7階の約70店舗が出店する商業施設エリアは、グルメ好きなら注目しておきたいエリアだ。
B2階に誕生した「食」が中心の「T-MARKET(ティーマーケット)」や、4階の和洋中の店舗が揃うダイニングエリアは、はしご酒にぴったり。1日中を通してさまざまなシーンで楽しめ、昼飲みにももってこいだ。これから紹介する3軒には、ぜひ足を運んでほしい。
名物「虎ノ門おでん」をアテに、サク飲みを満喫!@「角打ち KAN」
一次会の前から飲み始める「0次会」や、立ち飲みを楽しむなら、「角打ち KAN」がおすすめだ。同店は、東京・蒲田にある酒屋直営の酒処「榎本酒類」の新業態である。店内には立ち飲みできる「角打ちエリア」に加え、料理と酒を提供する「酒処エリア」もあり、エリアは2つに分かれている。
「角打ちエリア」では日本酒が約10種楽しめるほか、国内外のクラフトビールを常時5種類以上、焼酎やワインも堪能することができる。さらに、手土産としてテイクアウトできるところも魅力だ。
「酒処エリア」の料理の腕を振るうのは、東京・自由が丘にある「おでん 高太郎」を約10年ほど経営した料理長。静岡産の花カツオと日高昆布でだしをとった、看板メニューの「虎ノ門おでん」は、約25種類の食材が楽しめる。大根、卵、ちくわなどの定番はもちろんアボカド、ミニトマト豚肉巻きなど変わり種の具材もしっかり揃えているところがポイント! 薬味も辛子・生七味・柚子胡椒・柚子味噌と好みに合わせて選べる。
ドリンクは、滋味深く落ち着いた味わいの「冷酒 農口尚彦 観音下 2018vintage」(759円)や、思わずほっとする「生姜かおる甘酒サワー」(759円)、オリジナルの「ハイボール1936~カフェ スキー~」(605円)など、豊富なラインナップだ。リーズナブルな価格で楽しめるので、ぜひ気軽に立ち寄ってみてほしい。
■「角打ち KAN」
[住所] 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー B2F T-MARKET
[営業時間] 月~金16時~23時、土・日11時~22時
[電話] 03-6661-0616
[定休日]無休
[交通] 地下鉄日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」直結
“NEXT JAPAN”がテーマ、和の心を居酒屋から伝える@「虎ノ門 楽き」(らっき、き=「七」が3つ)
東京・三軒茶屋の人気店「三茶呑場マルコ」の姉妹店。和食居酒屋「虎ノ門 楽き(き=「七」が3つ)」もいちおしの酒場だ。グローバルなビジネス拠点として世界中から人が集まる虎ノ門で、季節の食材を使い、ひと手間を加えたオリジナリティあふれる和食メニューを発信していく。加えて、熟練の職人が握る鮨も必見だ。
コンセプトは「NEXT JAPAN」。「普遍的な日本の居酒屋スタイルをベースにしながら、ブラッシュアップした当店ならではのメニューを取り揃えた」という。
注目の「楽き酒菜盛り(き=「七」が3つ)」(2500円)は、その日の旬食材で仕立てたつまみと、鮨を一度に味わえる、目でも舌でも楽しいメニューだ。炭火で焼いた銀鮭の上に、いくらと自家製の漬けの黄身を乗せた「銀鮭ランラン」(2500円)は、いくらのプチプチした食感と、とろりとした黄身の食感がたまらない至福の一品である。
合わせる酒は、日本酒(900円~)にフォーカス。新潟「〆張鶴」、福島「楽器正宗」、高知「光栄菊」をはじめ10種類以上ラインナップしている。店内は、臨場感あふれるカウンター席と、わいわい囲みたくなる1枚板の大テーブル、ゆったりできるテーブル席の3種を用意。人と人との繋がりが自然と生まれる、居心地のよい酒場だ。
■「虎ノ門 楽き」(らっき、き=「七」が3つ)
[住所] 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 4階
[営業時間] 平日・土11時~14時(L.O.13時半)、17時~23時(フード L.O.22時、ドリンク L.O.22時半)13時~22時半、日・祝11時~14時(L.O.13時30分)、17時~22時(フード L.O.21時、ドリンク L.O.21時半)
[電話] 03-3528-8433
[休日]不定休※5月1日(水)臨時休業
[交通]地下鉄「虎ノ門ヒルズ駅」直結
居酒屋とレストラン、バーのエッセンスが融合した粋なスポットへ@「Uke」
東京・日本橋兜町でミシュランのビブグルマンを獲得したカジュアルフレンチ「Neki」を手がける西恭平さんのチームと、東京・蔵前の人気立ち飲みリカーショップ「NOMURA SHOTEN」のオーナー兼トップバーテンダー、野村空人さんがタッグを組んだ。「Uke」はジャンルにとらわれない料理が味わえるネオ酒場だ。
定番の和食はもちろん、「かます大葉巻き焼き/焦がし昆布オイル」(2000円)をはじめ、居酒屋カルチャーとレストランのテクニックを合わせた意外性のあるメニューを展開している。店内の照明や家具は、料理と同様に作り手の手しごとを感じるセレクト。食材として利用する野菜が並ぶカウンター席と、ゆったりとしたテーブル席があり、ヴィンテージ感のあるインテリアに囲まれ、ゆったりくつろげる。
ドリンクは、定番のビールやナチュラルワインはもちろん、トップバーテンダーの野村空人監修の個性的なカクテルも揃う。緑茶・粕取り焼酎・ジンを合わせた「緑茶割り」(1100円)、ほうじ茶・麦焼酎・メスカルを組み合わせた「ほうじ茶割り」(1200円)など、ビールサーバーのタップ(注ぎ口)から注ぐ各種「タップカクテル」は、まるでバーに訪れた時のような奥深い味わいが楽しめる。
■「Uke」
[住所]東京都港区虎ノ門2-6-1 B2F T-MARKET
[営業時間] 11時~14時半(L.O.14時)、17時~22時(L.O. 料理21時、ドリンク21時半)
[電話] 03-6205-8899
[休日] 水曜
[交通]地下鉄日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」直結
文・写真/中村友美
フード&トラベルライター。東京都生まれ。美術大学を卒業後、出版社で編集者・ディレクターを経験後、現在に至る。15歳からカフェ・喫茶店巡りを開始し、食の魅力に取り憑かれて以来、飲食にまつわる人々のストーリーに関心あり。古きよき喫茶店や居酒屋からミシュラン星付きレストランまで幅広く足を運ぶ。
趣味は日本全国の商店建築巡り。