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自宅での晩酌は日々のストレスを和らげてくれます。ただ、仕事で疲れているだけに、手の込んだおつまみを用意するのは面倒。そこで手軽に美食が楽しめる缶詰はいかがでしょう。外飲みが難しい今、ちょっとリッチな缶詰で豊かな気分になってみませんか?

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“日本一の缶詰売場”カンダフル

東京交通会館地下1階にある期間限定の「カンダフル」

東京交通会館(有楽町)の地下1階を歩いていると、和歌山県のアンテナショップ「わかやま紀州館」の前に、興味深いお店を見つけました。窓ガラスに「日本一の缶詰売場!」の文字が見えます。「日本一」の宣伝文句に、思わず足が止まりました。

吸い寄せられるように入って、店員さんに聞くと、約300種類もの缶詰があるんだそうです。たしかに、店内は缶詰、缶詰、缶詰……。ある意味、“壮観”です。これだけあると、何を選んでよいのかわかりません。そこで、売れ筋を尋ねると、1位は「牛たんデミグラスソース煮込み」、2位は「金華さば 味噌煮」とのことでした。 

「それで、3番目に人気は?」
店員さん曰く「ツナ缶が人気なんですけど、最近は、その中でもこれが、売れてるんですよ」。それは……。

あの「ふくや」が出した「めんツナかんかん」は、日本酒にも合う!!

紹介してくれたのは、「めんツナかんかん」。はて、「めん」とは……。缶を見ると、「ふくや」の文字が。ふくやは「味の明太子」であまりにも有名な福岡の老舗です。なるほど、「めん」とは、「明太子」のこと。明太子風味のまぐろ油漬けが、「めんツナかんかん」です。

缶の側面に、ご飯にツナをのっけた写真が載っているぐらいですから、ご飯に合うのは間違いありません。ただ、店員さんが気になることを言います。
「甘めなので、日本酒に合うんですよ」

早速、自宅で試してみました。炊き立ての白いご飯の上に、ツナをのせます。しっとりとした油漬けのツナがご飯にからんで、口の中でツナと油の旨みが広がります。そして、明太子のぴり辛がいいアクセントになって、ご飯がすすみます。

次に、アドバイス通りに、日本酒の肴として、楽しんでみました。合わせたお酒は、酒どころ・新潟の銘酒「きりんざん ホワイトボトル 大吟醸生」(麒麟山酒造)です。

確かに、これは合います。程よいぴり辛でしっとりとした甘めの味わいのツナと、フレッシュな淡麗辛口のお酒の相性は抜群です。ツナを少し口の中に運び、ゆっくりと味わったあと、杯を傾けます。舌に残った濃厚な感覚が和らぎ、清涼感が広がります。うん、うまい。

脂のノリがたまらない「金華さば 味噌煮」

さばの味噌煮も、代表的な日本酒の肴でしょう。そして、この「金華さば 味噌煮」は、名前の通り、三陸のブランド魚「金華さば」が使われています。何と言っても、脂のノリが魅力です。これも、淡麗辛口のお酒がよく合います。

製造業者は、宮城県石巻市の「木の屋石巻水産」。石巻魚市場で水揚げされた旬なさばが使われています。「カンダフル」では、さば缶の中で第1位です。

まろやかな味噌が、脂ののった金華さばの旨みを引き立てます。なんとも上品な味わいです。ご飯のおかずとしても、最高です。

厚く、柔らかく、そしてとろける……「牛たんデミグラスソース煮込み」

「ごろごろした柔らかいお肉は、食べごたえがありますよ」
缶を開けて別の容器に移すと、なるほど、店員さんの言葉通り、厚切りにカットされた肉が、“ごろごろ”入っている印象です。

ラップをかけて、電子レンジで温めます。ラップを取ると、デミグラスソースの甘酸っぱい香りが漂ってきました。この香りが、食欲をそそります。牛たんは、特製のデミグラスソースでじっくりと煮込まれており、柔らかく、口の中でとろけます。1位の理由が実感できる納得の美味しさでした。

ご飯のおかずにしてもよいのですが、店員さんがこんなことを言っていました。
「ソースまでしっかり食べてほしいので、ぜひ、パンと一緒に」

アドバイス通り、食パンにソースをつけて食べてみました。濃厚なソースの深い味わいが、あますところなく楽しめる感じです。ふと、閃きました。これは、赤ワインに合うなと。実際、ワインにも、ビールにも、合います。

実は、この缶の製造業者も、「金華さば 味噌煮」と同じ「木の屋石巻水産」です。水産加工業者が、畜産物の食品を手掛けるというのはユニークな試みです。ただ、牛たんは杜の都・仙台のグルメで、宮城県ではポピュラーな食べ物です。同じように郷土の食材を使っているという視点で見ると、この商品化は頷けます。

再認識した缶詰の魅力、奥深さ、そしてコスパ

3缶の値段(いずれも税抜き)は、「めんツナかんかん」が350円、「金華さば 味噌煮」が550円、「牛たんデミグラスソース煮」が650円です。缶詰の中では少々高めではありますが、どれも“お値段以上”の印象がありました。お店で提供される料理と比べて遜色のないクオリティー。値段で比べれば、軍配はこの3缶に上がるでしょう。

贅沢な牛たんの煮込みが、この値段で食べられるのは驚きです。今回、この3缶を味わって、旬で本格的な味が季節を問わず楽しめる缶詰の魅力を再認識するとともに、その奥深さ、コスパのよさについても考えさせられました。
手軽でいて、味わいはとてもリッチ。何よりも、保存性に優れています。宅飲みの“あて”として、いろんな缶詰を試してみてはいかがでしょう。

「カンダフル」の店舗情報

東京交通会館地下1階にある期間限定の「カンダフル」

今回購入した東京交通会館地下1階の「カンダフル」は、2020年末から2021年5月末まで(予定)の期間限定の出店ですが、東京・秋葉原の「日本百貨店しょくひんかん」では缶詰専門コーナーとして常設されています。

[住所]東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館地下1階
[営業時間]10時~19時(日・祝18時まで)。※営業時間は異なる場合があります。2021年5月末まで(予定)。
[交通]地下鉄銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅C9出口から徒歩3分、地下鉄有楽町線銀座一丁目駅2番出口から徒歩1分、地下鉄有楽町線有楽町駅D8出口から徒歩1分、JR山手線有楽町駅中央口から徒歩1分

撮影・文/堀晃和

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部 堀
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