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串焼きされた状態で提供されることの多い焼きとん。が、焼肉のように自分で焼いて楽しませる店も。職人の匠の味には及ばないかもしれないが、火を囲み、好みの焼き加減に仕上げるのは、魅惑の食時間なのだ。

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『七輪ホルモン焼・もつ鍋 まことや』@五反野

鮮度抜群の豚モツたちは下処理が丁寧な茨城県のものがメイン。野菜は地元の足立野菜を使用している。また炭火は会話の少ないひとり客と会話の多いグループとで、火力を変えて提供するこだわりぶり

くるりキャンディが教えてくれる 豚モツの鮮度と旨さ

テラテラ光る豚ホルモンの皮を下にして七輪に乗せる。待つことしばし。
ほどよく焼けたらひっくり返し、脂のある側を炭火で炙る。
と……モツがくるりと反り返るではないか!

この状態を、包み紙に似ていることから“キャンディ”と言い、鮮度と状態がいいモツだからこそなのだと、店主の茂野さんは胸を張る。

口に含めば皮はさっくり噛み切れ、脂の甘み・旨みが口中に広がっていく
瑞々しいレバーやタン、旨みが濃厚なハラミなど、ほかの部位も推して知るべしだ。
そして塩やタレなど各部位の魅力を引き立てる味付けで提供。

力強さと繊細さを併せ持つ、豚の魅力に開眼すること必至の旨さだ。

自慢の煮込み!

豚すじ煮込み豆腐(390円)
ハラミに付いたスジやタン先など、他店では捨ててしまうものを使用。丁寧に下茹でし、臭みは一切なし。濃厚な味わいが楽しめる

上から順に、豚ハラミ肉(450円)、白もつ大腸(450円)、豚タン下(480円)、豚生レバー(450円)

千切りキャベツのポテチマヨネーズ和え(350円)
キャベツの千切りにポテトチップスを和えマヨネーズで味付け。箸休めにはもちろん、一品料理としても美味なり。ポテトチップスは仕入れで変わる(取材時はのり塩味)。後ろはかち割りワイン

『七輪ホルモン焼・もつ鍋 まことや』

[住所]東京都足立区中央本町2-22-14 1階
[電話]03-3849-8171
[営業時間]17時~24時(23時半LO)
[休日]日
[交通]東武伊勢崎線五反野駅から徒歩7分

『初代 吉田 門前仲町店』@門前仲町

肉厚な「コロタン」とよく焼きで美味な「生シロ」、コリコリ食感の「フエガラミ」

鮮度、味付けに加え希少部位も揃え、ここだけの味わいに

亀戸の行列店「初代吉田」の2号店が昨年、門前仲町に誕生した。
朝締めの鮮度抜群の豚モツを使い、ごま油とニンニク、塩といったシンプルな味付けで提供する

さらに例えばカットの妙で歯切れの良さと柔らかさを両立した「コロタン」、ナンコツに食道と肉がつきコリコリとした器官ならではの旨みと肉のジューシーさがいっぺんに味わえる「フエガラミ」など希少部位も用意。

多くのメニューが亀戸の本店と同じだが、門前仲町店ならでのものが「生シロ」。
ボイルしていない生の焼きたてを頬張れば、豚モツらしい香りがふわっとしつつ、噛み締めると力強い旨みがあふれ、思わず唸ってしまう逸品だ

上から順に、生シロ(580円)、フエガラミ(580円)、コロタン(600円)

上から順に、デビル麺(900円)、自家製キリマンハイボール(550円)、塩豚足(450円)
プルプル食感の「塩豚足」は骨が抜いてあるので食べやすい。「デビル麺」は粉唐辛子の辛みとリンゴなどの甘さ、鶏胸肉のチャーシューなど旨さのバランスが抜群。ウイスキーの甘さとコーヒーの香りが立つハイボールでぜひ

『初代 吉田 門前仲町』

[住所]東京都江東区富岡1-3-8
[電話]03-6458-8799
[営業時間]17時~23時半(23時LO)、日・祝14時~23時(22時半LO)
[休日]月(祝の場合営業し翌休)
[交通]地下鉄東西線ほか門前仲町駅2番出口から徒歩2分

『炭火 ホルモン焼 夏冬』@大門

「鮮度が命。余計な調理はしない」という豚モツは、毎朝芝浦の食肉市場から直接仕入れる。かしら、しろ、ればー、たん、はつ、がつ、なんこつ、こぶくろ、はらみの全9種類が気前よくひと皿に。焦がさず焼くのがポイント

郷愁覚える空間で焼く 艶々鮮度抜群 一緒盛りのホルモン!

正面に芝大神宮の大鳥居を見て、さっと路地を折れると、そこだけタイムスリップしたような佇まいが実にいい。

味のある壁の値札に並ぶ豚ホルモンは、総じてひと皿400円。いいねえ。しかし、常連ならまず頼むのは盛り合わせ。
大盛で2000円、皿の上には全9種類の豚モツが文字通り大盛りだ。

艶々で見るからにきれいで新鮮。
これを炭火の遠赤外線で焦がさず焼けば、各部位ごとに旨みと持ち味が出て、シンプルに実直に旨いんだなあ。
やや濃いめのタレと辛子味噌がまた合う。どこか郷愁を誘う、飾らない旨さだ。

MIXホルモン(980円)

奥から、ホッピー(550円)、おつまみもやし(300円)
シャキシャキした食感と辛いソースで、これまた酒がすすむ味

『炭火 ホルモン焼 夏冬』

[住所]東京都港区芝大門1-8-4
[電話]03-3431-0552
[営業時間]1時半~13時半(平日のみ)、17時半~23時半
[休日]祝
[交通]都営大江戸線大門駅A6出口から徒歩3分

『ホルモン鶴松 1号店』@新橋

どっしりとした旨さの「カシラ」と「ハラミ」、「ホルモン」はプルプルだ

様々な味わいでパワーチャージできる 新橋屈指の人気店

昼夜を問わず、七輪を囲み幸せそうに過ごす人々の姿が見られるのが同店。提供するのは朝締めの良質なモツたち。

そしてそれらの旨みを最大に引き出す、様々なタレを用意しているのが心憎い
例えば旨みの強い「カシラ」はニンニク醤油、脂のりの良い「ハラミ」はさっぱりとおろしポン酢で。
「ホルモン」は辛みそ、さらに「チレ」や「ハツ」は鮮度の良さを活かす塩がおすすめ。

部位の味わいを知り尽くしているからこその味付けに唸らされる。
比較的しっかりした味付けなので、ドリンクはもちろん、麦飯もワシワシ進むこと間違いなしだ。

上から順に、豚ホルモン(385円)、カシラ(385円)、豚ハラミ(429円)

上から順に、もやしナムル(319円)、生ビール(319円 ※タイムサービス価格)、酢もつ(385円)
「酢もつ」は食感がいい「コブクロ」と旨みが強い「アゴ肉」をミックス。九州から取り寄せたポン酢と柚子胡椒の風味があと引く味わいだ。「もやしナムル」はごま油がきいたシンプルな味付けでシャキシャキ食感も魅力。12時~18時はタイムサービスで、写真の生ビールのほか、レモンサワーとハイボールが209円で提供

『ホルモン鶴松 1号店』

[住所]東京都港区新橋3-16-8
[電話]03-6809-1087
[営業時間]12時~23時半(23時LO)、日・祝12時~22時半(22時LO)
[休日]年末年始
[交通]JR山手線ほか新橋駅烏森口から徒歩2分

『ホルモン焼き 婁熊東京 恵比寿店』@恵比寿

「てっぽう」や「ぱい」は旨みの濃い大貫を使用するなど、部位ごとに厳選

豚への愛が炸裂!仕入れから炭火までとことんこだわる

「豚に対する社会的評価を上げたいし、畜産農家さんの頑張りにも報いたい」(店主・熊井さん)と、芝浦だけでなく、千葉や伊豆からも豚を仕入れる。とはいえ、素材の良さに頼り切らないのが同店。

カットにこだわり、部位ごとに厚み、大きさを変えるのはもちろん、塩や醤油など味付けに使う素材を厳選し、シンプルながら豚モツの一番の味わいを引き出す味付けで提供する

さらにモツを焼く七輪は特製で、炭が持つ豊かな香りも調味料のひとつと、高価な紀州備長炭を使用
豚に対する愛情ゆえのこだわりが、悶絶必至の美味を生み出している。

自慢の煮込み!

もつ煮込み(680円)
柔らかなもつを、甘みとコクのある牛ダシのスープと合わせる。ニンニク・ショウガ不使用で汁を飲み干したくなる美味しさ

焼物9種類盛り合わせ(1500円~ 1人前)
※写真は2人前右上から時計回りに、はつ・ぱい・しろころ・ちれ・てっぽう・のどぶえ・かしら・あみれば・がつ

前菜シャルキュトリー盛り合わせ(1800円 150g)
自家製のパテ・ド・カンパーニュやロースハムは繊細な味わい。トリュフ入りサラミと唐辛子などのサラミもお酒が進む。ワインはフランスのビオがメイン。料理と相性抜群の旨口の日本酒も取り揃える

『ホルモン焼き 婁熊東京 恵比寿店』

[住所]東京都渋谷区恵比寿西2-3-5 石井ビル地下1階
[電話]03-3464-8929
[営業時間]11時半~15時(14時半LO)、18時~24時(23時LO)、土18時~24時(23時LO)
[休日]日、不定休
[交通]JR山手線ほか恵比寿駅西口から徒歩7分

撮影/小澤晶子、瀧澤晃一(吉田、鶴松)、石井明和(夏冬)
取材/市村幸妙、池田一郎(夏冬)、編集部(まことや)
店のデータは、2020年11月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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