映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』を初日に観てきました。 懐かしい鉄道風景と、江ノ島の味のお話です。 予告編でも出てくる1両編成の車両がなつかしくて、なつかしくて……。 そんなわけで今回は、江ノ電としらす丼のお話です。
江ノ電・江ノ島編 タンコロ列車の思い出と絶品しらす丼 1980年/2013年撮影
映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』を初日に観てきました。 懐かしい鉄道風景と江ノ島の味のお話です。 『鎌倉ものがたり』は原作も好きでよく読んでいました。 映画はハートフルで、ダイナミックで、楽しく見ることができました。 ストーリーとは別に、鉄道カメラマンとしては、江ノ電車両に釘付けです。 予告編でも出てくる一両編成の車両がなつかしくて、なつかしくて。 100形電車、1両編成で運転することから、単行>タンコロ電車 と、呼ばれるようになっていました。
この車両が走っているのを見たのは私が大学生のころ。 昭和55年の年末のこと。 ついに廃車が決まり、お別れ運転の撮影に行きました。 廃止時の車両は2両、「107」と「108」でした。
当時ももちろん人気者の車両で、平日に行ったにもかかわらず、たくさんの人出でした。 有名撮影地の江ノ島付近の道路を走る区間や、鉄橋など1日かけて撮影です。
今の電車と違って、モーター音も大きく、いかにもがんばって走っているといった感じでした。 映画の中の車両は、撮影用に作られた実物サイズのセットだそうです。 ものすごく良い作りになっていました。 昭和55年のお別れ運転で走った2両ですが、「107」が由比ヶ浜の公園にひっそりと置かれています。 もう1両の「108」は、江ノ電の車庫の中に今でも置かれています。 なんと、修復して動く状態になっていて、毎年11月に行なわれる「タンコロまつり」で一般公開されます。 昭和初期に作られた車両が今でも動く状態でいるのは、すごいですね。
江ノ島といえば、売り切れ必至の「生しらす丼」を食べないと……!
江ノ電の窓からも見える江ノ島。江ノ島駅から橋を渡って行くことができます。 まずは、江島神社(ノは付かないですが“えのしまじんじゃ”と読みます)をお参りを! “エスカー”という有料のエスカレーターがあるので、登りはラクラクです。 展望台からは海越しの富士山を楽しんで、いよいよ食事です。 もちろん、目的は“しらす丼”。 江ノ島の中に、しらす丼を出す店はたくさんあるのですが、このときは「とびっちょ本店」に入りました。 昼ごろに入ったのですが、生しらすはギリギリ在庫がある状態。 すぐ後の方は、売り切れになっていました……。 当日に獲れた分しか使わないので、日によって売り切れ時間が違うようです。 もちろん悪天候や不漁で在庫がなければ出てきません。 食べるには少し早めに行って、運も必要です。 なお、1月1日から3月10日は、しらすが禁漁になるので注意してください。
江ノ電の甘味名物は、江ノ島駅近く(道路合流の交差点)の「扇谷」で販売している「江ノ電もなか」、江ノ電を模したかわいいパッケージに入っていて、もなかも電車形です。 おみやげに、ぜひ。
江ノ電もなかの「扇谷」。 ホンモノの江ノ電車両の中で作っています。
江ノ島のあたりは富士山を見るにも良い場所です。 写真は稲村ガ崎駅近くの海岸から見た夕刻の富士山です。 ゆったりと一日楽しめる、江ノ電の旅ですよ。
『富士鉄週末ぶらり旅』 講談社
佐々倉実の本です! 富士山が見える25本の鉄道と旅をご案内しています。 もちろん江ノ電もご案内。 電子版も出ていますので、ぜひご覧になってください。 次回は、江ノ電鎌倉編です。
佐々倉実(ささくら みのる) 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”。初めて鉄道写真を撮った小学生のころから約50年。鉄道カメラマンなのに、列車に乗ると走るシーンを撮影しにくいので、撮影の8割はクルマで移動。そんなワケで1年のかなりの期間をクルマで生活しています。ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。 主な著作に「富士鉄」(講談社)「新幹線ぴあ」(ぴあMOOK)「鉄道ムービー入門」(玄光社)「ひつじがすき」(山と溪谷社)など多数、映像集に「感動の美景鉄道」(MAXAM)「日本の新幹線・特急」(シンフォレスト)など、担当番組に「素晴らしき日本・鉄道の旅」(BS-TBS)など
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