創業約60年の寿司屋で、昔ながらの1階が店舗、2階が自宅という造り。 西成の“歴史”を見続けてきた人物でもある3代目の大将、太田恵さんが握る寿司は、西成らしく手頃な価格。 だが、ネタは新鮮。舌が肥えた常連客に加えて新しいお客が交差するように訪れる店なのだ。
画像ギャラリー1皿220円と実にお値打ち! 創業60年、西成にある親子3代続く老舗寿司店「親子寿し」に潜入
「親父が引退して丸1年が経ちます。
先代は祖母と一緒に働いていて、それで『親子寿し』という屋号になったんです」
こう語るのは、JR新今宮駅から徒歩数分の場所にある「親子寿し」の3代目の大将太田恵さん(49歳)。
創業約60年の寿司屋で、昔ながらの1階が店舗、2階が自宅という造り。
「西成暴動で労働者と警察と対峙して……という事件があったのが、この目の前の交差点ですわ(笑)」
そうそう。
太田さんは西成の“歴史”を見続けてきた人物でもある。
外国人観光客の増加にともない、町も随分と変化もした。
「1日1組、外国人観光客の方が来店されますね。東南アジアの方が多いです」
外国人観光客が増えると西成も活気づいた。
お店も増えて、日本の若者が西成に訪れるようになった。
しかも、ココは西成らしく実にお手頃な価格で寿司を食せる。
ネタは新鮮。
舌が肥えた常連客に加えて新しいお客が交差するように訪れるのだ。
寿司はネタケースを見ればいい。
豊富なこのネタを次々と握っていく。
さて、今の時期におススメな旬の素材「牡蠣」(2貫320円)からスタート。
岡山県産の牡蠣で、今の3月中旬が牡蠣もそろそろ終わりの時期。
秋よりも終わりに近くなるほど、サイズが大粒なのが特徴だ。
この大粒の牡蠣をひと口。
ううう、タマらん。
何もかも忘れさせてくれる旨さやないかっ!
続けて「鮪」(220円)。
あ、そうそう。
醤油はハケで塗るタイプ。
上の左からアマダレ、からし醤油、そして下が普通の醤油となる。
サクッと塗ってパクっとひと口。
ビールも勝手に進んでしまうやないか!
続けて「エビ」(320円)と、「カンパチ」(220円)を追加。
体高のあるこのエビ。
そりゃ、旨いに決まっている。
この皿を見てほしい。
220円がこの丸みを帯びた皿。
角ばった下の皿が320円。
常連客になると、こんなパターンも。
皿を見てわかると思うが320円の皿。
3貫でこのお値段だ。
アジやサーモンなどがのっている。
最後のシメは「赤だし」(300円)。
寿司屋らしい出汁と風味がきいた味噌汁を飲んで、この日は退散となった。
最後にひと言。
大満足や!
親子寿し
[住所]大阪市西成区萩之茶屋1-1-8
[TEL]なし
[営業時間]17:00~23:30
[定休日]日曜、祝日
加藤 慶(かとうけい)
大阪在住のライター兼カメラマン。週刊誌のスクープを狙う合間に関西圏の旨いモンを足で稼いで探す雑食系。
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