福岡市内で話題のエリア「渡辺通」にある『ビストロ・クワバラ』は、独自のメニュー構成であることに加え、看板猫がいることでも人気のお店です。そのメニューと、かわいい猫ちゃんに迫ります。
画像ギャラリー予約時に確認するから安心“お店のアイドル”
1度でもフランス・パリのビストロを訪れたことがある人なら、なんだか懐かしい気持ちにさせる『ビストロ・クワバラ』。
テーブルや椅子、店内のカーテンや漆喰の壁を飾る絵画、そして、何より客を迎える雰囲気にもそれが感じられる。
渡辺通という福岡市内でも大きな通りから少し入った裏通りにあるが、界隈には人気の食堂やカフェがあり、古い民家をリノベーションして店舗にするなど、これから注目の飲食店のオープンも期待されるエリアだ。
オーナーシェフの桑原竜一さんは、2011年に福岡市中央区警固にガレット専門店をオープン。2013年に移転後、現在のようなオングレステーキとフランス菓子の店へ営業スタイルを移行してきた。
ここで、料理の話をちょっと離れて、店のアイドルの話を少し。実は、これがビストロ・クワバラの話題のひとつだ。
それは、猫のヌガチン。
人気店だけに予約は必至だが、電話で予約をとる際にいくつかお約束がある。「肉を準備するため、直前のキャンセルはできない」、「ワンドリンク制」といった最後に、「店内に猫がいますが大丈夫ですか?」と聞かれる。苦手な人はここで断ることになると思うが、この店を訪ねるゲストは皆、ヌガチンのファンである。
しつけられたおとなしい猫なので、飛びつかれるようなことはないが、膝に乗ってきたとうれしそうに話すお客さんもいる。そして、空間にかわいい動物がいる幸せを、感じることができるのだ。
メニューは昼夜ともにひとつだけ
『ビストロ・クワバラ』のメニューは至ってシンプル。デザート以外は、基本オングレのステックフリット(ステーキとフリットのこと)のコースのみ。他には、生ハムやチーズなどの軽いひと皿がある。しかも、昼・夜ともこのワンコースで価格も同じだ。
オングレは、横隔膜の近くの旨みのある赤身肉だ。日本でいうA5ランクのようなサシの入った高級なステーキ肉ではないが、フランスでは人気が高く、庶民に広く長く愛されている。
最近は、日本でも評判が高まって、食べられる店も増えてきたが、専門店はここだけではないだろうか。
コースには、ウオールナッツ(くるみ)とパルミジャーノレッジャーノの食感が楽しく風味豊かなサラダや、自家製のフレンチフライが付く。肉はミディアムレアで絶妙に焼き上げられており、柔らかく、噛むごとに旨みが溢れる。この肉の味を、さらに引き立てるのが、フランス料理に欠かすことのできないソースだ。
クワバラでは、牛すじ肉などと香味野菜を、時間をかけて煮出し、漉してとったスープストックをベースにした豊かな旨みのソースを使っている。パンも自家製で、おかわり自由。このパンで皿のソースを拭って、最後まで食べなければもったいないのだ。
また、肉は赤身なので軽く、女性でも「替え肉」を注文、おかわりすることもあるそうだ。
これまでは高級な食事または、がっつり男メシというイメージが強かったステーキのコース。このバヴェットステーキのコースだと、量もお手頃で女性でも気軽に手を出しやすい。
ステーキコースで楽しんだ〆には、デザートも用意。看板猫の由来になった「ヌガーグラッセ」は、フルーツやナッツが入った冷たいデザート。
[住所]福岡市中央区渡辺通3-7-1 ボヌール天神南1階
[電話番号]070-3243-8088
[営業時間]12時~16時(14時半LO)、18時~21時(20時LO)
[休み]水・木のランチ
[交通]地下鉄七隈線渡辺通駅2番出口から徒歩4分
取材/牛島千絵美 撮影/松隈直樹
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