革靴じゃない“第三の”選択肢に? 老舗ミズノが創業116年で初めてドライビングシューズを作った訳

ミズノが創業116年目にして初ジャンルのシューズを開発! 大手スポーツ用品メーカーのミズノは本日2022年9月20日より、ドライビングシューズ「BARE CLUCH(ベアクラッチ)」を発売。さまざまな競技向けのシューズを…

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ミズノが創業116年目にして初ジャンルのシューズを開発!

大手スポーツ用品メーカーのミズノは本日2022年9月20日より、ドライビングシューズ「BARE CLUCH(ベアクラッチ)」を発売。さまざまな競技向けのシューズを筆頭に、ランニングシューズやスニーカー、ワーキング、メディカルなど、あらゆるシーンの足元を支えてきたミズノだが、ドライビングシューズを販売するのは創業以来初の挑戦となる。

「革靴だとクルマの運転がしにくいけれど、スニーカーを履くわけにもいかないし……」という大人の第三の選択肢になり得るのか? “試し履き”でわかった実力をさっそくレポート!

なぜミズノがドライビングシューズを開発?

ミズノ初のドライビングシューズ「ベアクラッチ」。写真のホワイトと、ブラック、ネイビーの3色展開。ダイレクトな操作感とクッション性を両立する秘密は独自のソール構造「ミズノ コブ」にある

本題に入る前に、そもそも「なぜミズノがドライビングシューズを?」という点が気になるところ。きっかけは昨2021年に自動車メーカーのマツダとミズノが異色のコラボで発売したドライビングシューズにある。

マツダ/ミズノのドライビングシューズは、クラウドファンディングサービスの「Makuake(マクアケ)」を通じて販売され、3万9600円という価格にも関わらず、開始3日で1100足、その後追加された250足がそれぞれ完売。マクアケのシューズジャンル歴代1位の応援購入総額となり大きな反響を呼んだ。

こうした反響やテストマーケティングの結果を踏まえ、ミズノは「ドライバー向けシューズの新たな需要を捉え、ドライビングシューズ事業を新たにスタートします」としている。ミズノによると、運転免許取得者は約8215万人、1週間に1日以上運動する人は約5500万人と、じつはドライビングシューズ・スポーツシューズの市場は意外なほど大きい。

素足感覚は本当? ベアクラッチの履き心地は

写真は試乗の様子。踵部分がラウンドソールとなっていることでペダルの踏みかえもスムースにおこなえる

ということで、やはり気になるのはその履き心地。クルマを運転する際、革靴だと踵の部分の段差がペダルに引っかかるし、そもそも長時間履くと疲れやすい。かといってスニーカーはTPOを選ぶのでいつでも履けるわけじゃない。

そんな視点からミズノのベアクラッチを履いてみると、まず感じたのは「思いのほか普通ですね!」という印象。

もう少し掘り下げて書くと「実に自然」。ドライビングシューズは運転時の操作を考えて、比較的ソールが薄く作られ、それゆえクッション性が不足気味に感じる傾向が強いけれど、その点はまったく問題なし。イメージとしては、スニーカーより少し硬めだけれど、革靴より足に馴染むといった印象だ。

先ほど「普通」と書いたが、実際にクルマに乗って運転してみると、その狙いがよくわかる。踵が巻き上がっているのでアクセルペダルとブレーキペダルの踏みかえがとても楽(じつは普段履きできるものでこうした形状の靴は少ない)だし、スニーカーなどと比べるとやや素足に近く、ペダルを踏んでいる感覚がわかりやすい。

そして、最も良かったのが疲労度の少なさ。試し履きでは、約90分ほど横浜市街や首都高速道路を運転してみたが、長く履いても疲れにくい。ここで「ああ、そうか!」と思い当った。歩き始めの印象で「スニーカーより少し硬め」と感じたのは、このためだったのかと。

ミズノ「ベアクラッチ」では「MIZUNO COB(ミズノ コブ)」というアスリートのトレーニング用シューズに使われていた独自のソールを採用。これが足裏に正確な情報を伝えるとともに、クッション性も確保して快適な履き心地にも寄与するなかなかの優れものなのだ。

クルマのシートも、いっけん柔らかいソファのような椅子が快適に思えるが、実は長時間座っても疲れにくいのは、少し硬めながら身体をしっかり支えてくれて姿勢が崩れないシートだったりする。このあたりシューズも同じなのだなぁと感心しきりだった。

◆  ◆  ◆

「ベアクラッチ」はミズノ公式オンラインと一部のミズノ品取扱店で発売。公式オンラインでの価格は1万2100円、販売目標は1年間で6000足と公表されている。

同価格帯はプーマの「スピードキャット」やアディダスのドライビングシューズなどがひしめく激戦区なだけに戦略的な価格といえそう。ミズノは新たな市場で存在感を示すことができるのか? 創業116年目の老舗が挑む新しいチャレンジに注目だ。

文・写真/おとなの週末Web編集部

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