美味しいとこぶしの見分け方 水揚げ地以外では稀ですが、鮮魚店などでは生のとこぶしにお目にかかれることもあります。ただし、とこぶしを生で購入する場合は、生きていることが必須です。手で触ると素早く反応するものを選ぶようにしま…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:とこぶし
難易度:★★★☆☆
おせち料理の常連さんです
見た目はあわびにそっくりな「とこぶし」ですが、ほかの海産物ほどメジャーな存在ではありません。その理由のひとつが、漁獲量がとても少なく、流通量が少ないからといわれています。
もとは北海道から九州にかけて太平洋沿岸・日本海沿岸の広い範囲で生息し、1年を通して漁獲できる身近な貝だったのですが、 近年、漁獲量は減少傾向で、稚貝を放流したり禁漁期間を設けたりするなどの対策をとっている地域もあります。
とこぶしとあわびの大きな違いは、貝殻に空いている穴の数です。とこぶしは貝殻にある孔(呼水口)が6~9個であるのに対し、あわびは4~5個。また、サイズも、あわびが10~20cm程度であるのに対し、とこぶしは最大殻長8~9cmと小ぶりです。
食感や食味も異なり、あわびはコリコリと歯ごたえと濃厚な磯の香りと、ほんのりと感じる甘味が特徴であるいっぽう、とこぶしは、柔らかな食感で磯の香も甘味も控えめです。あわびのように熱を通しても硬くならないため、煮つけなどにしても美味しくいただけます。
高級食材の代名詞ともいえるあわびより価格が手頃で、取引価格は1/2以下といわれています。しかし、漁獲量の減少により、現在では高級貝として扱われています。
旬は秋の繁殖期に備えて栄養を蓄える春から夏にかけて。8月頃は産卵に向けて浅瀬に集まってくるため、漁獲量が増える時期となります。
とこぶしは、お刺身にしても美味ですが、しょうゆ、砂糖、みりんで煮付けた姿煮などに加工されたものが販売されていることが多いようです。
ちなみに、とこぶしの別名は「福多目(ふくだめ)」。「福がたまる」という縁起のよい名前を持つため、おせち料理には欠かせない食材とされています。
美味しいとこぶしの見分け方
水揚げ地以外では稀ですが、鮮魚店などでは生のとこぶしにお目にかかれることもあります。ただし、とこぶしを生で購入する場合は、生きていることが必須です。手で触ると素早く反応するものを選ぶようにしましょう。
とこぶしの注目栄養素
高たんぱく、低カロリーであるため、ダイエット中の人でも安心して食べられ、同時に、不足しがちなたんぱく質をとることができます。
また、アミノ酸の一種であるベタインという成分も多く含まれていることも特徴です。ベタインは肝機能を高めたり、血糖値の急激な上昇・コレステロール値の上昇を抑制する働きをもっています。