美味しいらっかせいの見分け方 見るべきポイントは、生でも、乾燥させたものでも共通しています。まずは殻の網目がはっきりしているかをチェックしましょう。網目が薄くてつるつるしているものは収穫が早すぎていて、香りが弱く、甘みが…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:らっかせい
難易度:★★☆☆☆
体によい油がいっぱいです
らっかいせいは、マメ亜科ラッカセイ属に属する植物で、南京豆やピーナッツとも呼ばれます。
ほかの豆類との大きな違いは、実のなり方です。一般的な豆は受粉を終えると花がしぼんで、めしべの付け根あたりにある子房と呼ばれる部分が膨らんで実がなります。
いっぽう、らっかせいは花がしぼむと、子房の根元の部分が伸び始めます。この部分は子房柄(しぼうへい)と呼ばれ、子房柄が地面に向かって伸びて土の中に潜っていき、地中で子房が生育して実がなります。
らっかせい(落花生)という名前は「花が落ちて実が生(な)る」という特殊な育ち方が由来となっています。
地中で実が成熟して収穫が始まるのは9月頃からです。ただし、収穫してすぐに出荷されるのではなく、土から掘り採られたらっかせいは畑で1週間ほど乾燥=地干し(じぼし)されます。地干しが終わったら、さらに1~2カ月ほど自然乾燥させ、出荷されます。
このように手間暇かけてしっかり乾燥させることで長期間にわたり保存できるようになります。ただし、乾燥したものでも冷暗所や冷蔵庫に保存して、6カ月以内に食べきるようにしましょう。
こういったことから、乾燥したらっかせいが出荷されるのは晩秋となります。
今回、9月の旬としてご紹介させていただくのは収穫した直後に食す、新豆のことです。乾燥をさせないことから、生らっかせいと呼ばれることもあります。ただし、品種によって若干、収穫時期が異なるため、旬の時期がもう少し遅いものもあります。
新豆の特徴は、香りや甘みが強いことで、殻ごと塩ゆでするのが一般的な食べ方です。
難点は非常に傷みやすいこと。収穫したらすぐに調理しなければなりません。そのため、少し前までは産地の周辺でしか生らっかせいを入手することは困難でした。しかし最近では、ネットを通して産地直送の生らっかせいを入手できるようになっています。
美味しいらっかせいの見分け方
見るべきポイントは、生でも、乾燥させたものでも共通しています。まずは殻の網目がはっきりしているかをチェックしましょう。網目が薄くてつるつるしているものは収穫が早すぎていて、香りが弱く、甘みが少ない可能性があります。
また、殻がきれいなほうがよさそうに思うかもしれませんが、実は、美味しい国産のらっかせいは黒い斑点が多くついていたり、殻全体が黒っぽいのが特徴。逆に、中国産などのほうが白っぽく殻の表面はきれいなのです。
これは土の成分が殻に浸透しているからといわれています。特に、らっかせいの全国生産量の8割強を占める千葉県の土壌は火山灰質の関東ローム層の影響で鉄分が多く、それが殻に浸透していることから黒ずみが発生しやすいといわれています。
らっかせいの注目栄養素
らっかせいの約50%は脂質といわれているため敬遠されがちです。しかし、その脂質の成分の約80%は「良質の油」と呼ばれる不飽和脂肪酸で占められています。
不飽和脂肪酸は、血液をサラサラにして、悪玉コレステロールを減らする作用があります。また、肉の脂身やバターのような飽和脂肪酸と異なり、中性脂肪を増やしにくいともいわれています。
加えて、強い抗酸化力を持つビタミンEも豊富に含まれているため、生活習慣病の予防にも最適な食品といえます。
ちなみに、健康維持のために食べる1日の推奨量は約30粒。ただし、約30粒でごはん1膳ぷんほどのカロリーがあるため、ほかの食品の摂取量を控えめにするなど、らっかせいを食べるときにはカロリー調整を心がけましょう。
画像ギャラリー