2023年10月上旬に、宮城県仙台市青葉区錦ケ丘エリアに1軒の温浴施設『愛子天空の湯 そよぎの杜』が誕生した。天然温泉、サウナ、岩盤浴まで楽しめ、しかも岩盤浴には東北初、日本初となる仕掛けもあるという。そこで「ととのう」感覚もわからないサウナ初心者が、話題の「愛子天空の湯 そよぎの杜」へ出かけてみた。果たして、ととのうことはできるのか?
画像ギャラリー館内はお財布いらずで楽しめる
宮城在住の私から見た錦ケ丘エリアは、“住宅開発がなされ、これからもどんどん育っていくであろう街”。そんなイメージだ。仙台中心部へのアクセスがよく、それでいて周辺には自然も豊富。宅地分譲や新築マンション、商業施設の広告をよく目にするエリアなのだ。
そんなエリアにできた『愛子天空の湯 そよぎの杜』は、「新しい街のシンボルとなる温浴施設を」というコンセプトから生まれた。HPを見ると、ほかの施設にはない岩盤浴アトラクションや今の時代に沿った“プチ湯治”のススメなど、新しいことへもさまざま挑戦している。
到着して靴を下足ロッカーに預け、鍵を抜くと、その鍵のついた下足バンドが館内では財布として機能してくれる。鍵にIC機能がついているため、レストランで食事をするのも、自動販売機で飲み物を買うのも、リラクゼーションメニューを利用するのも、受付機に下足バンドをかざすだけでOK。入館受付でピッ。タオルと岩盤浴着のレンタルでピッ。そのあとは、自由に館内を行き来できる。
室内で熱風が大暴れ! ロウリュウアトラクションを初体験
入館料で利用できる天然温泉&サウナに加え、この日は料金を追加し、岩盤浴も体験することにした。まずは脱衣所がある2階で岩盤浴着に着替える。
柔らかく伸縮性もある素材の岩盤浴着は、肌や体のラインが透けないのがありがたい。フロントスタッフが、「ワンサイズ大きめにお作りしています」と言っていたが、ゆったりサイズなのに、かがんでも胸元が開かないのがまた優秀!
「岩盤浴着の生地や色合い、デザインはもちろんですが、女性目線で細かいところまで工夫をしました。例えば、透けないよう胸元にタックを3本入れたり、お尻のラインをカバーできるようすその長さを調整したりしています」(広報担当・工藤花奈さん)
岩盤浴エリアのある1階への移動時にも驚きがあった。
男性客は一度、1階のロビーを通って岩盤浴エリアへ行かなければいけないが、女性客には温泉の脱衣所からダイレクトに行ける専用通路があるのだ。
「女風呂から岩盤浴エリアへの動線には、特に気を配りました。女性の中には、岩盤浴着姿やすっぴんを見られたくないという方もいらっしゃいますから」
繊細な配慮に感心しながら、いざ岩盤浴エリア「ガーデン アルク」へ。
エリアの中央に配されたソファを囲むように、温度の異なる岩盤浴ルームが3つとクールルームが1つ。それだけでなく、リクライナーに寝転がれるスペースや、カプセルホテルのような空間におこもりできるスペースもある。
貴重品を預けるロッカー以外に、飲み物を冷たいまま保管しておけるクーラーロッカー(という名称なのかは不明)まであるのにも驚いたが、これって最新温浴施設ではデフォルトなの?
岩盤エリアには、東北初、日本初となるアトラクションがある。よってこのエリアで真っ先にやるべきは、アトラクションの開催スケジュールを確認すること。せっかくだったら効率よく、いろんなアトラクションを体験したい。
まずは、アート岩盤浴(R)「タイデ」を体験。天井に投影された2つの作品が織りなすアートロウリュウ(R)は、日本初となるアトラクションだ。
部屋が暗くなると、光が刻々と変化する映像や、幾何学図形が頭上に広がる。時間にして約15分。滞在中の室温は44度を示しており、タオルを敷いて寝転がるとじわじわと体がほてる。初心者最初のアトラクションとしてはちょうどよかった。
次は一番楽しみにしていた岩盤浴ルーム「クーマ」。東北初のロウリュウアトラクション、その名も「灼熱蒸爽」を開催している。字面を見ただけで、もう汗をかきそう。
ロウリュウアトラクションとは、サウナストーンの真上から大量のナノミストが舞い降り、熱風が室内に吹き荒れて発汗を促すというもの。
温度計に目をやると、この日の室温は66度。ただでさえ暑いのに、そのうえ室内を熱風が駆けめぐるなんて。顔に熱風を受けた瞬間、思わず「うっ」と声がもれる。8分ほどのアトラクションを終えると、滝のような汗をかきながら一目散に出入口へと急いでいた。
したたる汗を拭きつつ、すぐにクールルーム「アヴァント」へ。
巨大扇風機により冷風が吹き荒れる、先ほどまでの熱波空間とは真逆の極寒空間。それこそが施設の狙いで、熱風と冷風の高低差が生み出す刺激的な体験ができる。
サウナ愛好家御用達のドリンクで水分補給
猛烈な冷風でクールダウンしたあとは、汗をかいた分の水分補給をしなければ。
受付の横にある『カフェ マケア』で、サウナーの間では定番の「オロポ」(430円/岩盤浴着着用時は330円)というドリンクが購入できる。ほてった体が欲するシュワシュワ感と清涼感。汗をかいたあとの体にスーッとしみ込んでいく。
軽くもうひと汗かこうと最後に入室したのは、アート岩盤浴ルーム「アイスティア」。
LED光と水を用いたアトラクションが幻想的で、水のはじける音やしたたる音もヒーリングミュージックのように気持ちをリラックスさせてくれる。一度クールダウンした体が再び温まったことでついウトウト。ハッと目を覚ますと、アトラクションの一環であるミストが室内に充満しており、雲の上にいるかのような不思議な感覚を味わわせてくれた。
私は来館直後からアトラクションに参加したが、過ごし方は千差万別。岩盤浴を楽しむだけではなく、おなかがすいたらレストランで食事をして、ラウンジエリアでおしゃべりをして、テレビを見たり漫画を読んだり、眠くなったら昼寝をしたりと、とにかく選択肢がたくさん。
個人的にはテラス席が快適で、岩盤浴→テラス席→岩盤浴を何度も繰り返した。イスに座ってボーッとするのもいいし、目の前の泉ヶ岳を眺めるのもいい。
ふだん運動らしい運動はせず、徒歩圏内のコンビニにも車で出かける私が、こんなに汗をかいたのはいつぶりだったか。
体を温めて冷やすという刺激を体に与え、体内から抜けた水分をすぐさま補うことで、体が軽くなり、心なしか頭もスッキリした気がした。
しかし、この時点で「ととのう」感覚は得られず。あれはやはり、サウナで味わえるものなのか?
とりあえず岩盤浴着がだいぶ湿ったし、そろそろ汗を流して、ガッツリお腹も満たそう。
後編では、空腹を満たし、お風呂で汗を流す。天然温泉&サウナエリアでの過ごし方をお届けします。
■『愛子天空の湯 そよぎの杜』
[住所]宮城県仙台市青葉区錦ケ丘1-2-88
[電話番号]022-796-1534
[営業時間]9時~翌1時(最終受付24時15分)
[定休日]なし
[料金]入館料:平日990円、土・日・祝1210円 岩盤浴:平日550円、土・日・祝660円※タオルや岩盤浴着のレンタルも別途あり
[交通]車:東北自動車道仙台宮城ICから約5分 電車:JR愛子駅から愛子観光バス3分の錦ケ丘中学校前下車、徒歩4分
写真提供/株式会社GEN 取材・撮影/阿部真奈美
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