立ち飲み屋や居酒屋が軒を連ねる名古屋駅太閤通口界隈。あまりにも数が多すぎて、地元在住の私でさえ、どの店に入ろうか迷うほど。そこで今回紹介するのは、大きな鉄板で肉や魚介を焼き上げる鉄板焼きが評判の、昭和の酒場っぽいレトロな雰囲気の居酒屋『花○商店』……。
巨大な鉄板で一気に仕上げる鉄板料理と名古屋めし
立ち飲み屋や居酒屋が軒を連ねる名古屋駅太閤通口界隈。 あまりにも数が多すぎて、地元在住の私でさえ、どの店に入ろうか迷うほど。 観光や出張で来た人は、なおさらのことだ。
そこで今回紹介するのは、名古屋駅太閤通口から徒歩2分の居酒屋『花○商店』。 店構えは、昭和の酒場っぽいレトロな雰囲気。
ここのメインは、店内の大きな鉄板で肉や魚介を焼き上げる鉄板焼き。 「鉄板での調理は、高温で一気に仕上げるので、味ののり方がまったく違います」と、店長の後藤翔さん。 早速、オススメの料理を作っていただいた。
鉄板に豚肉とモヤシ、ニラをのせて、手際よく炒める。 味付けは塩とコショウ。火が通ったところで、ダシ汁をくわえて、全体に馴染ませる。 仕上げにすりゴマを振りかける。
完成したのが、「肉ニラモヤシ」(626円)。 モヤシとニラの食感はシャキシャキで豚肉はとてもやわらかい。 これぞ鉄板の為せるワザ! 味に深みがあるのは、北陸・能登の魚醤、「いしる」がベースのだし汁だろう。 すりゴマの香りも食欲をそそられる。
こちらは、牛小腸とガツ、牛ハツ元の3種類のホルモンを自家製の味噌ダレで味付けした「ホルモンスタミナ焼き」(734円)。 ホルモンを噛むごとに染み込んだ味噌ダレが旨みとともにじゅわっと溢れる。 ニンニクや唐辛子もたっぷりと入ったパンチのある味わいはビールにぴったり。
「肉ニラモヤシ」と「ホルモンスタミナ焼き」は、いずれも多くの客が注文する定番人気のメニューだが、ここのもう一つの名物は、鉄板で焼き上げる名古屋めし。 とくに県外から訪れる客に任人気なのが、「鉄板ナポリタン」(864円)。
味付けはケチャップをベースに肉と香味野菜の旨みを加えた自家製のソース。 高温の鉄板で焼き上げるので、太麺にコクのあるソースがしっかりと染みている。 鉄板に敷いてある卵と絡めたり、好みでタバスコと粉チーズで味変しても楽しい。 鉄板ナポリタンは喫茶店のメニューだが、居酒屋でも食べられるのはウレシイ限りだ。
私のイチオシは、博多の焼きラーメンと名古屋の台湾ラーメンをコラボさせた「台湾焼きラーメン」(864円)。 ニンニクと唐辛子が入ったピリ辛の自家製台湾ミンチとモヤシ、ニラを炒めてから、麺を投入。 醤油味の鶏ガラスープをかけて仕上げる。
博多の焼きラーメンよりも焼きそばに近く、味は台湾ラーメンそのもの。 コシのある細麺に染み込んだ、肉のジューシーな旨みやニンニク、ニラのパンチのある味わいがクセになる。 また、小辛のアメリカンと、中辛のノーマル、大辛のイタリアン(+50円)と、辛さは3段階から選べる。 全国区人気となった台湾まぜそばをはじめ、台湾ラーメンをアレンジしたメニューが名古屋には沢山あるが、この「台湾焼きラーメン」もブームとなるか!?
永谷正樹(ながや・まさき) 1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。
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