吉祥寺の焼き鳥屋といえば『 I 』である。 吉祥寺通りの総本店、井の頭公園の入り口の公園口店は、みんな知ってるよね。 しかし実はもう一店舗あるんですよ。吉祥寺北口店が! ここは、意外に知られてないんだよね……。
画像ギャラリー吉祥寺の焼き鳥といえば……地元民裏技の件
吉祥寺の焼き鳥屋といえば、『 I 』である。
これに異議を唱える人はいないよね。
あまりにメジャーすぎてこの連載では取り上げてませんけど、吉祥寺通りの総本店、井の頭公園の入り口の公園口店はみんな知ってるはず。
ちなみに、総本店の横の地下にある『肉I』(86回参照)も忘れちゃダメ。
しかし、実はもう一店舗あるんですよ。
吉祥寺北口店が!
意外に知られてないんだよね、ここ。
吉祥寺北口店は、元デニーズ、現在は仏壇屋さんのビルの地下にあります。
総本店は、地元民ですら“えっ? 火事?”と思ってしまうほどの、煙もくもく&人いっぱい&オープンな雰囲気ですけど、ここは地下なんで、シブくひとりで飲んでる人が多いね。
実は5月中旬から、この『I吉祥寺北口店』が店舗限定で“I弁当(680円税込)”のテイクアウトを始めたんですよ。
この弁当が最高なので、今回は手厚くご紹介しようと思います。
まず、ごはん+サラダ+漬物+焼き鳥2本がデフォルト。
焼き鳥は“塩”と“たれ”が選べます。
さらにですね、“唐揚げ”“餃子”“シュウマイ”からメインが選べます。
ちなみに、各3個づつ入っています。
このメインを選ぶのが苦行なんです。
正直、1個づつ全部盛ってほしい、と悶絶するおっさん女子。
しかし正解は、唐揚げです(断言)。
鶏がかぶっている……。
いや、焼き鳥屋さんなんだから、鶏はかぶせてOKだろう。
ちなみに1個がデカイです。
表面は固めでカリッ&中はジューシーという理想的な唐揚げです。
唐揚げは、おっさん女子的正解ですが、一般的な正解はおそらくシュウマイだと思います(笑)。
ここのシュウマイは、ヤバい! デカイ!
女子の拳くらいある感じ。
手作りなんだけど、肉の塊にシュウマイの皮をのっけた感じ。
ものすごく肉々しいの。
普段からシュウマイを頼んでいる人多いんだよね。
ちなみに餃子も同様ね。
おっさん女子である私は、シュウマイを諦められず、I弁当(唐揚げチョイス)+シュウマイ単品(3個)をデフォルトでテイクアウトしている。
ちなみにあわせて1040円(税込)です。
さすがに1回で食べるには量が多いんで、I弁当はお昼に食べて、シュウマイは夜ごはんです。
イラスト/小豆だるま
私が『I吉祥寺北口店』にテイクアウトに行って、常に感じたのは敗北感です。
昼の12時から、本物のおっさんが飲んでいます……。
ここのおっさんたちは、軽く1杯とかじゃないです。
立て続けに飲んでいます。
私がお弁当を待っている間の5~7分に、続々と消費されるアルコール、アルコール、アルコール……。
仕事は……?
この後の予定は……?
夜は飲まないの……?
……と、フツフツと湧き上がるクエッションマーク。
“おっさん女子”とか名乗ってますけど、まだまだだよ、オレ!
唐揚げとシュウマイで悩んでるようじゃ、ダメだよ、オレ!
いや、両方買うんだけどさ……、と猛省したのでした。
昔、お花見の差し入れのため『I公園口店』に並んでいたら、私の前にいた小学校低学年の兄弟が、思いっきり『焼き鳥、ください!』と元気にオーダーしたことがありました。
私は(おいおい、焼き鳥もいろんな種類があるんだよ、この店は! 兄弟! 貼りだされているメニュー表を見て! おつかいを頼んだ親がたぶん酔っている……。兄弟! 大丈夫か! あやうし!)と、思っていたら……。
お店の兄さんは顔色ひとつ変えず『いくら預かってきたの?』と優しく聞き、1000円札を差し出す兄弟に『ちょっと待っててね』と言って、つくね、ネギマ、ハツ、モモあたりを適当にチョイスして、1000円でおつりがちょっと出るくらいにして、少年たちに手早く渡していました。
兄さん、すげえよ!
尊敬!
酔っ払いのみならず、子ども対応も素晴らしいです。
いろんな意味で『 I 』は、すごい店なのであーる。
天野七月/あまのななつき
ライター&ときどきエディター。吉祥寺在住、ざっくり30年くらい。基本おっさん女子、たま~に乙女マインド。いつも吉祥寺をふらふらしています。ちなみに無芸大食。
小豆だるま
高校の国語教員を経てイラストレーター・漫画家になる。ギャグとシリアスを行ったり来たりする作風で雑誌・書籍・webなどで活躍中。著書は「日々ズレズレ」(小学館)その他。好物はタイ料理と辛いもの。
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