都心から約1時間、団地の中に密集する“リトル・ベトナム”に潜入!

なかなか海外に行けない今こそ、知っておきたい街がある。そこに行けば、ある国へ行った気分になれるという。ここは神奈川か、ベトナムか……。現地の潜入ルポをお届けします。

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神奈川の“渋谷”にある「いちょう団地」

都心から約1時間ほど小田急江ノ島線に揺られて辿り着く、神奈川県の「高座渋谷駅」。そこからグーグルさんを頼りに歩くこと約15分、泉区にある巨大な“いちょう団地”が、今回の現場なのだ。

きっかけは、アジアめし好きの友人からの「ナントカ渋谷ってとこにある、超ディープなベトナム料理屋に行こう」という誘い。早速軽い気持ちで行ってみたのだが、そこはスクランブルに人が行き来する交差点どころか、道行く人の姿がほとんどない、静か〜な渋谷だった。が、しかし。この団地内に存在するベトナム料理店が、確かに凄かった。

現地に迷い込んだ雰囲気バツグンのお店

妖しく光が漏れる『タン・ハー』の扉。ただしこれは厨房側の入り口

まずは『タン・ハー』。白い小屋のような佇まいの引き戸を開けると、壁一面のベトナム食材

現地感満載な店内。買い物だけでもOK

冷蔵・冷凍ケースには野菜や肉、魚介もぎっしりある(全部購入可)。そして昔の学食のような横長の机に、その日はベトナム人と日本人が7対3位の比率で、ほぼ満席状態で着席。

読み応えありすぎのメニューは4フィンガーの厚さ

加えてメニューは電話帳レベルの分厚さで、ナニこれ、アガる〜! それぞれのページに料理の写真と説明、さらに「香りの強いマニアック料理です。気をつけて下さい」の文字を発見した日にゃあ、即オーダー!

ビールも自分で取りに行くスタイルで(コンビニ価格)、気楽でいいねぇ。

この皿にブン(米麺)も付いて1000円


揚げ春巻きは8本で600円

いちょう団地内一のレストラン

俄然盛り上がった我々は、そこから数分歩いたところにある『サイゴン』に移動。こちらは、いちょう団地内一のレストランのようで、テーブルや椅子もちょっと立派。

メニューも先ほどの電話帳とは打って変わって、写真のレイアウトも小綺麗だ。この手の場合ポーションも少なめと思いがちだが、これが大いなる油断

『サイゴン』は盛りもイイ。牛ハチノスのサラダ(上)1000円

バイン・コット(ベトナム風たこ焼き)は1個が3L卵強のサイズだし、牛ハチノスのサラダとか、ちょっとしたパーティサイズですよ。フォーでも食べて締める予定だったが、さすがにここでギブ。ただ、こちらの自家製チリソースがかなり美味しかったので、味変には効果絶大であった。

生地にココナツの風味がしっかり利いてるバイン・コットは800円

腹パンも限界に達してしまったので帰路に着いたが、ホントは隣接店のバインミーや、ローストポーク&ダックも食べたかった。

なによりトライすればよかったと後悔しているのは、漏れ聞こえる歌詞がすべてベトナム語のカラオケスナック。脳裏に焼きついたその甘い歌声のおかげで、駅までの道のりが寂しくなかった。このパスポートなしで行ける東京から一番近いベトナム、満足度高ですよ。

※店のデータは、2021年1月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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