喫茶店の名物ナポリタン クルクル、パクリでイタリア気分

誕生したのは日本。食べられるのはイタリア料理店ではなく、喫茶店。しかし頬張ればたちまちイタリアンな気分になれる魔法の美味“ナポリタン”の傑作集だ!

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『チェリー』@蒲田

やっぱこれこれ! 細く長~く愛される洋食喫茶の人気者

昔ながらのナポリタン(550円)
素朴なルックス。具は鶏肉と玉ネギなど

何でもない風貌なのにやたらと人気を集めちゃうやつ、学生時代のクラスにもいませんでした? それがこの店のナポリタン。

こんがり焼けたイケメン風の焼チーズカレーや、フルーツで着飾ったマドンナのプリンアラモードなど憧れのスターが勢揃いなんだけど、550円という圧倒的安さと素朴な存在感でランキング上位を争っている。

秘密はバターで炒めたまろやかな旨み、そしてトマトの味がしっかりする長野産のケチャップを使うこと。
上質な素材で真面目に作るから、そのまま誠実な旨さになるのだ。けれど具が鶏肉だったりちょっと変化球で攻めてくるからニクイやつ。

それにしてもさすが60年以上続く愛され店。どれもサービス精神旺盛じゃないですか? 「喜んでくれる顔が見たくて」と店主の妻・郁代さん。あなたがこの店の真のマドンナだ!

チェリー風 焼チーズカレー(850円)
テレビ番組の企画で誕生。チーズ3種と牛豚の挽き肉で作るカレーをオーブンで焼く。中央には半熟卵がとろり。栄養満点

プリンアラモード (800円、裏メニュー)
メニューにない名物。美しくカットした旬の果物を10種以上盛り付け。中にはアイス、プリン、フルグラがぎっしり。営業が忙しい時やふたりで来てこれだけの注文はNG

ホットケーキ(2段・ドリンク付、750円)
ふわふわクッションのような食感

[住所]東京都大田区蒲田5-19-8
[電話]03-3735-3521
[営業時間]9時~21時(20時LO)、祝9時~17時
[休日]日
[交通]JR京浜東北線ほか蒲田駅東口から徒歩4分

赤を貴重とした店内もいい感じ!

『cafe 紅鹿舎』@有楽町

古き良き銀座の喫茶店 隠し味に醤油を加えたオリジナルソースが絶品

ナポリタンセット(サラダ・ドリンク付き、1550円)※14時~
玉ネギのほかマッシュルームやハム、ピーマンなどの具材をよく炒め、ソースと絡めたさっぱりとした味

古き良き時代の銀座を思わせる昭和レトロな店内は、遠くから足を運んでも訪れる価値がある。

ピザトースト発祥の店として有名な店だが、1957年に洋食屋としてスタートした時から出している濃厚ソースのナポリタンもぜひ食べてほしい。
「一度はメニューから消えたのですが、2号店である今の店が開店した翌年の1965年に復活させました」とオーナーの村上さん。

ケチャップでシンプルに味付けする店が多い中、本格的にソースを仕込む。トマトの水煮やワイン、隠し味に醤油を加えたオリジナルソースは酸味があり、あめ色になるまで炒めた玉ネギの甘みとマッチして味のバランスもよし。

週に2度、必ず食べに来る常連さんもいるほど熱烈なファンも多いそう。平日は午後2時以降の提供だが、土・日は11時~閉店までいただける。

元祖 ピザトーストセット(ドリンク付き、1450円)
オーナーのお母様が考案。イギリスパンにバター、オリジナルのトマトソース、その上にサラミなどの具材とたっぷりのチーズ。見た目よりもあっさりしてクセになる味

カフェ・ベネチアン(950円)
[住所]東京都千代田区有楽町1-6-8 松井ビル1
[電話]03-3502-0848
[営業時間]9時半~23時45分(フード23時LO、ドリンク23時半LO)、土・日・祝9時~
[休日]無休
[交通]地下鉄日比谷線ほか日比谷駅A4出口から徒歩2分

『コリント朝日店』@築地

ボルカノの太麺を使ったモチモチ食感と40年間愛される優しい味

ナポリタンスパゲティー(サラダ付き、900円)
よく炒めたハム、玉ネギ、ピーマンなどの具にケチャップがたっぷり。食後のコーヒーも250円で注文可

築地市場駅から朝日新聞本社の表玄関から裏へ通り抜けると、新館(築地浜離宮ビル)が見えてくる。新聞社や市場で働く築地の人々に40年間、愛され続けている老舗で、開店時から変わらぬ味のナポリタンはファンも多い。

日本初の国産スパゲッティ「ボルカノ」の1.8ミリの太麺を茹で置いてケチャップの味がなじむように休ませ、注文が入るたびに麺をよく炒める。

トマトケチャップをメインに白ワインを加えた酸味の利いたソース、たっぷり入った玉ネギの甘み、モチモチの麺の食感と素朴な味は、まさに王道の昭和ナポリタンだ。

そのほか、イチゴやメロンや季節のフルーツを惜しげもなく使った、贅沢でボリューミーなフルーツパンケーキも人気がある。フランクフルトやハンバーグなど12種類のパンケーキを制覇した男性ファンもいるそうだ。

フルーツパンケーキ(800円)
ランチとしても満足なパンケーキ。テイクアウトもできるが、店内では抹茶シロップ、ハチミツ、メープルシロップの3種の味を楽しめる

サンドウィッチ(2種組み合わせ、800円)
ハムや野菜などから2種類のサンドイッチを選んでお持ち帰り。小腹が空いた時はハーフサンドとコーヒーのセットも

[住所]東京都中央区築地5-3-3 築地浜離宮ビル2階
[電話]03-3542-9885
[営業時間]9時~18時LO、土~14時半LO ※パンケーキのみLOは閉店40分前
[休日]日・祝
[交通]都営大江戸線築地市場駅A1出口から徒歩4分

どこかホッとする昔ながらの喫茶店

『昔ながらの喫茶店 友路有(トゥモロー) 赤羽本店』@赤羽

自家製ソースが決め手! 誰が食べても笑顔になるナポリタン

喫茶店のナポリタン(980円)
ナポリタンに使われるのは玉ネギ、ピーマン、ベーコンという定番とエビ。これらの旨みとソースの酸味が絶妙の味を演出。麺は230gとたっぷりで、サラダとスープが付くのもうれしい

プリンアラモードやパフェ、オムライスにハンバーグ……昭和を感じさせる昔ながらの喫茶店でありながら、美味しい食事も多彩とあって、何を楽しむか迷ってしまう。

が、ここに来たら、やっぱりこれ、ナポリタン!
ケチャップをベースにニンニクやパプリカなどを加えた自家製トマトソースとややもっちりした麺を炒め和えたその味は、ほどよい酸味、香辛料の刺激にまろやかなコクもあって、誰しもが満足する美味しさだ。
どことなく漂う懐かしい味わいもうれしい。

ほかに先代が考案したレシピを守るポークジンジャーや、豊洲で仕入れる魚を使った定食も人気となっている。営業開始の朝5時半から食べられるモーニングも地元客に好評。

ゆえにどの時間に訪れても、美味しさから笑顔の客でにぎわっている名店だ。浅草、日暮里にも店舗がある。

フレンチトーストセット(820円・単品500円)
イギリスパンを使い、ふわふわで香ばしく仕上げる。ほどよい甘さで人気のスイーツ

ポークジンジャー (1080円)
豚肩ロースを、すりおろしたショウガと醤油をベースにしたオリジナルのタレで味付け。ライスとスープが付く。

[住所]東京都北区赤羽1-1-5 2階
[電話]03-3903-5577
[営業時間]5時半~23時(モーニングは11時半まで、ランチ11時半~15時 ※日・祝はランチなし)
[休日]元日
[交通]JR京浜東北線ほか赤羽駅東口から徒歩1分

撮影/大西尚明(チェリー、友路有)、瀧澤晃一(cafe紅鹿舎)、白石あづさ(コリント朝日店) 取材/肥田木奈々、白石あづさ(コリント朝日店)
※店のデータは、2020年6月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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