昼と夜の間をつなぐToGoドリンク 『オールプレス エスプレッソ 東京ロースタリー&カフェ』 @清澄白河 2014年、清澄白河にいち早くやってきたニュージーランドのロースタリー&カフェ。 ロングブラック 450円…
画像ギャラリー隅田川と旧中川を結ぶ運河、小名木川を挟む清澄白河と森下。江戸時代から深川として親しまれてきたエリアは、2015年のブルーボトルコーヒー日本1号店オープン以降、コーヒーの街として定着。それゆえ昼が楽しいかと思いきや、夜は夜で和洋折衷、上質な料理を提供する店が点在していた。店から店へ川べりを歩きながら、昼やおやつタイムのカフェ利用からゆったりとした夜の食事まで、のんびり一日かけて心ゆくまで美味を堪能してほしい。
昼 パンとおやつとコーヒーと。ランチ、ひと休みに行けるカフェ
『iki ESPRESSO(イキエスプレッソ)』 @清澄白河
フードもコーヒーもイキイキ まるで海外にいるようなカフェ
オープンで気持ちいい空気感。ニュージーランドのトップレベルのバリスタから学んだ最高のエスプレッソや、フレッシュでボリュームもあるワンプレートディッシュ。カウンターのガラスケースにはマフィンや焼き菓子などもずらりと並ぶ。
オーナーの原瀬さんの言葉を借りれば「朝を大事にする」ニュージーランドのスタイルを持ち込んでオープンしたライフスタイル・カフェだ。
『iki ESPRESSO(イキエスプレッソ)』(奥)グルメトースト 1230円 (手前)フラットホワイト 510円
たとえば、ハード系のパンをたっぷりのスクランブルエッグやパルミジャーノで包んだパワープレートで、爽やかに朝を始めてみては!
[住所]東京都江東区常磐2-2-12
[電話]03-6659-4654
[営業時間]8時〜17時 ※土・日・祝は〜18時
[休日]無休
[交通]地下鉄半蔵門線ほか清澄白河駅A1出口から徒歩6分
『B2(ビスクエアード)』 @清澄白河
ベーカリーと焙煎工場が併設 できたてのマリアージュを
コーヒー豆のビーンズとブレッド、店名はふたつのBへのこだわりから。朝10時過ぎ、焼きたてが次々並んでいくパンは、100%フルーツ天然酵母を使い、国産小麦の風味がしっかり引き出されている。
店内中央には巨大な焙煎機。熱風で均等に熱を入れ、クリーンなフレーバーを引き出す自慢の機材だ。
(奥から)クロワッサン 248円 フォカッチャ(アメーラトマト・カマンベールチーズ) 462円 アイスラテ 619円
パンは生地だけじゃなく、サクッサクのクロワッサンやふわもちフォカッチャ、お惣菜系からサンドウィッチ、スイーツ系まで取り揃えも豊富。経験を積んだバリスタがその場で淹れるコーヒーとのイートインもOKだ!
[住所]東京都江東区深川1-9-10
[電話]03-6240-3006
[営業時間]9時〜18時
[休日]無休
[交通]地下鉄半蔵門線ほか清澄白河駅A3出口から徒歩10分
『no mark. Cafe』 @清澄白河
清澄散策の作戦会議に!情報発信する古民家カフェ
清澄白河らしい築50年以上の小さな古民家をリノベしたカフェ。店主の竹井さんの狙いは清澄白河を楽しむ“作戦会議”をしてもらうこと。
「清澄白河のお店ってわりと点在してたり、距離感もあるので」。店内にはお店や施設がひと目でわかるマップがあったり、バスケットをお供に公園に行けるピクニックセットもあったり。で、訪れたらぜひ楽しんでほしいのがオリジナルのゼリー。
オリジナルゼリー 各550円 (中央)白河WHITE (手前)清澄BLUE
清澄をイメージしたブルー、白河のホワイト、コーヒーの街らしいブラック。何層かになったゼリーは食感も構成もなかなかに楽しい。
[住所]東京都江東区白河3-7-3
[営業時間]10時〜18時
[休日]月・火
[交通]地下鉄半蔵門線ほか清澄白河駅B2出口から徒歩3分
昼と夜の間をつなぐToGoドリンク
『オールプレス エスプレッソ 東京ロースタリー&カフェ』 @清澄白河
2014年、清澄白河にいち早くやってきたニュージーランドのロースタリー&カフェ。
ロングブラック 450円
気持ちいい空間。美味しいエスプレッソコーヒーをTo GOできる
[住所]東京都江東区平野3-7-2
[営業時間]9時〜17時、土・日・祝10時〜18時
[休日]不定休
『ワインショップ アンジュール』 @清澄白河
昨年4月にオープン。手頃な価格帯で美味しいワインが揃う。
ピレーヌ(南西地方・赤) 500円
3種のワインを店内で角打ちやテイクアウト可!
[住所]東京都江東区白河3-1-18 丹羽ビル1階
[営業時間]11時半〜18時 ※土は14時15分〜
[休日]不定休
『理科室蒸留所』 @清澄白河
理化学研究用の安心な耐熱ガラスを使って水出し蒸留されたドリンクが楽しめる。テイクアウトのみ。
蒸留した甘くないジンジャーソーダ 400円
ジンジャーソーダは気持ちよくスパイシー
[住所]東京都江東区平野1-13-12
[営業時間]12時〜16時
[休日]月・火・水
『FOLKWAYS BREWING(フォークウェイズ ブリューイング)』 @清澄白河
「毎日飲んでも飽きないビール」を目指す小さなブリュワリー&ビアバー。パイントとハーフ(300ml)あり。
#055 Blood Orange Wheat Ale 900円
#055は柑橘香るウィート系の心地いい味わい
[住所]東京都江東区平野3-6-3
[営業時間]17時〜21時 ※土・日は15時〜
[休日]月・火
夜 和食に中華になんでもござれ ジャンルレスな美酒佳肴に酔う
『紺青(こんじょう)』 @清澄白河
酒が進むひと手間がニクイ 正統派にして飲める和食店
たとえば「自家製豆腐 甘海老 いか肝のせ」。上には鯛骨ダシのジュレや甘エビ、イカ肝の魚介の旨み、箸を進めると下には豆乳と葛を使いもっちりした食感の豆腐がこれまた甘エビの頭のダシで支えられながら登場。
(奥)自家製豆腐 甘海老 いか肝のせ 750円 (手前)春の天婦羅盛り合わせ 1300円 アスパラ、とうもろこし、ズッキーニ、モッツアレラ
これが、酒に合わないわけあるまい。店主の前薗さん曰く「日本酒に特化した和食店」。京都で腕を磨いた正統派の和食にして飲めるようにしっかりひと手間。
常時20種ほど揃う日本酒は「値段で決めてほしくないから」とすべてグラス650円。カウンター越しに好みを言えば料理に合わせてくれる。至福!
[住所]東京都江東区白河1-3-21 白河ハイム1階
[電話]03-5875-8199
[休日]月・火
[営業時間]17時〜24時(23時半LO)
[交通]地下鉄半蔵門線ほか清澄白河駅B2出口から徒歩2分
『ほ志の』 @清澄白河
フレンチの技法を生かした割烹は意外性と楽しさに満ちている
白地に横文字の洒落れた暖簾に、中は店主の父親が寿司屋をされていたときのままという和の空間。そこで提供される料理は名付けて“フレンチ割烹”だ。
フレンチとイタリアンの修業が長かった店主・星野さんが、その技法を生かしつつ、「和食器に似合って、日本酒にするかワインにするか迷うような」料理を出す。
(奥)秀鳳 BEACH SIDE 1合960円(90㎖ 540円) (手前)晩酌のアテ 1400円(右上から時計回りに、とびっこポテトサラダ、フォアグラ パンデピスのサンドイッチ、名物 和牛レバーの塩辛、自家製ラムレーズンチーズ、湯葉と雲丹)
塩漬けにしたレバーを低温調理した名物「和牛レバーの塩辛」もあれば、自家製ブリオッシュにフレンチのミルクジャムをかけるフォアグラなども。メニューはどれも意外性と楽しさに満ちているのだ。
[住所]東京都江東区白河1-4-13
[電話]03-6458-8820
[営業時間]18時〜23時半
[休日]不定休
[交通]地下鉄半蔵門線ほか清澄白河駅B2出口から徒歩2分
『O2(オーツー)』 @清澄白河
五感に訴える軽やかな中華 ナチュラルワインとの相性も抜群
モダン中華の名店で15年の修業を経て、生まれ育った清澄白河に2018年開店。
コースでいただく料理は、随所に大津光太郎シェフのセンスが光り、一つひとつの皿が美しく、そして軽やかだ。ナチュラルワインが揃い、ワインと楽しめる中華なのも魅力。
コース 6600円の前菜(上から)カツオのサラダ、ホタルイカと山菜、焼き立てチャーシュー
季節の食材を生かし、ハーブや柑橘、生の魚介も使った前菜から、パリッと軽く揚がりふっくらした鯛がレモングラスやコブミカンの香りをまとう春巻き、スペシャリテの牛ホホ肉の煮込みまで。
「香りやぬけ感を意識しています」という料理は五感に訴える美味しさだ。
[住所]東京都江東区三好2-15-12 峯岸ビル1階
[電話]03-6458-8988
[休日]不定休(インスタでお知らせ)
[営業時間]17時〜22時LO
[交通]地下鉄半蔵門線ほか清澄白河駅B2出口から徒歩3分
『BLESS(ブレス)』 @森下
イタリアンと焼鳥のコース どちらも本気な鶏とワインのお店
産地直送の新鮮な鶏を本日はイタリアンで、気分が違えば焼鳥のコースでと、ワインと一緒に楽しめるのがこちらの店。
店主の藤本さんは押上の名店『焼鳥おみ乃』で腕を磨き、片や水村シェフはイタリアのプーリア地方で修業を経てと、それぞれの得意分野を存分に生かしたアプローチ。
とりイタリアン 前菜コース(9品) 3000円(※品数は変わる場合あり)より、(奥から)白レバーパテのシュー、じどっこ鶏生モツのカルパッチョ、じどっこ鶏のタルタル
イタリアンでは新鮮な鶏や魚介を使った小皿が次々に9品並ぶ、プーリア伝統スタイルの前菜コースが楽しみ。鶏肉は生でも食べられる宮崎のじどっこ鶏だ。伊達鶏や高原比内地鶏を使い、焼き加減抜群の焼鳥も見逃せない。どうする?
[住所]東京都江東区森下2-20-13
[電話]03-6666-9678
[休日]月
[営業時間]18時〜23時 ※日は17時〜
[交通]地下鉄大江戸線ほか森下駅A4出口から徒歩2分
『NICO 25 TO GO』 @清澄白河
クラフトジンが揃うカウンターでスパイスカレー&飲みがゴキゲン
少し古びた緑色の建物と看板が異彩を放つこちら。2階で『BAR NICO』を経営する小林幸太さんが、コロナ禍でテイクアウトメインの本格スパイスカレーを始めたのが『NICO 25』のスタートだ。
で、絶賛の牛タンスパイスカレーや沖縄ソーキグリーンカレーなどはもちろん、カウンターにずらりと並ぶ国産中心のクラフトジンにまた注目。
(奥から)アルケミエ ジン 犬啼のジントニック 1200円 穴道湖しじみのスパイス正油漬け 550円 チキンマサラピクルス 550円
夜は数々のスパイスつまみをアテに飲めるスパイスバーでもあるのだ。チキンマサラピクルスやヒヨコ豆のサラダ。スパイシーなつまみにトニックやソーダ割りのジンがくいくい進む!
[住所]東京都江東区高橋11-1
[電話]03-3846-1211
[休日]月・第1・第3日
[営業時間]11時半〜14時LO、18時〜23時
[交通]地下鉄半蔵門線ほか清澄白河駅A2出口から徒歩3分
忘れちゃいけない深川の味 やっぱり江戸メシ
門前仲町から清澄白河、森下とくればかつては深川と呼ばれた江戸の下町。さらに言えば、江戸時代は木場や漁師の町として栄えたそうだ。
となればもちろん、忘れてはならないのが“深川めし”ってわけで『深川宿』へ。
浅学にして知らなかったのだが、深川めしには実は2タイプある。特製の味噌でサッと煮立てたアサリを汁ごとかけた“ぶっかけ”と、醤油味で炊き込んだ“炊き込み”だ。
こちらでは両方比べて楽しめる定食もあり。うむうむ、どちらも旨い。
時は降って明治ともなると下町の男衆のスタミナ食として振る舞われたというのが桜なべ。要は馬肉のすき焼きってことになる。森下には創業明治30年という『みの家 本店』がある。現在の木造の建物は昭和29年築といい、これが当時のまま風情抜群。
江戸甘味噌と八丁味噌を合わせた味噌ダレとともにさくら肉がクツクツ。色が変わったらさっと卵をくぐらせて……。う~ん、たまらないねえ。
『深川宿』
辰巳好み 2365円 (ミニ深川めしぶっかけ・ミニ深川めし炊き込み)
[住所]東京都江東区三好1-6-7
[休日]月(祝の場合は翌火休)
[営業時間]11時半〜15時、17時〜21時、土・日・祝 11時半〜17時
『桜なべ みの家 本店』 @森下
桜なべ(1人前) 2350円
[住所]東京都江東区森下2-19-9
[休日]火
[営業時間]12時〜14時、16時半〜21時 日・祝 12時〜20時半
夜にも個性が立った新しい感性の店が続々
池「清澄白河と言えば、これまでオレ的には、東京都現代美術館を中心としたアートの街って印象が圧倒的だったんだよね」
戎「ボクはコーヒーの街ですね。ブルーボトルコーヒー出店以降オシャレカフェが多いという」
池「うん、今回も取材してるけど、確かにロースタリー&カフェが多いし、それ目当てに遠くから足を運んでる人も多いね」
戎「江戸時代から掘割が整備された水路の町で、倉庫が多かったのが大きいみたいです」
池「アートギャラリーなども同じだけど、天井が高く広い空間の倉庫をリノベしたりしてオシャレに使ってるところが多い」
戎「だから、点在してますよね」
池「そうそう。駅前繁華街にはなってなくて、昔ながらの住宅街や倉庫街の中に点在してるという成り立ちがユニークだよ」
戎「実は美味しいパン屋さんの激戦区であることも発見!」
池「朝時間が充実する『iki ESPRESSO』や『B2』然り、美味しいコーヒーとパンはセットだからねえ。コーヒーはエスプレッソ系がいいね」
戎「清澄庭園とか木場公園とか抜けのいい大きな公園もあるので、テイクアウトして楽しんだりするにも最適!昼時間を楽しめる街だなあ、と」
池「でも、今回清澄白河から森下を歩いてみたら……」
戎「そうなんですよ。楽しいのは昼だけじゃ全然ないと」
池「夕方以降に街を歩いていると、それこそポツリポツリと灯りが見えて、いい店がある。し
かも、今40代くらいの世代の店主がここ何年かの間で始めた個性が立ってる店がいいよ」
戎「修業して地元に戻った店主が開店した『O2』や『ほ志の』とか。地元密着感と新しさがあっていい感じです」
池「ナチュラルワインとか、日本酒とか、お酒の感度も高いよ。和食で日本酒なら断然『紺青』をプッシュしたいし」
戎「いや~『NICO 25』でクラフトジン、スパイス飲みもクセになるはずです。このあたりは実は都市型ワイナリーや小さなブリュワリ ーもありますしね」
池「他にもナチュラルワインが美味しいビストロとかイタリアンもあって、話を聞くと店主同士けっこう行き来している。街に勢いがあるのがいいよね」
撮影/小島昇(iki ESPRESSO、B2、no mark. Cafe、オールプレス エスプレッソ 東京ロースタリー&カフェ、ワインショップ アンジュール、理科室蒸留所、FOLKWAYS BREWING、O2、BLESS)、西崎進也(ほ志の、NICO 25 TO GO)、取材/池田一郎
※2022年7月号発売時点の情報です。
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