読みたい北海道

【読みたい北海道・難読地名編】「果てしない~♪」あのシンガーソングライターの故郷「足寄」は?

マリモの生息する阿寒湖と、まるでマジックのようなまりも羊羹 オンネトーからさらに東へ走ること20分、阿寒湖(釧路市阿寒町)に到着。火山の噴火によって生まれた湖です。特別天然記念物のマリモは、阿寒湖内に浮かぶチュウルイ島の…

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民間調査会社による47都道府県魅力度ランキングで13年連続1位に輝く「北海道」。

観光地として圧倒的な人気を誇り、豊富な海の幸や新鮮な牛乳やチーズなどの酪農製品、札幌ラーメンなどのご当地グルメ、雄大な自然、スキーなどのアウトドア…とにかく”非日常的“な魅力がいっぱいです。

そんな北海道には、漢字の一般的な読み方から想像するのが難しい地名がいくつもあります。

九州の2倍強という広い大地ゆえ、馴染みのないエリアだと道産子でも読めないものも少なくありません。「おとなの週末Web」では北海道の難読地名を取り上げながらその周辺の観光スポットやグルメも紹介していきます。読み方を学びながら束の間の旅気分を味わってみませんか?

今回は北海道の十勝地方にある「足寄」。何と読むでしょう?

答えは…

答えは「あしょろ」と読む地名。町名です。

足寄町(ちょう)は「恋」や「長い夜」、「大空と大地の中で」など数々のヒット曲で知られるシンガーソングライター松山千春さんの故郷です。

松山千春さん(パネル)に会える!道の駅あしょろ銀河ホール21

足寄町中心部にある「道の駅あしょろ銀河ホール21」には松山さんのコーナーも設置されていて、松山さんのパネルと記念撮影ができます。

道の駅あしょろ銀河ホール21内の松山千春さんコーナー

実はこの道の駅は、2004年に北海道ちほく高原鉄道が運営していた「ふるさと銀河鉄道(北見~池田間、営業距離140キロ)」の足寄駅舎として造られました。2006年の廃線後はホームや車両を展示しています。

室内に鉄道があるので、最初に訪れた時はビックリしました。国道242号線沿いと立地がよく、帯広からオホーツク方面に向かう際、良く休憩スポットとして立ち寄っています。

トトロの世界感!日本一大きなフキ「螺湾ブキ」 

足寄市街から車で15分ほど東に入ると、螺湾(らわん)地区に入ります。ここで有名なのが、巨大な「螺湾ブキ」。高さ2~3メートルにもなる大きなフキで、近くを流れる螺湾川に沿って自生しています。その大きさは「となりのトトロ」に登場するトトロが持っていそうな「葉っぱの傘」サイズで、まるでお話の登場人物になった気分です。

町の特産で2001年10月に北海道遺産にも登録されており、苗や種の足寄町以外への持ち出しは禁止とされています。まだ食べたことは無いのですが、シャキシャキとして触感で、アクも少ないとのこと。煮物にしたら美味しそうですね。

「ラワンぶき鑑賞圃場」では、自生している螺湾ブキを堪能(見ごろは6~7月です)できます。アイヌの伝説によると、フキの下にはコロポックル(アイヌ語で「フキの下の人」)という妖精が住んでいると言われているそうです。

筆者と大きな螺湾ブキ

手つかずの自然が残るオンネトー

さらに車で足寄町東部へ約30分進むと周囲2.5キロの美しい湖「オンネトー」に到着。阿寒摩周国立公園の最西端に位置し、雌阿寒岳の麓に位置しています。アイヌ語で「年老いた沼」や「大きな沼」を意味しているそうです。

阿寒国立公園内にあるオンネトー。オンネトーから雌阿寒岳(左)と阿寒富士を望む

一歩足を踏み入れたとき、エメラルドグリーンの美しい湖に息をのみました。季節や見る角度によって深い青や澄んだ青など色が変わる神秘の湖とされています。

散策路を歩き、森林浴をしながら雄大な自然を味わうことができました。紅葉の時期は、湖面に彩り鮮やかな木々が映り、美しい景色を見せてくれますよ。

見る角度によって色が変わるオンネトーの湖面

マリモの生息する阿寒湖と、まるでマジックのようなまりも羊羹

オンネトーからさらに東へ走ること20分、阿寒湖(釧路市阿寒町)に到着。火山の噴火によって生まれた湖です。特別天然記念物のマリモは、阿寒湖内に浮かぶチュウルイ島のマリモ展示観察センターか、温泉街にある阿寒湖畔エコミュージアムセンターで見ることができます。

遊覧船やボートが並ぶ阿寒湖畔

温泉街には北海道最大のアイヌ集落「アイヌコタン」があり、アイヌの伝統的な舞踊を見られたり、伝統工芸品を買ったりすることができます。

阿寒湖を訪れたとき、湖畔の食事をした店舗で銘菓の「まりも羊羹」をもらいました。マリモを模して作られた緑色の球形の羊羹で、小さなゴムボールのようにも見えます。

包んでいるゴム状の風船の表面を楊枝でプチッと刺すと、表面が勢いよく剥けて、中身が「つるん」と出てきます。まるでマジックのようで、小学生の息子はその瞬時の出来事に目をぱちくりさせて驚いていました。

まりも羊羹

阿寒湖では冬に「フロストフラワー」が見られます。条件が整ったときにだけ湖面に花のような結晶が現れる、冬の自然現象です。四季を通じてさまざまな自然を味わえるので、今度は冬にも訪れてみようと考えています!

文・写真/森順子

森 順子

元テレビ北海道アナウンサー。現在は教育サービスの会社を運営しながら地理の楽しさを普及する活動も行っている。地理女net代表/札幌国際大学短期大学部講師/札幌観光大使

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