摂りすぎはNG? カルシウムは豆腐に入っている? Q5.カルシウムを摂りすぎると、カラダに悪くないですか?A.大丈夫です! カルシウムの摂りすぎは心配無用です 食事でカルシウムをたっぷり摂ったとしても、骨が丈夫になるだけ…
画像ギャラリー「あ~なんかイライラする!」「カルシウム不足じゃない?」
こんな会話を耳にしたこと、ありませんか?
でも、「カルシウム不足でイライラするって本当?」「カルシウムって骨の材料になる以外にも役立っているの?」「カルシウムって乳製品や小魚以外でも摂れるんだっけ?」いろいろな疑問も頭に浮かんできます。
そう、私たちはカルシウムのことをあまり知らないのかも……。
というわけで、健康維持のために知らなきゃヤバイ! カルシウムのことを、Q&Aでわかりやすく解説しましょう。
文/藤岡操(フードコーディネーター・栄養士)、メイン写真/chi-Stock.Adobe.com
「カルシウム不足でイライラする」は迷信だった!
Q1.イライラするのはカルシウム不足のせい?
A.それは迷信です!
カルシウムが神経の働きに関わっているのは事実。カルシウムには、脳の興奮を抑える働きがあります。
しかし、カルシウムが一時的に不足してもイライラすることはありません。血中のカルシウムが足りなくなると、骨に貯蔵されたカルシウムが血液中に放出されるため、すぐに神経の働きに影響が表れることはないのです。
ただし、長期間カルシウム不足が続くと、骨のカルシウムが減り、骨粗しょう症になったり、筋肉が痛くなったり。手足の感覚障害が起こることもあります。
魚をよく食べる日本人ながらカルシウムは最も不足!?
Q2.日本人は魚をよく食べるからカルシウムは足りている?
A.いいえ。カルシウムは日本人が最も不足している栄養素です!
「日本人の食事摂取基準2020年版」(厚生労働省)では、1日のカルシウム推奨量は、18歳以上の男性で750mg、成人女性で650mg。しかし、実際の摂取量は男女ともに500mgほど、推奨量を大幅に下回っています。
つまり、日本人の多くがカルシウム不足! すべての年代で最も不足している栄養素のひとつです。
カルシウム不足の原因は、日本の水はミネラルが少ない軟水主体であること、牛乳離れ、魚や大豆、野菜をあまり食べないなどが考えられます。
足がつる、歯周病…意外と知らないカルシウムの疑問と答えは?
Q3.カルシウム不足と歯周病、関係ないですよね?
A.関係あります。カルシウム不足で歯周病のリスクが高まります
唾液にはカルシウムが含まれており、口の中では常に歯の再石灰化が行われ、歯の表面のエナメル質が修復されています。カルシウム不足によって歯の再石灰化がスムーズに行われなくなると、虫歯や歯周病のリスクがアップしてしまいます。
厚生労働省によると、45歳以上の歯周病率は約5割。カルシウム不足の影響が歯の健康状態にも表れているのかもしれません。
Q4.足がつる原因はカルシウム不足って本当?
A.本当です。足がつる原因のひとつがカルシウム不足です
足がつる原因は、筋肉の疲れや冷えなどのほか、ミネラル不足。なかでもとくに注意したいのが、カルシウム不足です。
カルシウムといえば骨のイメージが強いと思いますが、筋肉の動きと密接に関わっています。驚くことに、カルシウムなくして筋肉は1ミリたりとも動けないのです!
こむら返りを繰り返すなら、それはカルシウム不足のサインかも。カルシウムの働きを調整するマグネシウムも合わせて摂るのがおすすめです。
摂りすぎはNG? カルシウムは豆腐に入っている?
Q5.カルシウムを摂りすぎると、カラダに悪くないですか?
A.大丈夫です! カルシウムの摂りすぎは心配無用です
食事でカルシウムをたっぷり摂ったとしても、骨が丈夫になるだけ! 必要以上のカルシウムは排泄されるので心配はありません。
「日本人の食事摂取基準2020年版」(厚生労働省)では、カルシウムの耐容上限量は男女ともに2500mg。現状が平均的な摂取量なら約3倍のカルシウムを摂っても大丈夫! ちなみに、上限量の2500mgを摂るためには牛乳なら2.3L、ちりめんじゃこなら480g。色々な食材から摂るとしても至難の業ですね。
ただし、これは通常の食事で摂るケース。サプリメントなどで摂りすぎた場合は、便秘になってしまうこともあります。
Q6.カルシウムは小魚や乳製品のほか、何に含まれていますか?
A.大豆食品、緑黄色野菜にも含まれています
カルシウムといえば、骨ごと食べる小魚、乳製品が思い浮かびますが、大豆食品や緑黄色野菜にも多く含まれています。大豆食品は、木綿豆腐、納豆、ゆで大豆、油揚げ、がんもどきなど、緑黄色野菜は、小松菜や春菊、大根の葉、パセリ、大葉、バジルなどに多く含まれています。
単品ではなかなかたくさん摂れませんが、味噌汁の具に小松菜と豆腐を使ったり、納豆に大葉としらすをトッピングするなど、合わせ技で摂取量アップを目指しましょう。骨ごと食べられるサバ缶と大豆をトマト煮にするのも、手軽でおすすめです!
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骨の健康だけでなく、歯周病やこむら返り、神経、筋肉運動など、カルシウムは健康維持に欠かせないことがわかりますね。カルシウムは吸収率が低い栄養素。摂っているつもりでも摂れていないというケースが多いので、毎日コツコツ摂ることが大切です。
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