中世ヨーロッパの気分を味わえる「ワイン城」 広尾町から車で北上すること約1時間半、帯広市中心部からは東に約40分のところにあるのが、池田町の「ワイン城」。中世ヨーロッパのような建物で、ここで十勝ワインが作られています。日…
画像ギャラリー観光地として圧倒的な人気を誇り、豊富な海の幸や新鮮な牛乳やチーズなどの酪農製品、札幌ラーメンなどのご当地グルメ、雄大な自然、スキーなどのアウトドア…とにかく”非日常的“な魅力がいっぱいです。
そんな北海道には、漢字の一般的な読み方から想像するのが難しい地名がいくつもあります。
九州の2倍強という広い大地ゆえ、馴染みのないエリアだと道産子でも読めないものも少なくありません。「おとなの週末Web」では北海道の難読地名を取り上げながらその周辺の観光スポットやグルメも紹介していきます。読み方を学びながら束の間の旅気分を味わってみませんか?
今回は「音調津」です。
音調津は広尾町の地名!
「おしらべつ」と読む、広尾町の地名です。
広尾町は十勝管内の最南端に位置しており、東に太平洋、西に日高山脈を望む自然豊かなまちです。昭和59年にノルウェーのオスロ市から国外初の「サンタランド」の認定を受け、サンタクロースから届くクリスマスカード「サンタメール」を数多くの子どもたちに届けてきました。
毎年札幌の観光施設を彩る広尾町のツリー
札幌市中心部の商業施設「サッポロファクトリー」では、毎年11月上旬にジャンボクリスマスツリーの点灯式を行い、12月25日まで色鮮やかな電飾が館内を彩ります。ここで使われるツリーは、広尾町から贈られたものなんです。
今年のツリーは、高さ15メートルのトドマツで、ホワイトやシャンパンゴールド、レッド、ブルーなどの約5万球のLEDライトが光り輝きます。今年は初めて小学生の子どもを連れていったのですが、その大きさや美しさに「すごい!きれい!」と喜んでいました。ガラス屋根のアトリウムの中にあるツリーはとても幻想的です。
豊頃町の絶景、氷の宝石「ジュエリーアイス」
広尾町から車で北東約1時間の場所に位置する豊頃町で、冬になると見られる絶景があります。それは「ジュエリーアイス」。
太平洋に流れ出た十勝川を覆う氷が大津海岸に打ち上げられ、透き通った氷が太陽の光を受けて美しく輝く自然現象です。特に朝日を浴びて輝くジュエリーアイスが美しいと、シーズンには多くの観光客が訪れます。
「明日は晴れそうだ」と天気予報を確認し、この絶景を見ようと急遽家族で札幌を出たのが2月のある日の深夜。夜な夜な車を走らせ、途中仮眠しながら早朝に大津海岸にたどり着きました。日が昇る前にも関わらず付近の駐車場はほぼ満車。多くの人が朝日を待ちわびていました。
水平線から太陽が昇ると、多くの人たちからは歓喜の声。思わず「きれい…」とため息が出ました。一瞬を逃すまいと、誰もが撮影にいそしんでいました。
また、町内には「ハルニレの木」があり、冬は周りの雪景色と調和し美しい姿を見せてくれます。
中世ヨーロッパの気分を味わえる「ワイン城」
広尾町から車で北上すること約1時間半、帯広市中心部からは東に約40分のところにあるのが、池田町の「ワイン城」。中世ヨーロッパのような建物で、ここで十勝ワインが作られています。日本初の自治体が経営するワイナリーで、1974年にオープンしました。2020年にリニューアルオープンし、見学コースで自由に見学できるほか、特産品の購入や十勝ワインの試飲もできます。
主な商品ブランドは「トカップ」「清見」「清舞」など。私は「トカップ」が好きで、十勝出張の際には200ミリリットルのミニサイズをよく購入し、帰りのJR車内で堪能します。特に白ワインが好きで、辛口でフルーティーな味わいはおつまみにもよく合い、出張疲れを癒してくれます。
ワイン城は小高い丘にあり、斜面にはブドウ畑が広がります。眼下には広大な十勝平野も見渡せ、ヨーロッパに来たような雰囲気を味わえました。
今日はクリスマス。クリスマスを演出する北海道ならではのクリスマスツリーやワインに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
さて、8月から毎週全20回、北海道の難読地名から付近の観光地やグルメなどを紹介してきましたが、今回で「読みたい北海道・難読地名編」は終了です。
これまでご紹介した中には、市町村名で知っている地名、逆にマニアックな地名もあったと思います。北海道の難読地名から、その土地の魅力を知る機会になったら嬉しいです。
そしてぜひ、北海道に来ていただけることも楽しみにしています!
文・写真/森順子
森 順子
元テレビ北海道アナウンサー。現在は教育サービスの会社を運営しながら地理の楽しさを普及する活動も行っている。地理女net代表/札幌国際大学短期大学部講師/札幌観光大使
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