「マメさん」のラーメン 背脂の浮くインパクトの強い塩ラーメンを現代風にアレンジ 若き日の岡田さんが惚れこんだ、背脂の浮くインパクトの強い塩ラーメンを現代風にアレンジして再現しました。 タレは昆布や帆立、カニ等、魚介の旨味…
画像ギャラリー新横浜ラーメン博物館(横浜市)は、30周年を迎える2024年へ向けた取り組みとして、過去に出店した約40店舗が2年間かけて3週間のリレー形式で出店するプロジェクト「あの銘店をもう一度」を2022年7月1日から始めています。このプロジェクトにあわせ、店舗を紹介する記事の連載も同時に進行中。新横浜ラーメン博物館の協力を得て、「おとなの週末Web」でも掲載します。
第14弾は、函館「マメさん」です。ラー博職員の方が描かれた解説マンガ付きで紹介します。
1985年に閉店、2000年にラー博に出店
第14弾は、1985年に閉店した伝説のお店が2000年にラー博で復活した、函館「マメさん」さんです!
【あの銘店をもう一度・第14弾・「マメさん」】
出店期間:2023年4月4日(火)~2023年4月24日(月)
出店場所:横浜市港北区新横浜2-14-21
新横浜ラーメン博物館地下1階
※第12弾「やよいそば」の場所
営業時間:新横浜ラーメン博物館の営業に準じる。
詳細はコチラ
・「新・函館ラーメン マメさん」店舗概要
住所:北海道函館市宝来町22-6
電話:0138-27-8811
営業:11時~15時、17時~20時
定休:木曜日、第2・3水曜日
http://www.hakodate.ne.jp/okadamen/news/index.html
・過去のラー博出店期間
2000年6月6日~2001年2月25日
岩岡洋志・新横浜ラーメン博物館館長のコメント「函館のラーメンを調査する中で知った伝説のラーメン店」
マメさんに出店いただいた当時、ラーメン業界はご当地ラーメンブームでした。北海道三大ご当地として、既に札幌と旭川は紹介しており、当館としても函館のラーメンも紹介したいと思い、1999年から本格的な調査に乗り出しました。そんな中、昔大繁盛した伝説のラーメン店「マメさん」の存在を知りました。私どもは是非そのお店を復活させて紹介したいと思い、創業者の岡田芳也さんの所に何度も通いました。
最初は中々首を縦に振ってくれませんでしたが、何度も通っているうちに、岡田さんから「一番復活を望んでいたのは私です。しかし立場上(岡田製麺の代表取締役)会社を守る責任があるため、すぐにOKすることは出来ませんでした。是非このプロジェクトを一緒にやりましょう」とご快諾をいただきました。そんな思いの詰まったマメさんがまたこうして3週間味わえるのは本当に楽しみです。
創業者が高校生の頃に出合った屋台「龍鳳」
「マメさん」の歴史は、「龍鳳」という屋台のラーメンに遡ります。マメさんの創業者、故・岡田芳也さんが高校生の頃、たまたま立ち寄った屋台のラーメン店「龍鳳」の味に感動し、通い続けていました。
この先のストーリーは復活の際に描かれたマンガを見ていただくとよくわかります。
実にドラマティックなエピソードですよね。
ちなみにこの漫画は現在もラー博で働いている瀧上(ラーメン作り体験責任者)が書いたものです(^^;
次は、1985年に閉店し、どのようにして復活を遂げたかについてお話いたします。
「マメさん」復活への道のり 創業者は老舗製麺会社の社長だった
「函館の塩ラーメン」を調査している頃「昔大繁盛した幻の塩ラーメンがある」という情報を聞きつけ、聞き込みを続けると、そのお店をやっていたのが、函館の老舗製麺会社「岡田製麺」の代表取締役であった岡田芳也さんだということがわかりました。
早速、岡田さんを訪ねることとなりました。マメさんの話を切り出すも「私は今、代表取締役であり、会社を守る責任があります。お店をやめてもう15年も経ちますし、私がラーメン店に戻ることは到底できないです」と断られました。しかしラー博は諦めませんでした。
ラー博のスクープ!函館のラーメンのルーツとなる中国の麺料理「養和軒」の南京そば
誘致交渉と同時に函館のラーメンの歴史を調査している中、明治17年に「養和軒」というお店があり、当時の函館新聞の記事から「南京そば」を提供していることがわかりました。
もともと函館は横浜や長崎同様に開港をした都市であるため、古くからラーメンのルーツとなる中国の麺料理が存在していたのではないかと推測していました。この発見は、多くのメディアから注目を浴びました。
この歴史的発見をもとに、再度岡田さんの元を訪ね、「マメさんを復活させましょう!」と嫌われないようにしつこく交渉を重ねたのですが、首を縦には振ってくれませんでした。
しかしある日、岡田さんから来てほしいという連絡をいただきました。なんと岡田さんは従業員に内緒で、昔のマメさんの味を再現していたのです。岡田さん曰く「実は私が一番マメさんの復活を望んでいました。しかし私も経営者ですので、従業員の前でそんな簡単にやりますとは言えませんでした」とのことでした。
こうして15年の月日を経てマメさんが復活することとなりました。
ラー博への出店 創業者が1週間、客に説明
マメさんは1996年からスタートした「新横浜着 全国ラーメン紀行」の第8弾として期間限定で出店していただきました。
復活したマメさんの味は、元々のマメさんの味をベースに新たな郷土のエッセンスを加えた温故知新のラーメンであることから「新・函館ラーメン マメさん」という屋号になりました。
そしてこの出店に合わせ、これまで調べ上げた函館のラーメンの歴史、マメさんの復活劇、北海道三大ラーメン、そして函館の魅力を詰め込んだ冊子「RAUMENIST ラーメニスト」を100円で販売しました。
岡田さんは、運営を従業員に託し、社長業があるにもかかわらず、開店から1週間、来館されるお客様1人ずつにこのラーメニストを元に丁寧に説明をされておりました。
2001年、函館に帰郷オープン
2001年2月25日にラー博の営業を終え、その年の4月、地元函館に帰郷オープンをしました。地元からの期待も高く、多くのお客様、そしてメディアに紹介され、行列店となりました。
2013年に函館市末広町から函館市宝来町に移転。2017年にはマメさん創業者の岡田芳也さんはご逝去され、現在はご子息が厨房に立たれております。
「マメさん」のラーメン 背脂の浮くインパクトの強い塩ラーメンを現代風にアレンジ
若き日の岡田さんが惚れこんだ、背脂の浮くインパクトの強い塩ラーメンを現代風にアレンジして再現しました。
タレは昆布や帆立、カニ等、魚介の旨味を凝縮。スープには丸鶏などの厳選食材を使用。弱火で長時間煮だし濁らせないスープはサッパリとしていながらコクも充分。「マメさん」ゆかりの焦がし背脂がアクセントとなっております。
新・函館ラーメンのポイントとなるフノリ。ミネラルを豊富に含み、健康食品としても注目されています。これをスープに使うことで、塩角を取り、味わいを丸くします。
麺にはうどん用の中力粉などをブレンド。手間を惜しまず包丁切りにし、柔らかく滑らかな食感を実現。麺にもフノリが練りこまれており、函館ならではの潮の香りを表現しております。
具材はシンプルにチャーシュー、メンマ、ネギ、そして函館ラーメンによく使われるお麩。
「マメさん」がラー博に復活するのは実に22年ぶりです。期間は2023年4月4日(火)~4月24日(月)の3週間です!!
皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『新横浜ラーメン博物館』の情報
住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
交通:JR東海道新幹線・JR横浜線の新横浜駅から徒歩5分、横浜市営地下鉄の新横浜駅8番出口から徒歩1分
営業時間:平日11時~21時、土日祝10時半~21時
休館日:年末年始(12月31日、1月1日)
入場料:当日入場券大人380円、小・中・高校生・シニア(60歳以上)100円、小学生未満は無料
※障害者手帳をお持ちの方と、同数の付き添いの方は無料
入場フリーパス「6ヶ月パス」500円、「年間パス」800円
※協力:新横浜ラーメン博物館
https://www.raumen.co.jp/