プライベートくらい、自分のペースでゆっくり決めてもいいじゃない 世の中、大体の場合はどんな選択をしたって構わない場合が多い。 だから「何をそれくらいで何を悩んでるんだよ」ってイラつかれることもあるかもしれません。 「大し…
画像ギャラリー「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!
その内容は、「お悩み相談」です。これまで約1年半のコラム連載を通して、食・あそび・勉強・旅…と、様々なテーマで「(理想の)大人とは?」について考え、目指してきた (そしてこれからも目指していく)前田さん。その経験を生かした視点で、皆さんから寄せられたお悩み相談に答えていきますよ◎
第6回の今回は、一般的には短所と言われることが多い「優柔不断」について。
[今回のお悩み]
「優柔不断で、何事も決断に時間がかかります。判断に悩むときはどうすればいいですか?」
私は優柔不断な自分に不安を抱えています。
今までは、ファミレスで何を注文しようか。なんてことに時間を掛けているような学生時代でした。
社会人になり、仕事でもプライベートでも決断をしなければいけない場面が増えてきました。そんなとき、いつも「考えます」という言葉に逃げて、決断を先延ばしにしてしまう癖があります。
前田さんは、自分のことを優柔不断だと思いますか?思いませんか?
よければ判断に悩んだ際に、前田さんはどのように対処されているのかよければお聞きしたいです。
(大阪府・20代・女性・会社員)
優柔不断は短所とは言い切れない
優柔不断という言葉があるけれど、その言葉自体悪いものではないと思うんです。
意味で言えば”物事の判断がなかなできずに態度を決めきれない人”ということになる。「私、優柔不断だから」っていう時は、悪いニュアンスで使うことしかないじゃないですか。
けど、“優”と“柔”という良い意味で使われやすい二文字が四字熟語の半分のシェアを占めている訳ですよ。
優しくて柔らかいんですよ?
そんな人、良い人間に決まってるじゃないですか。
厳しくて硬い人なんて(世の中にはこういう人も必要なのだけれど、ただ)世の中に沢山いても困る訳で。社会では優しさと柔らかさが必要な場合が多々あって、優柔不断な人って、その必要とされる人間性を持ち合わせている人でもあるんです。
”不断”っていう言葉だって、物事を決めきれないと言えば悪い印象を持つかもしれないけれど、こだわりがないからこそ柔軟な決定ができる、とも言える。
頑なに自分の意志を通す人間よりも、不断の人間の方が、軋轢を生まないで円滑に組織を運営していけるんですよ。
要は全てのものは一長一短であって、一概に悪いと断罪されるべきものは決してない。
「優柔不断だなあー」とか言われたとしても、毅然とした態度をとって構わないのだ。そういう人たちがいるからこそ、世の中は上手くいっている部分も大いにあるのだから。
胸を張っていきましょう。優柔不断。
プライベートくらい、自分のペースでゆっくり決めてもいいじゃない
世の中、大体の場合はどんな選択をしたって構わない場合が多い。
だから「何をそれくらいで何を悩んでるんだよ」ってイラつかれることもあるかもしれません。
「大したことねぇんだから早く決めろよ」だなんて言われた日には拳を食らわせてやって構わないと思います。自分の価値観で他人の判断スピードを強要する人間は、相手にすべきではないのだ。
仕事であればある程度は仕方ない。報酬に対しての対価を提供しなければならないから、その範囲で叱咤されるのは仕方ないのかもしれないけれど、それをプライベートに持ってきた輩には鉄槌を下してやるといい。
そういう人間に合わせて、日常から無理して心をすり減らして物事を無理やり選択していく必要もないんです。
物事を決められないという性質を持ったとしても、大丈夫ですよ。それよりもお釣りがくるほど素敵な魅力が優柔不断にはある訳ですから。
そもそも、優柔不断の原因も元を辿れば「AでもBでもどっちでもいい」と興味がないんですよ。どちらの選択肢にも強く心惹かれないから、本当にどっちでもいい、という理由から決められない人間もいるんですよ。
だから興味がない人ものに対して誰かに決めて欲しい、と思う訳で。本当に興味があることだったり好きなことはすぐ決められる場合が多い。
だから、判断を決めかねてしまう場合、他人に判断を委ねてしまうのがいいかもしれません。
誰かと一緒にお店に行ってメニューを決めかねている時は、一緒に行っている人と同じものにする、とか、お店の人にオススメを聞いて、それを注文する、とか。
最終的に決めるのは自分であっても、考慮する材料を他人から拾ってきたって構わない訳ですから。
誰だって「どうでもいいこと」に対しては優柔不断
私も優柔不断な人の気持ちは少し分かります。選択をするって、エネルギーがいりますからね。
選択肢を天秤にかけて、どちらが自分の利になるのか、それが長期的な目で見ての判断なのか短期的な目で見ての判断なのかによっても下す決断は変わってくるし、それをいちいち全ての事柄に対して理論的に、理性的に決定するのって疲れる。
判断疲れってあるんですよ。ただでさえ仕事でカロリーの高い判断をしているのだから、私生活くらいは判断をしたくない、と思う瞬間も多い。
だから、私は、自分を優柔不断か、という問いに答えるのであれば、YESでもありNOでもあるんです。
どうでもいいことは判断するのも面倒だから、他人に任せることも多いために、優柔不断だと言われても仕方ないくらい態度が決められないこともあるし、そういう人の気持ちも分かる。
仕事であれば情熱を向けて判断するための思考を巡らせて、強く意見を持つことができるから、その瞬間を切り取れば、優柔不断の一面なんて感じられないでしょう。
けれど、その熱量を各所に持つことは難しいから、判断できるものとできないものは極端に分かれている。
私以外にもきっと、そういう人もいると思うんですよ。優柔不断だと言われる人は、全ての分野に優柔不断な訳ではないのではないんじゃないかなと思います。
どんな人だって、どうでもいいことには優柔不断になる。しかもそれは悪いことではないのだから、余計に気にする必要はないんじゃないかなと思います。
加えていうのであれば、悩める幸せってあるんですよ。
例えば、金銭的に余裕がなければ、牛丼かステーキか、という二択の悩みにすらならないんです。
仕事でもAの案件かBの案件か。
案件の内容でも、あんな内容にするか、こんな内容にするか。
そんな裁量を持っている状態だから、悩むということができるんです。
他者と何かを比較するものではないのだけれど、裁量を持たせてもらえている環境というのは、恵まれていると言っていい。
せっかく、そんな悩む贅沢を享受できる立場にあるのであれば、苦しんで決めるのではなくて、悩むこと、悩めることに、幸せを感じて、他者に急かされたとしても自身の裁量の範囲内で優雅に焦ることなく選択するといいと思う。
担当編集者からのひとこと
優柔不断、よくわかります。私もさっき、お昼を食べようと入ったファミレスで、ハンバーグにするかポークソテーにするか、さんざん悩んでハンバーグを注文した挙句、食べながら、「やっぱりポークソテーだったかも…」と思っていました。もっと言うと、「ハンバーグのソースは、やっぱり和風おろしの方が良かったかも…」とすら思っていました。
仕事といった大事な決断なら、判断の参考になる要素がたくさんあり、困ったら周りの頼りになる人に聞けたりして、決断に値する「根拠」を探せるので、楽に思うことが多いです。
むしろ、冒頭のファミレスでの注文のような、どうでもいい決断の方が、決め手がなくて、いつも困ってしまいます。隣の人に、「どっちがいいと思います?」と聞くわけにもいかないですしね。
なので、「ハンバーグはデミグラス一択!」とか、「とんこつラーメンの麺は絶対バリカタ!」とか、「自分ルール」がある人が少しかっこよく見える時があります。くだらないことで悩まないんだろうなあ、大人だなあ、と。
さらに、優柔不断の辛いところは、「決められない」というストレスに加えて、えいや!と決めた後でも、「やっぱり違ったかも…」と思ってしまうことにある気がしています。
でも、きっとどんな選択をしていても、同じように後悔するのだと思います。なので、前田さんの仰るように「どうでもいいことにも悩める幸せ」を享受しつつ、必要に迫られた時にだけ、渾身の決断力を発揮していきましょう。
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前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。
ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。