旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■秋が旬
正解:そば
難易度:★★★☆☆
日本固有の食べ物かと思ったら……
そばは、タデ科ソバ属の一年草です。その実は、日本そば(蕎麦)の原料となります。
収穫量や品質を向上させるには、適切な土作りや肥料を与えることが必要にはなりますが、寒冷地や、雨が少ないなどの悪条件下や、痩せている土地でも容易に育つという特性を持ちます。
日本では縄文時代から栽培されていたと考えられています。
そばの実を使った食品といえば、日本そば。粉末状にしたそばの実(そば粉)を加工した麺類です。
ラーメンに使われるような小麦を使用したそばがあるため、区別するためにあえて「日本そば」と記載されることもあります。
ただし、巷で「そば」として出回っているものは100%そば粉を使用しているものは少なく、つなぎとして小麦が使われているのが一般的です。そこで、日本そばと表示できる基準が設けられています。
全国製麺協同組合連合会では、そば粉30%以上、小麦粉70%以下の割合で混合した原料を用いたものを日本そばと呼んでOKとしています。
一般的に、そば粉だけで作ったそばは、「十割そば」もしくは生蕎麦(きそば)、そば粉9割、小麦粉1割のものは「九割そば」、そば粉8割、小麦粉2割のものは「二八そば」、そば粉5割、小麦粉5割のものは「同割そば」と、異なった名称で販売されています。
乾麺はそば粉含有率が30%を下回る場合は、そば粉の割合をパッケージに明記することが義務付けられています。
日本そばという名前がつけられているため、そばは日本固有の食べ物と思われがちですが、そばの実を食べる食文化のある国はたくさんあります。
たとえば、フランス発祥の焼き菓子、「ガレット」、ロシアのパンケーキであるブリヌイなど。冷麺もそば粉を主原料として作られることもあります。また、そば粉を使ったパスタもあります。
日本でも、そば粉を湯で練って作る「そばがき」や、実をそのままスープの具材として使ったりなど、さまざまな料理に活用されています。
そばの実の収穫時期は年に2回あり、7~8月頃の夏の時期に収穫するものを「夏そば」、10~11月頃の秋に収穫するものは「秋そば」と呼ばれます。
新そばと呼ばれるのは「秋そば」で、そばのなかでももっとも香り高く美味といわれ、コシが強く、見た目も淡い緑色や青みがかった、美しい色をしています。
「夏そば」は「夏のそばは犬も喰わぬ」といわれていましたが、現在では品種改良や栽培技術の向上により、秋そばに負けない美味しさと、夏そばを好む人も増えています。