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大阪・関西万博の運営者「日本国際博覧会協会」は、デジタル技術を駆使することにより、当初「並ばない万博」を目指していたようです。ところが、いざ開幕してみると会場内はいたるところで大行列。関西弁で言えば「並ばなアカン」万博となっております。その大行列の頂点は、人気のイタリア館。「おとなの週末web」で、連載「酒肴二十四節気」をお届けしている69歳ジジイが、噂の大行列を実体験してきました。

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万博攻略のコツは「優先予約枠」

これが大屋根リング。屋上階に上がることができます

ジジイ69歳、大阪・関西万博に行ってまいりました。ふぅ。週末には連日15万人超の入場者と大盛況ですが、今回の万博はスマホを駆使した「情報戦」なんだそう。目当てのパビリオンには予約がなければ入館できないところもあり、「2か月前予約」「7日前予約」「3日前空き枠予約」「当日登録」と、ファストパスのような時間指定ができる優先枠があるのです。しかし、これがスマホや、PCで何度チャレンジしても、取れないのです。デジタル難民に近いジジイも、100回以上チャレンジしましたが、ダメでした。

大阪・関西万博の予約枠争奪戦に参加している“ネット民たち”がSNSに書きこんでいるところでは、

「3日前予約開始期日の午前0時にサイトへ入ろうとしたら、すでに6万人待ち……」
「会場に入場後、当日予約枠がときどき出るのですが、これにエントリーしても“予約が確保できませんでした”の画面ばかり……」

「万博会場内にある当日登録センターの端末でも取れない……全敗です」

いちばん人気の「イタリア館」は優先予約枠が埋まる

いちばん人気の「イタリア館」では、イタリア館専用のアプリ経由で、すでに会期中10月までの予約枠がすべて埋まっていました。

イタリア館の最大のウリは、日本に初めてやってくる「ファルネーゼのアトラス」という古代ローマ時代(西暦150年頃)に作られた彫像(イタリア国立ナポリ考古学博物館所蔵)。作者不詳ながら、ギリシャ神話の「巨神アトラス」が天球を支える大理石の彫刻。筋骨隆々の男性が、まるで地球を背に担いでいるよう描写で有名な世界的文化遺産です。

イタリアの至宝「ファルネーゼのアトラス」は古代ローマ時代に作られたギリシャ神話の巨神アトラスが天球を支える大理石の彫刻

さらには、1989年以来36年ぶりの日本展示となる名作「キリストの埋葬」(バチカン美術館所蔵)も目の前で見ることができるのです。16~17世紀イタリアの画家・カラヴァッジオの作品でバチカン美術館の至宝とも伝えられます。

バチカン美術館からは16~17世紀の画家カラヴァッジオの名作「キリストの埋葬」が。1989年以来の日本での展示

16世紀に活躍したミケランジェロのキリスト像第1作とされる「キリストの復活」も展示されており、さながら「イタリアお宝美術館」の様相。本国でもなかなか見られないものが、大阪・関西万博会期中(2025年10月13日まで)は全日程で見ることができるからなのです。

ミケランジェロのキリスト像第1作とされる「キリストの復活」も16世紀の彫像

予約なしでも並べば入れるパビリオンに大行列が

かくして、入館予約枠の取れなかった入場者は並ぶことになるのですが、問題は、その入館待ちの人々の多さ。それらのパビリオン前には長蛇の列ができています。

「イタリア館は平日でも2~3時間待ち、週末は4時間以上……」
「アメリカ館も、フランス館も2時間は待つ」
「ヨルダン館は砂漠の砂に横たわる体験ができる。でも1時間以上待つらしい……」

と、並んでいる方々の声も大行列に嘆息気味でした。いやはや、なんともすさまじい。

大屋根リングでの筆者。万博会場を背に記念撮影です
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猛暑の中、昼過ぎに到着し、ほぼ立ちん坊で待つことを決意
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