正直言って、かなり地味な存在の「タンメン」は、町中華好きのなかでも“実は隠れファンの多い”メニュー。その魅力を、最高の仲・餃子とともにご紹介します。
画像ギャラリー飯田橋、おけ以のタンメン
ニンニクが入らない澄んだスープに個性的な平打ち麺
神保町で創業、今の地へ移り、延べ63年。「毎日食べられる味を」と生み出されたタンメンはニンニクを使わないスッキリした味わいながら、スープの旨みや野菜の美味しさが生きている。有名な羽根付き餃子は程よいサイズで皮のモチっとした部分とカリッとした部分が好対照。
店舗情報
[住所]東京都千代田区富士見2-12-16
[TEL]03-3261-3930
[営業時間]11時半~13時50分LO、17時~20時50分LO ※ランチタイム有
[休日]日・祝、第3月
[席]カウンター8席、テーブル18席、計26席/全席禁煙/予約不可/カード不可/サなし、お通し代なし
[交通アクセス]JR中央・総武線飯田橋駅西口から徒歩3分
東中野、十番のタンメン
彩りのいい野菜をたっぷり味わうタンメン
タンメンにどっさり盛られた野菜はニラ、ニンジン、白菜、タケノコ、きぬさや、キクラゲなどバラエティ豊か。創業61年、大きな五右衛門鍋で仕込むスープの淡い味わいは健在。ニンニクとニラが香る餃子と一緒に食べればまたそそる。
日暮里、花家のタンメン
シャキシャキもやしが瑞々しい香り高いタンメン
創業72年。当初は甘味屋だったことから甘味と中華が混在するこちら。ゴマ油の香り漂うタンメンは澄んだスープに自家製ストレート麺がよく合う。大きな餃子はかぶりつけばジュウッと肉汁がほとばしり、食欲を掻きたてる。
店舗情報
主役じゃないけど忘れられない存在
タンメンが好きだ。“じんわり”心に染みいる、淡い塩味や野菜の甘みが溶け込んだ優しいスープにもうメロメロだ。タンメンを食べ進むうち、単調になってきたらおもむろに用意しておいた餃子を頬張る。フレンチのコースでは口中をさっぱりさせるために口直しが出るが、いうなればこれは逆口直し。餃子が程よいアクセントとなって、タンメンの淡い味を高めてくれる。この鉄板の関係からかタンメンの名店は餃子も旨い。愛好家たちはこれをあたかもひとつのメニューのように、親しみを込めて「タンギョウ」と呼ぶ。
しかしこれだけタンメンを愛しているのに、そういえば正面切って「タンメンが一番」とは言ったことがなかった。ふとなぜだろうと考えてみたが、それはたぶんタンメンが主役になり切れない庶民派だからか。たとえて言えば、いつも隣でニコニコしている幼馴染のあの子のような。そんなタンメンをずっと注文し続けて、いつか店から「タンメンさん」と陰で呼ばれてみたい。いやマジで(笑)。
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