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殻の中に潜むぷっくりとした身は美味しいエキスを蓄える貝。焼く、煮る、もちろん生でと頬張れば、濃厚な旨みがじゅわ~~っとあふれ出て、食欲、お酒もすすみます。 

本場・九十九里から都内、焼きハマから居酒屋と貝の名店、覆面調査隊が実食で集めてきた名店を紹介します。

九十九里町「焼はまぐり 浜茶屋 向島」

九十九里といえば焼ハマグリ! 目の前は海というロケーションで、自らコンロで網焼きする醍醐味。次第に貝汁がじゅわじゅわ言い始め、ハマグリの口がパクリとあく。汁がこぼれないように開いたら、タレを少々……。

浜茶屋 向島
写真左下は金目鯛の煮付といわし重

40年前に浜で先々代がドラム缶で焼いたのが始まりという、まさに“焼ハマ”の代名ともいえる同店は、土日はいつも並ぶほどのにぎわいだ。「九十九里のは旨みが強くて食感がプリプリしている」という本ハマグリはもちろん、白ハマグリこと船橋のホンビノスもいけるし、地元産のホッキ貝、南房総のサザエと、もうガンガン焼くのだ。磯の香りとほどよい潮気、卓からあがる煙もいい感じ。ビールがごきゅごきゅ進むのは言うまでもない。

ふっくらぷりぷりの本ハマグリを自らじゅわじゅわ焼くべし。

高円寺「貝せん」

「 貝の美味しさをなるべく気軽に、リーズナブルに楽しんでほしい」とオープン。そのために、冷凍ものは使わず、時季によっていいものを厳選。常時20種類くらいの貝を入れている。

写真上:貝のごった蒸し/写真左下から、活貝刺身と5種の貝のアヒージョ

「専門店なので定番の貝ほど驚いてほしい」というのもこだわりだ。たとえば人気の「貝のごった蒸し」に入ったハマグリやホンビノス、ムール。いずれもが大きく、ふっくら。心意気がにじんでいる。かと思えばちょっと珍しいスダレ貝も入っていたり。貝汁が合わさったダシがまた最高。ほとんど貝くくりのメニュー。存分に楽しみたい。

上野「貝料理 吟」

日本酒が100種以上ていねいな仕事の貝料理と楽しみたい

まずは名物「貝の籠蒸し」をご覧あれ。日替わりで自慢の新鮮な貝を取り合わせ、豪快に蒸しあげた一品だ。「貝によってそれぞれ最適の時間で蒸し、最後に貝汁を合わせている」から、どれもぷりっとして噛めばじゅわ

写真上:貝の籠蒸し/写真左下から、貝のおまかせ五点盛りと貝そば

っ。蒸すことで旨みが凝縮している。さらにこちらのテーマのひとつが貝と日本酒のペアリング。全国から選んだ名酒が常時100種類以上。あれこれ試して楽しめるというわけ。天ぷらもよし、刺身もよし。丁寧な仕事の貝料理とぜひ合わせたい。

恵比寿「炭福あこや」

貝の名店が贈る貝も肉も楽しめるこだわりの炭火焼き

高円寺『あぶさん』、鶯谷『焼貝うぐいす』、恵比寿『焼き貝あこや』と貝好きを唸らせてきたオーナーが昨年新業態としてオープン。定番の貝料理はもちろん、「貝もお肉も食べたいというお客さんのために」、黒毛和牛や伊達鶏も楽しめる、炭火焼きが特徴の店だ。

写真上:貝ミックス釜飯/写真左下から、焼街3品と厚切り特上タン

「鮮度と下処理が何より大事」という貝料理は、言葉通り、いずれも品よくきれいで味わい深い。名物の生のりがどっさりのる大アサリや、酒盗がのったホッキ貝の焼貝はやはり見逃せない。厳選した特上タンの炭焼きもいい。日本酒で行くかワインか、ああ悩ましい。

神田「貝呑」

「海外の漁師町にあるちょっとしたバル、酒場のイメージですね」と店長の三谷さんが言うように、肩肘張らず、立ち飲みでワイワイ貝料理を楽しめるのがいい。一番人気は、活貝ソテー。アサリ、ムール、小ハマグリなど貝の種類と個数を決めたら、さらに「焦がしバター」「漁師風」などソースを選ぶ。

貝呑神田
活貝の蒸し焼きソテー

洋風の仕立てで、ソースに貝の旨みが絡みビールやワインが進むのだ。料理は「手を加えすぎずにシンプルに」というが、アサリの白ワイン蒸しや貝柱が入ったポテサラやキノコと合わせたソテーなど、いい感じの遊び心が楽しい。

『おとなの週末』2019年6月号より(本情報は発売当時のものです)

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おとなの週末Web編集部
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