常に心にふたりの自分がいる。
ひとりは正義感溢れる白い天使の僕で「残しちゃ駄目だ」と果敢に挑もうとする。でも、もうひとりの僕は黒い悪魔の姿で
「無理無理。諦めて帰ろうぜ」とニヤリとつぶやくのだ。どっちの自分に従うべきか。
かつてはオタクの聖地と言われた秋葉原だが、今ここにはパスタ、丼、肉などなど「これでもか!」的なデカ盛りメニューが数多く存在し、デカ盛りの聖地として話題を集めているのだ。そしてその味、食べ応えについて編集・武内がその体格から実食調査させられることになった。
大正創業の「デカ盛り」に 嘆息が漏れた
まず向かったのは『天ぷらひさご』。大正時代創業の老舗の味は伊達じゃない。継ぎ足しの丼ダレはコク深く、しかし後味軽やかで、天ぷらもご飯も美味しく食べ進む。2店舗目の『さま田』も同様。ご飯にのる角煮カツはサックリ軽やかで、半熟のオムレツ、特製玉ネギソースとともに口に運べば「おぉ」と嘆息が漏れるほどの旨さだ。
しかし“紳士的”とはいえ、どちらも総重量は約1キロ。半分を過ぎたくらいで、お腹がいっぱいになってくる。そんな時だ。僕の心に白と黒、ふたりの自分が出てくるのは。この2店舗では「後でサウナに行こうな」と黒い自分を説き伏せ、どうにか完食に成功。でも苦しいよ。