魚介や米など、食材の高騰にも負けず、渾身の一貫を食べてもらいたいと、続々とオープンする新店。2025年に開店したお店を覆面調査しました。提供の仕方、酢加減など時代を感じさせる店から、真っ当な江戸前まで。まずは今も素晴らしく、そして将来への期待も感じずにはいられない、珠玉の新店を厳選して紹介します。
【2025年・7月開店】薬味で彩る握りとつまみのコース『SUSHI AGORA(アゴラ)』@学芸大学
寿司には自分で選ぶお好みの楽しさもあれば、コースに身を委ねてしまう心地よさもある。駅から伸びる商店街に暖簾を出したばかりのこちらは後者を貫く1軒だ。そのコースというのが17品。
おまかせコース6600円
まずは酢の物などの小鉢で気分が盛り上がったところへ白身やイカなど淡い味わいのネタが握りでやってくる。その後も続くつまみと寿司を織り交ぜた組み立てにすっかり心を絡め取られてしまうのだ。
しかも握りを彩るのは煮切り一辺倒ではない。例えば金目鯛には菊花の醤油漬けで食感と香りを生み、本鮪赤身にはタスマニア産の粒マスタード。どれも味の足し引きの妙があるから寿司としての軸がブレていない。最後の玉子焼きを食べ終える頃にはきっと再訪を誓うことになるはずだ。
店長:福田拓也さん「お酒はお得な飲み放題(+3300円)がおすすめ」
[店名]『SUSHI AGORA(アゴラ)』
[住所]東京都目黒区鷹番2-4-7本間ビル1階
[電話]03-5708-5904
[営業時間]18時〜24時(フード23時、ドリンク23時半LO)
[休日]月(祝は営業し翌火休)
[交通]東急東横線学芸大学駅東口から徒歩4分
【2025年4月開店】コース&入替制が高コスパの秘訣!『築地 鮨 山治』@築地
「お待たせしました」。時間になるとそんな言葉と共に扉が開かれ、集まった客は席へと向かって順番に階段を登って行く。それはどこか観劇の前にも似た高揚感。全員が揃ったところでカウンターの主人・中村さんによるネタ説明の口上が幕開けの合図だ。
気の利いた3種の小鉢で空腹をかわしていると最初にやってきたウニの澄んだ甘みにいきなり心を掴まれた。それに続くは貝にマグロ、白身に光物を揃える寿司が全10種。
山治おまかせコース5500円
仕入れは中村さんが魚の扱いを学んだ同名の卸「山治」から。コース1本に絞って約90分の入替制にするのは食材や時間にロスが少なく、その分ネタの質を上乗せできるからだ。寿司に合わせて用意される日本酒やワインをペアリング(3種・3500円)させつつ寿司劇場を満喫しよう。
店主:中村章さん「お酒の他にティーペアリングも用意しています」
[店名]『築地 鮨 山治』
[住所]東京都中央区築地4-9-11・2階
[電話]03-3547-6050
[営業時間]8時〜17時(15時半LO)
[休日]日・祝
[交通]地下鉄日比谷線築地駅1番出口から徒歩4分
【2025年7月開店】新天地で高みを目指す人気店の新たな挑戦『青山 鮨 いっ誠』@表参道
新店は新店でもこちらは移転リニューアルで新たに出発した人気店。一歩入れば5m超の一枚板カウンターが目を引く清々しい設えで、新天地でより高みを目指す店主、河内さんの静かな決意が伝わってくるようだ。
女将の三千代さんと夫婦二人三脚、掲げた目標は「小さな感動を届けること」。
有言実行、昼はお値打ちランチ、夜はつまみと握りの上質な味で客を喜ばせている。
「はじめコース」は刺身と握りのシンプルな構成ながら充実。
はじめコース(夜)8800円
握りは酢飯に色が付かないよう風味付け程度に赤酢を加え、自慢の穴子はシャリとの間に山椒を入れる技ありの旨さ。
実は日本料理も学んだ河内さんならではのセンスだろう。その真骨頂を楽しむなら和のつまみ付きコースを。まさに小さな感動の連続です。
店主:河内一誠さん、女将さん(ソムリエ):河内三千代さん「新店舗で創業10周年の節目を迎えました」
[店名]『青山 鮨 いっ誠』
[住所]東京都港区北青山3-5-9レイカーズ青山1階
[電話]03-5468-5225
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)、17時半~23時(21時半LO)
[休日]月
[交通]地下鉄半蔵門線ほか表参道駅A3出口から徒歩3分
撮影/浅沼ノア(アゴラ、山治)、小島昇(いっ誠)取材/菜々山いく子(アゴラ、山治)、肥田木奈々(いっ誠)
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
※画像ギャラリーでは、絶品寿司の画像をご覧いただけます
※月刊情報誌『おとなの週末』2026年11月号発売時点の情報です。
■おとなの週末2026年2月号は「50歳からのラーメン」


































