『おとなの週末』はもちろん、ミシュランにも掲載された名古屋を代表するうなぎ店『炭焼 うな富士』。2021年3月にオープンした『天白別邸』は、築104年の古民家をリノベーションした趣あるお店。ゆったり、のんびりと食事ができる話題の最新店へ伺いました。
画像ギャラリー築104年の古民家でゆったりとうなぎを堪能
2019年、ミシュランに掲載された名古屋を代表するうなぎ店『炭焼 うな富士』が今年3月、名古屋市天白区に『炭焼 うな富士 天白別邸』をオープンさせた。昨年9月に東京「日比谷 OKUROJI」に出店した有楽町店に次いで3店舗目となる。
「別邸のオープンは、本店の味を再現できる環境が整って、職人が育ったことにあります。本店で長時間並ぶことが難しい年代の方々にも楽しんでいただこうと思い、出店を決断しました」(広報)とか。
天白別邸は、大正時代に建てられた築104年の古民家をリノベーション。とは言っても、大規模な改修ではなく、最低限に抑えている。懐かしさや風情のある空間を味わえる古民家の魅力をそのまま残しているのだ。
全30席の本店に対して、ここ天白別邸は倍の全62席。コロナ禍というもあって、席の間隔もゆったりとしている。縁側付近の席からは手入れの行き届いた庭を眺めながら食事が楽しめる。
『炭焼 うな富士』が使用するのは、真っ青な色をしていて、尾っぽまで肉付きが良くてやわらかい「青うなぎ」。名古屋のうなぎ店だけに「ひつまぶし」をイメージしがち。しかし、地元の人はあまり注文しない。 肉厚で脂ののり方、旨みを堪能するには、うなぎ丼かうな重がオススメなのだ。中でも青うなぎの大ぶりな肝焼きが同時に楽しめる「肝入りうなぎ丼」は店の名物として知られている。
天白別邸でしか食べられない「お昼限定膳」
天白別邸では本店と同じうなぎ料理が楽しめるほか、昼限定で丼ものやひつまぶしに季節の前菜三種盛りと御刺身三種盛り、茶碗蒸しが付く「お昼限定膳」を用意している。 「小うなぎ丼」を選んだ場合、5000円。「うなぎ丼」は6000円、「上うなぎ丼」または「ひつまぶし」は7000円となる。また、夜限定で6600円(全6品)と8800円(全7品)、11000円(全8品)のコース料理もある。
今回紹介するのは、「うなぎ丼」の「お昼限定膳」。まず、出されたのは、旬の食材を使った季節を感じる前菜三種盛り。内容は日替りだが、この日は「そら豆」(手前)と「うなぎ肝生姜煮」(右)、「山クラゲ金平」(左)。どれも素朴な味わい。
こちらは「御刺身三種盛り」。その日に市場で仕入れた魚介のお造り盛り合わせは「うな富士盛り」(単品は1650円〜)と呼ばれる名物。これを肴にお酒を飲みながらうなぎが焼き上がるのを待つのがツウ。「お昼限定膳」にはほかに茶碗蒸しも付く。
これがメインの「うなぎ丼」。ご覧の通り、うなぎの厚みがハンパない。焦げる寸前まで火を入れてあり、身はふんわりとしている。パリッと香ばしく焼き上げた皮とのコントラストがすばらしい。皮と身の間にある脂はほのかに甘く、口の中でスッと溶ける。 このうなぎの美味しさを引き立てているのが甘さと辛さのバランスを計算し尽くしたタレだ。前菜と刺身でかなりお腹が膨れていたものの、ペロリと平らげてしまった。なお、うなぎ丼には、うざくと蛤のお吸い物、漬物が付く。
天白別邸は地下鉄鶴舞線植田駅または桜通線野並駅から名古屋市営バス「植田11」に乗り、「海老山」バス停から徒歩2分。車の場合、名古屋駅から下道で約45分(無料駐車場26台完備)。 正直、アクセスが良いとは言えないが、都会の喧騒を忘れさせてくれる空間で食すうなぎは格別。時間を作って食べに行く価値は十分ある。
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