東京駅ナカ「グランスタ東京」の必食店(1) 魚介の店編

東京駅がまた美味しくなった。2020年8月に全体開業した改札内の「グランスタ東京」には、飲食店や土産物店など60店舗あまりが集結。しかも人気店の東京駅店がずらりで、「これが駅ナカ?」と驚かされるレベルの高さ。中でもここは必食の価値ありな店を厳選して紹介します。東京駅の使い方が変わる、まさに革命的エリアです。今回は海鮮が美味しいお店をご紹介します。

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改札内にお目見えした博多の人気居酒屋が放つ最高のネタ満載の海鮮丼 『田中田式 海鮮食堂 魚忠』

駅ナカ、しかも改札内で、とんでもない海鮮丼に出合ってしまった!築地や豊洲の専門店だって、これほどの丼を出す店はごくわずかだろう。最高の食材を追い求める博多の超人気居酒屋「田中田」が、その心意気を丸ごと詰め込んで東京駅にやってきた。

魚忠丼(2780円)
生本マグロに、カンパチ、鯛などネタはどれも一級品ばかり。セットには茶碗蒸しや小鉢(この日はとろろ)付き

まずは「魚忠丼」をご覧あれ。切り口も冴え冴えするほどの身の張りや、艶やかなきらめきが、何より旨さの証。ネタは生本マグロの赤身と中落ちに、磯の風味あふれるウニ、ねっとり舌を包むイクラなど、どれも一分の隙もない。

鯛茶漬け膳(1480円)
コリっとするほどの歯応えある身をまずはご飯と一緒に味わいたい。醤油ではなく、胡麻醤油で食すのも博多スタイル
鯛茶漬け膳(1480円)
熱々のダシを注げば、身はふんわり、ホロっとした優しい口当たりに。鯛の旨みがじんわりダシに溶け込んでいる

鯛茶漬け」は、新鮮な歯応えを重視し、仲卸で締めたばかりのピチピチが1日2便で届くという。もはや通過点ではなくここが目的地。さあ、ご馳走を食べに東京駅に行こう!

朝定食(880円)
これぞ正統派の日本の朝ご飯! メインと小鉢を1種類ずつ選べ、写真は焼き鮭と納豆をチョイス。11時まで注文可
『魚忠』外観
住所:改札内地下1階グランスタ東京内
TEL:03-6206-3012
営業時間:8時~22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝8時~21時半(21時LO)
定休日:施設に準ずる
交通:グランスタ地下北口から徒歩1分

 

『魚忠』内観

天然物を超える味 近大の養殖研究その成果に舌鼓 『近畿大学 水産研究所 はなれ』

“ 海を耕せ!”今からおよそ70年前の戦後直後、水産資源の枯渇を憂いた近畿大学初代総長・世耕弘一氏の言葉だそうな。以来、近畿大学は養殖研究に邁進し、世界に先駆けて人工ふ化と稚魚の生育に成功した魚は現在18種以上にも及ぶという。冒頭から小難しい話になってしまったが、そんなことを頭の片隅に置きながら食べれば、さらに美味しさが増すでしょう?

近大バラちらし寿司(1650円)
さいの目にカットした、マグロ、真鯛、シマアジをたっぷりの薬味とともに、香り高く味わう。シマアジの歯応えや、広がるコクがたまらない
近大紅白手桶寿司(2200円)
こちらも前述の3種の魚の切り身を盛り付けている。いずれも冷凍せず生の状態で届くため、身の弾力も抜群だ。ご飯は近大農学部監修の技術で精米した米を使用し、赤酢で風味豊かに仕上げている。セットにはその時々の小鉢、お新香、近大マグロの中骨エキス入りのあおさの味噌汁付き

さて、こちらは冷凍せず生のまま届けられるマグロに、真鯛、シマアジを散りばめた丼ものがメイン。もちろん、みんな近大生まれ。キメ細やかなマグロの身質に、臭みのない鯛に、そして脂ののったシマアジの旨みに、研究所の本気度がビシビシと伝わってくる。そして天然物を超えるその味に感服するはずだ。

近大“選べる”ちょい飲みセット(1200円)
生ビールor角ハイボールに、ネギトロ巻き(写真)orマグロの刺身、その日の小鉢が付くセット。たっぷり巻かれたネギトロは脂の口どけよく、あっさりとした味わいを楽しめる
フタには『近畿大学 水産研究所』の文字が。
『近畿大学 水産研究所 はなれ』外観
住所:改札内1階グランスタ東京内
TEL:03-6259-1096
営業時間:10時~22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝日10時~21時半(21時LO)
定休日:施設に準ずる
交通:丸の内中央口から徒歩2分

 

『近畿大学 水産研究所 はなれ』内観

天然本まぐろに福井の幸 ふらっと立ち寄れるごちそう江戸前寿司 『天然本まぐろ ありそ鮨し』

旅に出る時、帰る時、ちょっと寿司をつまみたい。気軽な回転や立ち食いって手もあるけれど、せっかくなら……。そんな時はこの真っ白な暖簾をくぐるべし!元は福井で江戸末期から続く料理旅館「荒ありそ磯亭」(現在は移店改装のため休業中)。長年培ってきた仕入れのツテと目利きは寿司でもしかと発揮されている。

まぐろ三種(1760円)
アイルランド沖の天然本まぐろの大トロ、中トロ、赤身の3種盛り。味も風味も濃く抜群の旨さ!

看板は店名通りの天然本まぐろで、店内に設置した専用の熟成庫に入れて寝かせること3~4日。赤酢のシャリで握ったそれを頬張れば、香り、コク、旨みがどこまでも濃く、奥深い。

お決まり四の皿(1430円)
この日は天然本マグロのネギトロ軍艦、活穴子、コハダ、目鯛の4貫。仕入れによってネタは変わる。セットには岩のりの味噌汁付き。店で使用するネタは全て天然物に限定している

お決まりは一の皿から五の皿まで、それぞれ4貫ずつの小セット。これが小腹満たしに、酒の〆に、お好みを追加して、と自由度高めで、いろんな人が行き交う駅って場所にぴったりマッチする。

活真たこのブツ切り(748円)
ダシで表面のみ火を通し、レアな歯応えの後からやってくる芳醇な甘みがたまらない。塩とスダチでタコの風味を味わいたい
画像右:甘鯛(638円)
画像中央:がさ海老(748円)
画像左:甘海老(462円)
三国漁港から届く海の幸もメニューに並ぶ。東京では珍しい「がさ海老」は甘みが強く、吸い付くような舌触りだ
『ありそ鮨し』内観
職人が目の前で握ってくれるカウンターのほか、テーブル席もあり。ゆったりとくつろげる雰囲気だ
住所:改札内1階グランスタ東京内
TEL:03-6268-0890
営業時間:8時~22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝日8時~21時半(21時LO)
定休日:施設に準ずる
交通:丸の内中央口から徒歩3分

 


『ありそ鮨し』外観

東京駅に集結した全国各地の魚介を気軽に立ち飲みで堪能 『海鮮居酒屋 羽田市場』

こういう立ち飲み、ぐっと来るんだよなあ。旨い魚を肴にちょっと1杯引っかける。その旨い魚ってのが、全国の漁師から羽田空港を拠点にした空輸や新幹線、高速バスで届いたオール国産品。それを使った、あら煮、なめろう、アジフライなどなど、酒飲み心に火をつけるつまみが盛りだくさんだ。

画像上:本日のあら煮(750円)
画像下:漁師のなめろう(480円)
この日はブリと鯛のアラで、こっくり濃厚な味付けが日本酒にも焼酎にもピッタリだ。なめろうはアジを中心に白身魚など複数の魚が入り、それぞれの食感も楽しめる 
画像上:手作りあじフライ(480円)
画像下:かき湯豆腐(880円)
湯豆腐は牡蠣の風味や旨みがしっかり豆腐に沁みている。この時期にうれしい熱々だ。あじフライはというと衣はサクッと、身はふんわりの王道の旨さ。やはりビールのお供はコレに決まり

さらに見逃せないのが月替わりで行う地域別のフェアで、この12月は海鮮の宝庫・北海道。「するめいか姿ソーメン イカゴロ付き」(1200円)に、「たこイカホルモン炒め」(780円)などが期間限定でオンメニュー。1杯のつもりが、ついつい長っ尻になってしまうのも仕方ない。昼はこれまた上質な「天然まぐろ丼」をはじめとした、魚主体の定食でお腹をきっちり満たしてくれる。

天然まぐろ丼(1480円)(昼は1380円)
醤油ではなく胡麻ダレと合わせており、マグロの力強い風味を引き立てる。半分はそのまま、残りの半分は昆布ダシをかけて、お茶漬け風に食すのもおすすめ
昼は椅子を設置するので、座って食事を楽しめる。もちろん、昼飲みも可能だ
『羽田市場』外観
住所:改札内地下1階グランスタ東京内
TEL:03-5218-6911
営業時間:11時~22時(21時半LO)、日・連休最終日の祝日11時~21時半(21時LO)
定休日:施設に準ずる
交通:グランスタ地下北口から徒歩1分

 

『羽田市場』内観

 

撮影/鵜澤昭彦(魚忠・はなれ)、大西尚明 取材/菜々山いく子
※店のデータは、2021年1月号発売時点の情報です。

 

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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