ティモンディ前田裕太の“おとな”入門

【ティモンディ前田裕太の“おとな”入門】第6回 「食」編(5)大好物を通して見えてきた、大人にとっての「食事」の意義

お笑いコンビ「ティモンディ」前田裕太さんの、「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げた連載コラム。30代を目前にした前田さんが「大人」を目指して過ごす日々を、食・趣味・仕事など様々な視点で綴ってくださいます。連載は、第1・3木曜日に更新です。「(理想の)大人ってなんだろう?」を一緒に考えながら、前田さんの成長を見守りましょう! 今回は、「食編」の5回目です。前田さんの大好物は、イカ。そんな愛してやまない食べ物を通して見えてきたのは、「食事」が大人の人生にもたらす大きな意義なのでした。

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イカよ、家族になってくれ

私は、イカが好きだ。

淡白であり、かつ甘い濃厚な味は他に類を見ない。
この世にそんな食べ物がイカ以外あるだろうか。
いや、存在しない。

対抗馬として蛸が挙げられるが、あれは全くの別物。蛸の方が柔らかい肉質、加熱をすればプリプリになるけれど、あのイカのような粘度のある甘みは感じられない。

唯一無二なり。

生で良し、乾燥させて良し、揚げて良し、煮て良しの究極の食材。
それがイカ。

生は尚良い。
私は刺身にして生姜醤油につけて食べるのが好きだ。家にいる時に、どうしてもイカが食べたくなってしまった時のために、1杯以上は常に冷凍庫にストックしていて、いつでも解凍して捌ける状態にしている。

どんな時でも側にいて欲しいのだ。きっと、これが愛なのだろう。家族にしたいくらいだよ

月に一度は口にしないと禁断症状が起きるまでになってしまった。

寿司を相方と食べに行ったら、注文した寿司が皿に乗って出てきた時に、私の頼んだイカの割合が高すぎて、「しっろ」と皿の上に乗る大量のイカ寿司に対して、相方が驚愕していたことがある。

けれど、他人に驚かれたり引かれたとしても、旨いものなのだから仕方がない。

このイカの白さは純白の白。

少しでも白いものを体内に摂取して心の汚れを白で塗り潰そうと本能的に感じていて、脳が美味しく感じるようになってしまっているのかもしれない。

ここまでイカを愛していると、より新鮮なものを食べたいと思ってしまうのが、欲深い人間という生き物。

いつかは函館に行って、活イカを食すのが今の目標である。おそらく冷たい海を生き抜いているイカは身が締まっていて日本で一番美味しいに違いない。

イカ、それは人生の目標であり喜びなのだ

衣食住という言葉があるように、人間が生きる上で、食事の占める割合は非常に高いらしい。

確かに、グルメサイトは常に賑わっているし、テレビをつけても、どこの店が旨いだのやっている。需要があるから放送しているということは、大人は食を求めているのだろう。

であるならば、人生に対して食事を通じて自分の力で喜びを見出せるのが、大人なのかもしれない

だとしたら、私はこのイカという食材と出会えた時点で、大人になれていると言っても良いだろう。

日本で口にする食事のほとんどは味のクオリティが保証されていて、不味いものに出会ったこともない。

だから、これが食べたい!と声を大にして他人に言ったことはないけれど、イカに関しては、昼夜問わずに食べたい。

活イカ刺しが今の目標の1つになっているくらいなのだから、食事に対して人生の喜びを見出せていると言えるだろう。

ってか、イカが人生の喜びってまとめると、なんて儚い人生を送っている大人なのだろうと自分のことを思うけれど。

もう少し、色々な側面から人生を豊かにして、より厚みのある大人になりたい。

前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で披露した絵の実力も話題になるなどマルチな活動で注目を浴びている。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディベースボールTV』は登録者数25万人超え。

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