【答え】 (1)約1.3kg 1カ月を30日とすると、1カ月でスイーツから摂取するエネルギーは300[kcal]×30=9000[kcal] 脂肪のエネルギーは1gあたり9kcalなので、このエネルギーに相当する脂肪の量…
【問題】
太る心配、健康の心配さえなければ、「思う存分スイーツを食べてみたい!」と思う女性は多いかもしれません。
もし毎日スイーツを食べ続けたとしたら、1ヵ月でどれぐらい太るのでしょうか?
試しに計算してみましょう。
あるカフェでは、ドーナツ、シフォンケーキ、ガトーショコラなどのスイーツを提供していますが、そのカロリーはおおよそ300kcal前後です。(参考[1])
体重をなんとかキープしている女性が、いつもの食事に加えて、毎日300kcalのスイーツを余分に食べたとすると、1ヵ月で体重は何kg増えるでしょうか?
ただしスイーツで摂取したエネルギーがすべて体脂肪に変わり、その分体重が増加するものと仮定します。
(1)約1.3kg
(2)約2.6kg
(3)約3.9kg
答えは次のページ!
【答え】
(1)約1.3kg
1カ月を30日とすると、1カ月でスイーツから摂取するエネルギーは
300[kcal]×30=9000[kcal]
脂肪のエネルギーは1gあたり9kcalなので、このエネルギーに相当する脂肪の量は
9000[kcal]÷9[kcal/g]=1000[g]=1[kg]
ただしこの脂肪分はそのまま身体に付くわけではなく、「脂肪細胞」の中に蓄えらます。
脂肪細胞には水分やほかの物質が2割ほど含まれており、純粋な脂質は約8割です。したがって1kgの脂質を含む脂肪細胞の量は
1[kg]÷0.8=1.25[kg]
つまり、1ヵ月後には約1.3kg体重が増えることになります。
1.3kgというと、たいしたことはないように思われるかもしれません。実際、食べる量を減らしたり、汗を大量にかいたりすると、その程度の体重減少はよく見られます。しかし、その減少分は、ほとんどが水分や排泄物です。その分を摂取すれば、すぐに体重は元に戻ります。
一方、1.3kgの脂肪を落とすには、それだけのエネルギーを消費しなければならないので、大変なのです。体重の増減だけに惑わされてはいけません。
ちなみに脂肪が1.3kg増えると、見た目にはどのような変化が見られるのでしょうか?
体脂肪の密度は0.90g/立方cm(参考[2])なので、1.25kgの脂肪の体積は
1250[g]÷0.90[g/立方cm]≒1400[立方cm]
これはなんと500mlのペットボトル約3本分です。
ウエスト80cmの人の場合、もしこれだけの脂肪が、胴回りの上下15cmの範囲に全部ついたとすると、脂肪の厚みは次のように計算されます。
1400[立方cm]÷(80[cm]×15[cm])≒1.2[cm]
つまり1.2cmもの厚さの脂肪がついてしまうことになります。
ただし、以上はあくまでさまざまな仮定に基づくシミュレーションです。摂取したエネルギーのうち一部は排出されますし、吸収されたエネルギーがすべて脂肪に変わるわけでもありません。
また、脂肪が身体の一部だけにつくということはなく、目に見えない内臓脂肪にもなります。
したがって数値はあくまでも一つの目安としてお考え下さい。
体重管理に大事な「カロリー」の概念
カロリーとは何?
人間は食べ物・飲み物からエネルギーを摂取し、そのエネルギーを使って生命を維持したりさまざまな活動を行ったりしています。これらのエネルギーの量を表す単位が「cal(カロリー)」です。
1calは、1ml(1cc)の水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギーです。
「cal」で表すと数字が大きくなるため、通常は「kcal」(キロカロリー)が使われます。
1kcalとは1000calのことで、1リットルの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギーです。
「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスが大事
食べた物から得たエネルギーの量を「摂取カロリー」、生命の維持やさまざまな活動に使ったエネルギーの量を「消費カロリー」と言います。健康維持には、「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスが大事です。
ごく大雑把に言うと、摂取カロリーが消費カロリーより大きいと、余ったエネルギーは脂肪として体内に蓄えられます。逆に消費カロリーが摂取カロリーよりも大きいと、不足したエネルギーを補うために、脂肪が分解されます。
したがって肥満気味の方が脂肪を減らすためには、消費カロリーが摂取カロリーを上回るようにすることが基本となります。
摂取カロリー < 消費カロリー
摂取カロリーを減らすには、食べる量を減らす、カロリーの高い食べ物を避ける、食べ方を工夫するなどの方法があります。また、消費カロリーを増やすには、運動をすることが大事です。
ただし運動には有酸素運動と無酸素運動があり、どのような運動をするかによって効果も変わってきます。基礎代謝を上げ、太りにくい身体を作ることも大事です。
正しくダイエットを行い、スリムで健康な身体を作っていく上では、カロリーとともに栄養素について考えることも必要です。それらについても今後問題として取り上げていく予定です。
出題:三井能力開発研究所 代表取締役 圓岡太治
(参考)
[1]エネルギー・アレルゲン・原料原産地情報(スターバックス・コーヒー・ジャパン)
https://www.starbucks.co.jp/allergy/
[2]身体組成の評価(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000656488.pdf