仙台の酒場に新風を巻き起こす! 男メシに酒が進む横丁の立ち飲み店

宮城・仙台の酒場に新風を巻き起こす! 男メシに酒が進む横丁の立ち飲み店

宮城・仙台の酒場に新風を巻き起こす! 男メシに酒が進む横丁の立ち飲み店

コロナ禍にオープンしたにもかかわらず、仙台ののんべえ達から支持されにぎわっている立ち飲み店がある。しかも、立ち飲みの営業前にサンドイッチを販売し、そちらもSNSをにぎわせているらしい。どんな店なのかを探ってみた。

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女性や立ち飲みデビューにも安心なとっつきやすさ

SNSやグルメレビューサイトで仙台市内の飲食店を調べていた時、やたらと目につく店があった。それが『スタンドオオトモ』だ。ネット情報によれば、地元である仙台にUターンした兄弟が切り盛りする、壱弐参(いろは)横丁内の立ち飲み店

壱弐参(いろは)横丁は、戦後の復興期、中央公設市場としてスタート。それから約70年、今でも75軒の飲食店が立ち並ぶ。その中で、『スタンドオオトモ』「安くて旨い」「コスパ最高」「女性でも入りやすい」などなど、高評価なクチコミが並ぶ

「2021年5月にオープンしたので、この店はコロナじゃない時期を知らないんですよ」と、笑いながら語ってくれた兄で店主の大友肇さん。関東で会社員をしていた時に川崎や横浜・野毛などを飲み歩き、ディープな酒場の文化に心酔し、「いつか地元で、自分たちが行きたいと思う店を」の夢をかなえた。開業するにあたり、大友さんがこだわった立地条件は横丁内であること

「うちで飲んだあとに違うジャンルの店に行って雰囲気を変えるとか、横丁はハシゴが楽しめますからね」。

昭和の薫り漂う横丁内で、もしかして“映え”を意識している? と思わしきインテリアが気になる。

「店の前のベンチや店内のネオンライトのことですか? 僕が派手なのが好きなだけで、映えも女子ウケも全く意識してません! フタを開けてみたら女性のお客さんが多くて、逆に驚いてるくらいです」

横丁には屋根がかかっていて少々暗いため、とにかく明るくクリアな店にしたかったと語る。ちょっとレトロで大きなガラス戸は、女性おひとり様や一見さんでも入りやすい雰囲気作りにひと役買っているようだ。

ポップなのれんと、ミントグリーンのベンチが目印

グビグビ酒が進むパンチのあるメニュー揃い

『スタンドオオトモ』のメニューは、おすすめや限定メニューを入れると50~90品。定番の価格帯は90~590円と、前情報どおり懐にやさしい。

長年飲食業に携わってきた弟の薫さんが厨房を仕切っているのだが、提供するメニューでも一貫してるのは「自分たちが食べたい物」だということ。素材の持ち味を生かしたあっさりとした味わいというよりは、ガツンと男気を感じる料理が多い

「やっぱり『自分たちが行きたくなるような店』という思いが根底にあるので、メニューもそれを軸に足し引きしたという感じです」。

それでは、オーダー率の高い定番3品をご紹介。

こんもりと盛られたポテトサラダにマヨネーズをウニッとひと絞りした「ポテサラ(オニオン)」(330円)は、カロリー完全無視の1品。仕上げに振りかけられたフライドオニオンが香ばしく、スライスされたゆで卵は味付け卵だという点も心憎い。

「ポテサラ(オニオン)」(330円)。仕上げのトッピングは、チーズ、カレー、ガーリック、オニオンから選べる

こちらは、フライパンで炙った牛モモ肉を使った「牛ローストユッケ」(390円)。香ばしさをまとったモモ肉は、噛みしめるたびに赤身の旨さが感じられる。ユッケと聞くと甘い味付けを連想するが、こちらはゴマ油と塩でシンプルに。ギュッと絞ったレモンが全体を引き締めている。

「牛ローストユッケ」(390円)。気になるメニューが豊富な店では、ちょうどなサイズがうれしい

「チャーシューエッグ」もイケナイ系メニューの筆頭。計4時間半、2回の下ゆでで臭みを除いた豚バラでチャーシューを仕込み、注文を受けてからタレを絡めて香ばしさを出す。半熟目玉焼きの黄身を絡めてもよし、マヨネーズをつけてもよし。タレが染みたキャベツがまた旨いって、どんだけ酒を飲ませるつもりなのか。

「チャーシューエッグ」(390円)。主役に隠れているが、千切りキャベツがいい箸休めに

品書きの中には「マヨネーズ(野菜スティック付)」なんて二度見必至のメニューや、野毛の有名店の名物をスタンドオオトモ流にアレンジした「パタン」という麺メニューもある。

アルコールはビール、日本酒、焼酎のほか「しそ」(390円)をはじめ、17種類ものチューハイやサングリアなどを常備する充実ぶりだ。焼酎で作った氷が浮かぶ「氷結酒」というお酒も人気だが、1人3杯までと限定されるほどキケンなので、挑む方はくれぐれもお気をつけて!

「チューハイ しそ」(390円)。薬瓶のような焼酎がかわいい

実は二毛作! ランチは「ハサミヤ」として営業

開業当初から二毛作営業に興味があったという大友さん。2021年8月からは『ハサミヤオオトモ』(火~金の10時~13時30分、祝日はお休み)ののれんを下げ、サンドイッチを販売している。

定番8種に、月替わり限定1種を加えた9種類のラインナップ。定番のタマゴにコショウを効かせた「ペッパータマゴ」、エスニックなチキンを挟んだ「トムヤムクンチキン」など、ひとクセ加えた具材がクチコミで広がり、市内で働く女性や手土産にと人気を博している。

ランダムに3種類がセットになった「ミックスサンド」(500円)。(手前から)「ペッパータマゴ」「タマゴ入りカツサンド」「ほぐしチャーシューに目玉焼き」 ※テイクアウトのみ、イートイン不可

酒場の雰囲気が大好きで、時には大阪まで遠征し、現在は東北を少しずつ攻略しているという大友兄弟。各地の酒場で刺激され、どんな飲みの文化を宮城に持ち帰り発信してくれるのか、今後も楽しみだ。

折り畳み式のイス(200円)も貸し出している

■スタンドオオトモ
[住所] 宮城県仙台市青葉区一番町2-3-28 壱弐参横丁内
[電話番号] 080-9631-0103
[営業時間]14時〜22時頃※土・日・祝は12時~22時頃
[収容人数]15人程度
[定休日]月
[交通] 仙台市営地下鉄東西線青葉通一番町駅南1出口から徒歩3分、JR東北本線ほか仙台駅西出口1から徒歩15分

取材・撮影/阿部真奈美

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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