人間関係をもこじれさせる、「連絡」への価値観の相違 この間、仕事の関係で連絡先を交換することになったのだけれど、その時にラインの弊害が頭をよぎり、いつもならラインのIDを送るところ、「メールアドレス教えますね」と伝えた。…
画像ギャラリーお笑いコンビ「ティモンディ」前田裕太さんの、「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げた連載コラム。30代を目前にした前田さんが「大人」を目指して過ごす日々を、食・趣味・仕事など様々な視点で綴ってくださいます。連載は、第1・3木曜日に更新です。「(理想の)大人ってなんだろう?」を一緒に考えながら、前田さんの成長を見守りましょう!
今回は、「人付き合い」編の第4回。電話にラインにSNSのDM…かなり連絡手段が増えた今の時代、その価値観の違いは、時に人間関係をややこしくしてしまうもの。前田さんも、便利すぎるが故の不自由さに悩まされているようです。
携帯への着信は無視してもOKですよね?
私は、他人と連絡を取り合うのが苦手だ。
携帯に電話がかかってきたら、大体は一回無視するし。
まあ2回かかってきたとしても無視する。
3回連続でかかってきたら、流石に何か緊急のことがあったかなと思って電話を取るけれど、基本的には、出ない。
大人としてどうなんだ、かかってきたなら取れよ!と思う読者諸兄姉もいるかもしれない。
けれど、私からしてみれば電話なんてものは、かける人の方が気が知れない。何故、世の中には、いきなり相手に電話をかけるなんて蛮行を平然とできる人間がいるのだろうか。
スマホに”着信”と表示されるたびに、いや、一方的に相手の都合の良いタイミングで電話をかけて来られても!こっちには誰かと会話する心の準備が出来てないから!と思う。
何故、「今電話かけても大丈夫?」の一言が言えないのだろうか。
唐突に電話をかけてくるなんて、アポもとっていないのに、いきなり家の玄関まで押しかけて、インターホンを鳴らしているようなものではないか。
予告なしに、いきなり小テストを課す国語の先生のように理不尽だし、気を抜いてたら唐突に小型犬に吠えられた時のように心臓に悪い。
ムカつくので例えが流暢に出てきちゃうじゃないの。
きっと、そういう類いの人間は、逆の立場になった時、いつ電話をかけて来られても精神的に平気なのだろう。
そんな人といくら連絡を取り合っても分かり合える気がしない。
急用なら別だけれど、電話に出たとしても「今なにしてる?」とか「ご飯行こうよ」とかで、差し迫った用事だった試しがないし。
返信が自分のタイミングで出来るラインというツールがあるのだから、それで用事を伝えてもらいたいものだ。
ってか、ラインでいいだろ。
着信をスルーしても、大体が、電話の後に「〜という理由で電話をかけたんだけど」とラインがくるので、それを確認した上で連絡した方が良さそうならこっちから電話をかけるし、基本的にかかってきた電話は無視しても構わない、という認識になってしまっている。
もしもの時があった場合は良くない気もするけれど、これは、普段差し迫った連絡をしてこないみんなが悪い。
気楽に電話をかける人達が、こんな電話無視モンスターを産んだのだ。
ラインにおける「無視」とは…?
ただ、じゃあ電話ではなく、ラインだったら100%良いのかと言われると、手放しに良いとも言えない。
なんだか既読をつけたらすぐに返信しなければいけない風潮あるでしょう。メッセージを確認したなら、すぐに返事しろってか?
返信だって、自分のタイミングでさせてくれよって話。
だから、返信する気がない時は、ラインに送られてきたメッセージすら読まない、って手段をとるしかない。いわゆる、未読無視ってやつ。
返事保留も許されないなんて、連絡の取り合いが億劫になっても然るべきじゃないか。
電話と違って自分のタイミングで確認できるけれど、結局読んだら返信しないと無視になってしまうって、おかしくない?
いや、まあ無視は実際にしているんだけれど。ただ、タイミングは自分で決めさせて欲しい。
だから、手紙かメールがいい。
みんな、原点回帰して、メールで連絡を取り合おうよ。一回、ラインの存在忘れてさ。絶対それがいい。
人間関係をもこじれさせる、「連絡」への価値観の相違
この間、仕事の関係で連絡先を交換することになったのだけれど、その時にラインの弊害が頭をよぎり、いつもならラインのIDを送るところ、「メールアドレス教えますね」と伝えた。
すると、そのディレクターさんは、「ラインってやってないんですか?」と聞いてきたのだ。
「やってますけど」と答えると、少し変な空気が流れた。
なんだか、前田はラインは気を許した相手にしか連絡先として教えなくて、そうではない人間にはメールアドレスを教えるのではないか、という邪推をさせてしまった感じがあった。
ただ、ラインが面倒なだけなのだけれど。
ラインだって電話できるし。
「じゃあライン交換しましょうか」と渋々、ラインを交換するに至ったが、みんなはノンストレスでラインでやり取りできているのだろうか。
そもそもコミュニケーションなんて直接会った時に取ればいいし、携帯をポチポチして連絡を取り合わないと仲良くなれない相手なのであれば、私はそんな相手と仲良くならなくていい。
今の時代、携帯はポチポチしないか。
なんだか、連絡を取り合うのが億劫というだけで、まだまだ自分のことを子供だなあ、と思う。
早く、連絡を取り合うことを億劫に思わない大人になりたいものだ。
前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。
ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約25万人。