牛乳“替わり”で大注目! 豆乳やオーツなど栄養士が解説する「植物性ミルク」の特長&メリットとは?

王道の豆乳はタンパク質豊富で栄養価も牛乳に近い! ◆豆乳(ソイミルク)/タンパク質が豊富。貧血、疲労対策、美肌づくりにも原材料:大豆味:やや大豆の風味があるが、あっさり 栄養面でのメリットは、糖質・脂質が控えめであること…

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オートミールの流行と合わせて「植物性ミルク」人気も急上昇。

コンビニやスーパーでは、豆乳のほか、オーツミルク、ライスミルク、アーモンドミルク、ココナッツミルクなどたくさんの植物性ミルクがズラリと並び、スターバックスを筆頭とするコーヒーチェーンでも数種類の植物性ミルクが登場、カスタムを楽しむ人が増えています。

しかし、なんとなくカラダに良さそうな印象がある一方で、「美味しいの?」、「どれを選べばいいかわからない」、「どんな効果があるの?」という声もチラホラ。

そこで、どんな種類があるの? どんな味? 栄養価は? 牛乳との違いは? など話題の植物性ミルクについて知らなきゃ損することを栄養士の筆者がまとめて解説。自分に合うもの、好みの味を見つけて、日々の健康づくりに役立てませんか?

文/藤岡操(フードコーディネーター・栄養士)、メイン写真/matka_Wariatka-Stock.Adobe.com

オーツミルクはカルシウムも牛乳と同じく豊富!

いま最注目といっても過言ではないオーツミルク。スターバックスでも新作ラテが発売されるなど豆乳に匹敵する存在感に(Photo/kikisora-Stock.Adobe.com)

◆オーツミルク/カルシウム補給、コレステロール対策に!
原材料:オーツ麦(燕麦)
味:クリーミーでドリンクに取り入れやすい

オートミールと同じオーツ麦が原材料です。食物繊維が豊富で、腸内環境改善、コレステロール値低下に有効。牛乳と同じくらいのカルシウムを含みます。牛乳よりも脂質が少なくカロリーが低いので、ダイエットにもおすすめ。また、ヴィーガンが不足しがちなビタミンB12を含むので、動物性食品を制限している場合の貧血対策にも役立ちます。

ただし、牛乳に比べてタンパク質が少なく、鉄はゼロ。運動後の栄養補給にはおすすめできません。

「抗酸化力」が光るアーモンドミルク

同じく植物性ミルクのなかでメジャーなアーモンドミルク。独特な風味も特長だが、低カロリーである点も嬉しい(Photo/k-AdobeStock.com)

◆アーモンドミルク/抗酸化力大! 美容、ダイエットに
原材料:アーモンド
味:アーモンドらしい香ばしい風味があり、後味はスッキリ

カロリーは牛乳の半分以下で、強い抗酸化作用のあるビタミンEが豊富でコレステロールゼロ。血液サラサラ作用や美容、ダイエットにぴったりです。

ただし、牛乳に比べてタンパク質が少なく、カルシウムはゼロ。甘味が添加されている商品が多いので、牛乳代わりに飲むというより、ビタミンEの強化を目的に飲むといいでしょう。

注目高まる4つの植物性ミルク! 特徴や栄養価は?

◆ライスミルク/糖質多め……でも腸内環境改善に◎
原材料:米または玄米
味:あっさりとした自然な甘み。発酵タイプのものは独特の風味でミルクっぽくない

米と水を混ぜ合わせたもの、米粉に水を加えたもの、米を発酵させたものがあります。
発酵タイプのものは、米が分解されてできるオリゴ糖を含み、腸内環境改善に働くのがメリット。また、玄米が原材料のものは、食物繊維が豊富でビタミンB群を含んでいるので、代謝アップ、ダイエットにおすすめです。

牛乳より脂質が少なく、カロリーも低く、コレステロールゼロですが、糖質が多めなので、糖質太りが気になる人は控えめに。タンパク質、カルシウム、鉄が少ないので、牛乳代わりの栄養補給には向きません。

◆ココナッツミルク/免疫力UP、運動前の補給で脂肪燃焼促進!
原材料:ココナッツ
味:ココナッツの風味が強く、甘くないのに甘いような感覚

カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラルが豊富。含まれる中鎖脂肪酸(MCT)は脂肪燃焼を高めるため、運動前に取り入れるのがおすすめです。また、主成分のラウリン酸は免疫力アップに貢献。風邪が流行る季節や、疲労やストレスが溜まりやすい人は、継続して取り入れることで効果を得られます。

デメリットは、脂質が多く、牛乳よりカロリーが高いこと。タンパク質が少ないこと。運動をせずにたくさん飲むと、体脂肪増加につながるので注意しましょう。

◆ウォールナッツミルク/高血圧、コレステロール対策に!
原材料:くるみ
味:あっさりしていて、くるみの味がする

オメガ3脂肪酸が豊富で、血中の中性脂肪や悪玉コレステロール減、疲労回復に有効。また、α-リノレン酸を含むので、高血圧対策に有効とされています。

無添加のものは糖質が少なく、ダイエットにもおすすめですが、甘味料などが添加されている場合は取りすぎ注意。タンパク質が少なく、カルシウム、鉄が少ないので、バランスのよい食事を取ったうえで、取り入れましょう。

◆マカダミアミルク/生活習慣病予防に!
原材料:マカダミアナッツ
味:香ばしいナッツ感があり、あっさりまろやか

強い抗酸化作用のあるビタミンEを含み、血液サラサラ、アンチエイジングに効果的。マカダミアナッツの脂質の成分、パルミトレイン酸は高血糖、高血圧対策に有効。食物繊維も含まれているので、腸内環境改善にも役立ちます。つまり、生活習慣病全般の予防にぴったり。

無添加のものは糖質が少なく、カロリー控えめですが、タンパク質、カルシウム、鉄が少ないので、バランスのよい食事をベースに、プラスαとして取り入れましょう。

王道の豆乳はタンパク質豊富で栄養価も牛乳に近い!

植物性ミルクの王道として長年親しまれてきた豆乳。豊富な栄養価はもちろん、牛乳を飲めない人々を支える選択肢として日本の食卓を支えてきた(Photo/k-AdobeStock.com)

◆豆乳(ソイミルク)/タンパク質が豊富。貧血、疲労対策、美肌づくりにも
原材料:大豆
味:やや大豆の風味があるが、あっさり

栄養面でのメリットは、糖質・脂質が控えめであること、そして植物性ミルクの中では栄養価が最も牛乳に近く、タンパク質が豊富であることが上げられます。

また、牛乳の約60倍の鉄を含むため、貧血、疲労対策に◎。貧血は女性の悩みだと思われがちですが、男性の隠れ貧血も珍しくありません。疲れやすいと感じる人は鉄不足の可能性があるので、豆乳で補給するのもおすすめです。

他にも、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを含み、骨粗しょう症対策や美肌づくりに有効で、大豆タンパク質、サポニンなどが、コレステロール値低下に作用するなど、健康増進に役立ちます。豆乳が世界中で長く親しまれている理由がわかりますね。

ただし、調整豆乳や豆乳飲料は加糖されていることが多いので、飲み過ぎには注意しましょう。

◆  ◆  ◆

植物性ミルクの味や栄養のことを知ると、試してみたくなりますね。

選ぶ際は、パッケージの原材料や栄養成分をチェックすることが大切。なかには、嗜好性を高めるために甘味料や油脂がたくさん添加されているものもあるので、ダイエットのつもりが高カロリーのドリンクを飲んでいた……ということも。

逆に、不足しがちなカルシウムやビタミンDなどのミネラルが添加されていることもあるので、商品の内容をチェックすることが大切です。

植物性ミルクの取り入れ方は、自由自在。朝食のシリアルに加えたり、ドリンクにプラスしてアレンジしたり、料理に取り入れることも可能。自分に合う、新定番が見つかれば、栄養補助やバランスアップに役立つこと間違いなしです。

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