料理研究家・リュウジの酒場深求記

リュウジの酒場探求記・おとなの週末編(7)白濁スープの「鶏そば」が飲み屋とは思えないクオリティ 浅草橋の鶏料理居酒屋でファンになった一杯の味

居酒屋ラーメンの想像を超えた味とは? TORIBIANには結構な頻度で通っているんだけど、毎回楽しみにしているのが「鶏そば」(850円)。この一杯のために、足を運んでほしいぐらい。白濁したスープはかなりこってりクリーミィ…

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斬新な調理スタイルの「バズレシピ」や「至高のレシピ」で話題のリュウジさんは、お酒を飲みながら料理をするというYouTube動画が人気の料理研究家です。レシピの公開だけでなく、Twitter「リュウジの酒場探求記」では気になる飲食店の紹介も。SNSなどの総フォロワー数が760万人以上という「料理のお兄さん」が、感性の赴くままに歩いて街で見つけた「自分史上最高にウマくて、楽しく飲める店」について本音で語ります。

第7回は東京・浅草橋の「鶏料理居酒屋 TORIBIAN(トリビアン)」です。

「鶏豪快焼き」のボリューム、味に圧倒された!

僕は、浅草橋駅界隈でよく飲んでいます。下町ならではのディープな飲み屋が多く、常連の店で気分良く酔うことができたり、新規開拓するのも実に楽しいです。

以前、立ち飲み屋で隣り合わせたカップルと話が弾んで「この辺りで面白い店知ってる?」と尋ねたところ、案内されたのが「鶏料理居酒屋 TORIBIAN」。浅草橋駅に近い路地裏に佇む、知る人ぞ知る隠れた名店です。

鶏料理居酒屋 TORIBIAN

その名の通り、焼鳥から照り焼き、チキンカツ、鶏そば…など、定番にひとひねり効かせた一品料理が、信じられない安さで揃っています。

中でも目を引いたのが「鶏豪快焼き」(800円、21時までに注文)。どう豪快なのか。出て来た皿を見て、納得。何と1枚300グラムはあろうかというボリュームの鶏モモ肉は、思わず目を見張るほど。パリパリの皮とジューシーなモモ肉にさっぱりした塩だれが絡んで、衝撃のウマさ。最強コスパと相まって、こちらの殿堂入りメニューに決定!

鶏豪快焼き

焼鳥は「ささみ焼き」(1本200円)が、めちゃ美味しい。こちらも、ささみを丸ごと1本炭火で焼き上げているので、表面は香ばしく、中はしっとり。ささみ特有のパサつき感ゼロで、きりっとしたわさびがアクセントになっています。焼鳥は、どの串を食べても浅草橋でトップクラス間違いなし!

居酒屋ラーメンの想像を超えた味とは?

TORIBIANには結構な頻度で通っているんだけど、毎回楽しみにしているのが「鶏そば」(850円)。この一杯のために、足を運んでほしいぐらい。白濁したスープはかなりこってりクリーミィで、麺にほどよく絡んで、感動を呼ぶ味わい。丁寧に下ごしらえした鶏ガラを、時間をかけて煮込んでいるからこそ出せる味わいで、居酒屋とは思えないクオリティの高さ。すっかりファンになりました。〆のラーメンまで、こちらでいただけるのもありがたい。

「鶏料理居酒屋 TORIBIAN(トリビアン)」の鶏そば

ラーメンと一緒に食べてほしいのが「焼きめし」(750円)。醤油がやや多めに入り、バターのまろやかさと混ざり合った個性的な味が、ヤミつきになるウマさ。早速、自分でも再現してみました。

ふだん僕の作るチャーハンは、醤油を使わず塩がメイン。それを醤油ベースに替えて、最後にバターを落としたら、これまた絶品、焦がし醤油バター風味チャーハンのできあがり!

夜はカラオケOK、アットホームな長い夜

店主は、元お笑い芸人の方。ある時、「なぜ、こんなに美味しい料理が、破格の値段で出せるんですか」と尋ねたことがあります。返ってきた答えが「浅草橋は、安くて美味しいのが当たり前。それができない店は、どんどん潰れていくだけだから」。いつになく険しい表情で、そう言い切る姿に、料理人としての並々ならぬ決意を感じました。

最高の味とボリュームを最強コスパで提供することで、お客さんを笑顔にしたい―そんな店主の心意気は、お店の雰囲気にもよく表れていて、いつ来てもアットホームで賑やか。
夜の営業では時間帯によってカラオケも楽しめたり、飲んで食べて歌って笑って…たっぷりエネルギーをチャージしてくれます。

今宵もまた、浅草橋の長い夜が過ぎていきます。

『鶏料理居酒屋 TORIBIAN』の店舗情報
〔住所〕東京都台東区柳橋1-32-4
〔電話〕03-5820-1212
〔営業時間〕平日11時半~13時半、17時~翌0時、土・日17時~翌0時
〔休日〕日曜不定休
〔交通〕JR総武線浅草橋駅東口から徒歩約3分、都営浅草線浅草橋駅A6出口から徒歩約1分

※新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前にお店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。

リュウジ
料理研究家。1986年、千葉市生まれ。Twitter やYouTubeで日々更新する料理動画やレシピが、「簡単に爆速で美味しく作れる」と大人気。YouTube チャンネル「料理研究家リュウジのバズレシピ」の登録者数は約340万人で、SNSを含めた総フォロワー数は760万人を超える。Twitter「リュウジの酒場探求記」2022年、定番料理100品のレシピを集めた『リュウジ式至高のレシピ』(ライツ社)で「第9回料理レシピ本大賞」を受賞。2020年、『ひと口で人間をダメにするウマさ!リュウジ式悪魔のレシピ』(同社)に次ぐ2度目の栄誉に輝く。「料理のお兄さん」として自炊の楽しさを広めようと、多方面で活躍している。

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