旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。 さて、今回のテーマとなる食材は? 文/おと週Web編集部、画像/写真AC 【今月の旬食材は?】いま1年で…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:秋鮭
難易度:★★★★☆
卵も白子も美味です
秋鮭の漁獲量がピークとなるのは、産卵のために川を遡上してくる10月前後です。この時期に漁獲される鮭は「秋鮭」と呼ばれます。読み方は、「あきざけ」「あきさけ」「あきじゃけ」など、さまざまです。また、「秋味」という別名もあり、秋の味覚として古くから珍重されています。
秋鮭は産卵直前の個体ということで卵や白子へ栄養が使われていることから、脂ののりは控えめでさっぱりとした味わいです。身の色も紅鮭や銀鮭よりも薄めで、淡いオレンジ色をしています。
卵や白子も産卵直前のものがもっとも美味といわれていることから、すじこや白子の旬も10月~11月頃とされています。ちなみに、いくらは、すじこから卵巣膜を取り除き、一粒一粒がバラバラにしたものです。
また、鮭児(けいじ)は、生後2~3年ほどの小さな秋鮭で、1万尾に1~2尾しかとれないといわれる超希少なもの。価格は1尾10万円を超えることも珍しくありません。
秋鮭は脂ののりが少ないため、加熱すると身がパサつきやすいため、フライやムニエルなどの油を使った料理向きです。
秋鮭はサーモンとは異なり、アニサキスなどの寄生虫がいるため生食はできません。ただし、-20℃以下で24時間以上冷凍すれば寄生虫は死んでしまいます。冷凍した後に刺身にして食べることは可能です。これは「るいべ」と呼ばれています。
ただし、一般的な家庭用冷凍庫は-20℃以下の設定にすることが難しいため、自宅でるいべを作るのは避けたほうが賢明です。
美味しい秋鮭の見分け方
皮はきれいな銀色で、身の色は鮮やかな橙色または白っぽいオレンジ色をしているものを。色が薄すぎるものは避けましょう。
脂ののりが少ないとはいえ、皮と身の間の薄茶色の部分があり、さらに身に入った白い筋(サシ)がハッキリと入っているもののほうが脂ののりが多めで、加熱しても身のパサつきが気になりません。
秋鮭の注目栄養素
秋鮭は脂ののりが少ないぶん、カロリーが低いためダイエット中の人のたんぱく源としてぴったり。
注目したいのは、アスタキサンチンという強力な抗酸化力を持った成分。これは鮭の赤い色素成分です。アスタキサンチンがとれる食材は少なく、鮭以外には、エビやカニなどがそれにあたります。ただし、エビやカニは殻に色素が多く、サクラエビなど殻ごと食べられるものを除いては可食部に含まれている量は決して多くありません。
いっぽう、鮭は身や卵にたっぷりと含まれているため、アスタキサンチンをとるには最適の食材といえるのです。
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