人気店から台湾版まで おにぎり専門店7選 絶品おにぎりはこだわりの塊なのだ!

『Onigily Cafe(オニギリーカフェ) 代々木公園店』 @代々木公園 おしゃれなカフェで楽しむ米の魅力 米離れが進む若い世代にもそのおいしさを伝えたい――。オーナーの想いでおにぎりの魅力を発信し続ける人気店が昨年…

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日本人の元気の源、おにぎり。たっぷりの具を包んだその包容力のあるおいしさは、どこか懐かしい気持ちになるもの。米、塩、海苔、具、握り方……作り手のこだわりもぎゅっと詰まってる。地元の人気店から海外の定番など、おいしい幸せを探してきました。

『福の蔵 by お福酒造』 @恵比寿

新潟の老舗酒蔵が本気で手掛ける絶品おにぎり

米と米の間に空気を含ませリズミカルに握るその人は、女将は女将でも“おにぎり女将”。老舗料亭で長年の女将経験があり、加えておにぎりの旨さが評判だったことから抜擢されたんだそう。

そもそもここは新潟・長岡の酒蔵「お福酒造」が日本酒の魅力を発信すべく東京進出した店なのだが、酒造りの要である米つながりでおにぎりに着目したという訳。何てったって地元は言わずと知れた米どころだ。

おにぎり定食(お好きなおにぎり2個・小鉢3品・味噌汁付き) 1100円

『福の蔵 by お福酒造』おにぎり定食(お好きなおにぎり2個・小鉢3品・味噌汁付き) 1100円 ※写真は(左)手ほぐし焼鮭・(右)卵黄醤油漬け 米は希少価値の高い特別栽培米100%。噛み締めると甘い。海苔は山本海苔店の有明産。半身で仕入れる鮭は店で捌き、焼いてから手ほぐしする。卵黄醤油漬けは数量限定

使うのは特別栽培米の魚沼産コシヒカリ「雪椿」。やや硬めに炊き、〇でも△でもなく角のない家庭的な形になるよう型枠を使わず握っている。

具の味の濃さによって振る塩量も変える配慮は繊細。頬張ればほろりとほどけ、米と具が絡まる美味が口いっぱいに広がる

さて日本酒。代表銘柄からレア物まで揃うのは蔵元直営の強みだ。飲む米と食べる米、両方の口福に出合えるありがたき店。

『福の蔵 by お福酒造』

[住所]東京都渋谷区恵比寿4-20-7 恵比寿ガーデンプレイスセンタープラザ地下2階
[電話]03-6721-6613
[営業時間]10時~20時(おにぎりは平日10時~材料が無くなり次第終了)
[休日]施設に準ずる
[交通]JR山手線ほか恵比寿駅東口から徒歩8分

『おにぎり屋 シチロカ』 @人形町

手間暇かけたおいしさが活力になる路地裏の名店

ひとりふたりと絶え間なくお客さんが吸い込まれていく路地裏の小さな間口。昨今のブーム前から愛される地元の名店だ。シチロカ。4文字をおにぎりのようにぎゅっとまとめたら……そう、活力。「頑張ってる人の活力になりたいとの想いを込めているんです」。じーん、沁みるなぁ。

羽釜で炊いた米は粒立ちふっくら、やさしく握ったそれはたっぷりの具もうれしくてまた泣けてくる。

おにぎり単品(ぜいたく鮭 300円、煮あなご 300円、黒米 300円)

『おにぎり屋 シチロカ』おにぎり単品(奥から時計回りに:ぜいたく鮭 300円、煮あなご 300円、黒米 300円[火・木11時~限定・写真の具はいぶりがっこクリームチーズ]) 人気の具。多い日は1日200個売れる

魚介類の仕入れは豊洲から。王道の鮭は店で2日ほど塩麹に漬けた後にオーブンで焼いて手ほぐし。穴子も生を湯引きして甘辛く炊いた口溶けがたまらない。ツナマヨだって缶詰ではなくマグロを煮て作る自家製だ。

疲れた時、元気になりたい時、いやいつでも。おいしい活力をもらいに行こう。

『おにぎり屋 シチロカ』

[住所]東京都中央区日本橋人形町3-5-6 榎本ビル1階
[電話]070-6983-7602
[営業時間]7時半~14時(10時~11時はテイクアウトのみ)※無くなり次第終了
[休日]日・祝(土は不定休 ※9時~14時)
[交通]地下鉄日比谷線ほか人形町駅A5出口から徒歩2分

『神楽坂むすびや』 @飯田橋

家族への想いがおにぎり作りの原動力に

原点は家族においしいおにぎりを作りたいという母心。ならばと専門店で修業して腕を磨いたのが女将の伊東さんだ。実家が神楽坂の元料亭だった夫の勧めとママ友らの協力で店を開業して今年で8年になる。

こだわりは細部まで。米は一等米のみをオリジナル配合、海苔は寿司店も使う香り高い高級品、沖縄の塩はすりこぎで水分を飛ばしてサラサラにするひと手間を。脱帽です。

むすびやセット(お好きなおむすび3つ・鶏の唐揚げ2コ・お味噌汁) 1050円

『神楽坂むすびや』むすびやセット(お好きなおむすび3つ・鶏の唐揚げ2コ・お味噌汁) 1050円 写真は(左から)すきやき(牛すき・卵黄味噌漬け)・大葉しらす・青とうもろ味噌 ※すきやきは+100円 米は毎年五つ星お米マイスターが厳選した一等米を数種配合

北海道産の銀鮭や濃厚な卵黄味噌漬けなど多彩な具は日に日に増えて現在は約40種になるそう。なるべく無添加で手作りを信条としており、基本の食材は自ら築地で仕入れている。

そんな愛情たっぷりのおにぎりを盛るザルも職人が手編みした伝統工芸品。女将の心意気もセンスも素敵、惚れる店です。

『神楽坂むすびや』

[住所]東京都新宿区神楽坂2-10
[電話]03-3235-3094
[営業時間]8時半~14時 ※土は10時~
[休日]水、日・祝
[交通]地下鉄有楽町線ほか飯田橋駅B3出口から徒歩3分

『Onigily Cafe(オニギリーカフェ) 代々木公園店』 @代々木公園

おしゃれなカフェで楽しむ米の魅力

米離れが進む若い世代にもそのおいしさを伝えたい――。オーナーの想いでおにぎりの魅力を発信し続ける人気店が昨年秋に2店舗目を出店。より気軽に、カフェ感覚で“米”を楽しめる注目店だ。

おにぎりはやや小ぶり。米粒の点と点を繋ぐよう工夫した握り方はスタッフ間で共有しており、握りたてを提供するイートインは3回転を目安に仕上げはきゅっとまとめ、テイクアウトは時間経過で米間が締まることを考慮してゆるめに、海苔の着物を着せるように覆って崩れを防ぐそう。

よくばりプレート 1400円(11時半~) ※塩おにぎり1個・お好きなおにぎり1個・唐揚げ2個・味噌汁・お好きな惣菜2種

『Onigily Cafe(オニギリーカフェ) 代々木公園店』よくばりプレート 1400円(11時半~) ※塩おにぎり1個・お好きなおにぎり1個(写真は十六穀米ネギ味噌大葉)・唐揚げ2個・味噌汁・お好きな惣菜2種 米粉の唐揚げ、選べる総菜2種がセットになった人気プレート。米はオーナーの故郷の長野県佐久産。粒が大きめで冷めてもおいしいのが特徴

楽しいのは味付き玉子が丸ごと1個入る具や味噌麹に漬けた豚バラの肉巻きなど変化球もあること。特に前者は卵好き垂涎。黒玉から半熟がとろっと破裂すれば舌上で美味の花火が打ち上がる!

『Onigily Cafe(オニギリーカフェ) 代々木公園店』

[住所]東京都渋谷区富ヶ谷1-9-15
[電話]03-5738-7306
[営業時間]8時半~20時(19時半LO)
[休日]不定休
[交通]地下鉄千代田線代々木公園駅2番出口などから徒歩3分

『お出汁カフェ えん』 @江戸川橋

こだわりと心遣いで握る実直なおいしさ

この店を地域の人々が集まるコミュニティにしたい。そのために、まずできること……そうだ!おいしいおにぎりを出す店から始めよう。店主・村上さんがそう思い立ったのは3年前。

元々料理好きで凝り性だという彼女。さまざまに食べ比べ、お米は三重県の減農薬栽培のコシヒカリに。具材の魚介は築地で、旬菜は近所の八百屋で吟味を重ねて購入する。

当然、具の多くは手作りで、ご飯の甘みとのバランスを考えながら、素材の味が引き立つように仕上げる。

えん定食 980円(おむすび2個、季節の惣菜、具沢山の豚汁)

『お出汁カフェ えん』えん定食 980円(おむすび2個、季節の惣菜、具沢山の豚汁) ※おにぎりは(手前)自家製ゆかり、(奥)蕗味噌(+50円) 手作り総菜は月に1~2度変わり、豚汁にはいりこダシを使う。ダシへのこだわりも店名の由来のひとつ

また単品と定食でおにぎりの大きさを変える気配りも。やややわらかく炊いたご飯を、ほぐれやすく握る実直なおいしさは評判となり、今では休日ともなると、おにぎり好きが列をなす場(店)になっている。

『お出汁カフェ えん』

[住所]東京都文京区関口2-7-5
[電話]080-1106-9396
[営業時間]平日8時半〜16時
[休日]月・火(不定休あり、インスタ@odashi_cafe_enで確認を)
[交通]地下鉄有楽町線江戸川橋駅1a出口から徒歩13分

『wanna manna(ワナ マナ) 飯田橋サクラテラス店』 @飯田橋

台湾朝食の定番おにぎりは具だくさんの俵型

台湾にも国民食として愛されるおにぎりがあるのをご存じだろうか。その名もファントゥアン。大阪の台湾朝食専門店が関東初進出したこちらの店でも楽しめる。

その全貌は……ご覧の通りずっしり大きい俵型。もち米に台湾式揚げパンやザーサイ、高菜、ピーナッツなどの具をぎっしり包んだもので、カットするとまるでモダンアートのような断面だ。

wanna mannaセット 1380円

『wanna manna(ワナ マナ) 飯田橋サクラテラス店』wanna mannaセット 1380円 (ザル手前:台湾式おにぎり「綜合ファントゥアン」ハーフ、ザル奥:「パイナップルケーキ」ハーフ、(右)台湾式豆乳スープ「シェントウジャン」、(奥)台湾式クレープ「蛋餅(ダンビン)」ハーフ 写真の台湾式おにぎりはハーフ。フルサイズは単品680円。他にラー油をトッピングした豆乳スープやもちもち生地のクレープなど台湾朝食の定番が揃う

もちもちの白い塊にかぶりつけば、具材の甘み、酸味、塩味、サクサク、シャキシャキなどあらゆる味わいと食感が顔を出して口の中はお祭り騒ぎ、こりゃ別次元のおいしさだわ。

他にも豆乳を酢でゆるく固めた台湾式豆乳スープなど定番朝食が勢揃い。現地出身のスタッフも働く店で、食の異文化体験を!

『wanna manna(ワナ マナ) 飯田橋サクラテラス店』

[住所]東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋サクラテラス2階
[電話]03-6380-8646
[営業時間]8時~19時(18時半LO)
[休日]施設に準ずる(他年末年始)
[交通]JR中央線ほか飯田橋駅西口などから徒歩2分

『PORK YANKEES(ポークヤンキース)』 @西小山

ボリューム満点の沖縄ソウルフードを西小山で発見

何度見ても腹の虫が騒ぎ出す魅惑のビジュアル。ポークランチョンミートと玉子焼きが白米の布団にくるんと挟まれた沖縄っ子のソウルフードだ。

種類は11種あり、定番なら「油みそ」が店長さんのイチオシ。2種の味噌に豚皮の旨みを加えてコク深く仕上げており、ヤミツキになる人が多いのだとか。

ポーク玉子おにぎり(明太マヨ 450円、油みそ 450円)

『PORK YANKEES(ポークヤンキース)』ポーク玉子おにぎり(左:明太マヨ 450円、右:油みそ 450円) ポークランチョンミートと玉子焼きにトッピングした「油みそ」は旨みが濃厚。クリーミーな「明太マヨ」は女性に人気

沖縄っぽさを目で舌で楽しむならソーキやゴーヤの天ぷらを。仕込みに6時間ほどかけるソーキはとろっとろの柔らかさだし、かき揚げ風のゴーヤなんて、はみ出してるなんてもんじゃない圧巻のボリューム。そしてこれがサクサク、和風ダレが掛かっていておにぎりの具として完成されているからすごい。

どの具も贅沢なおかず感覚、もはやこれは片手で食べる沖縄定食なのだ。

『PORK YANKEES(ポークヤンキース)』

[住所]東京都品川区小山6-5-16
[電話]03-5751-7441
[営業時間]11時~20時、土・日・祝10時~19時 ※お米が無くなり次第終了
[休日]月
[交通]東急目黒線ほか西小山駅から徒歩1分

撮影/鵜澤昭彦(福の蔵)、西崎進也(シチロカ、Onigily Cafe、ポークヤンキース)、浅沼ノア(むすびや)、小島昇(えん)、小澤晶子(ワナ マナ)、取材/肥田木奈々(福の蔵、シチロカ、むすびや、Onigily Cafe、ワナ マナ、ポークヤンキース)、編集部(えん)

2024年4月号

※2024年4月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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