パトカーといえばセドリックかクラウン。そんな常識も過去となり、かつては当たり前だった『セドリックのパトカー』も、なんと全国に数台しか残っていないらしい。重厚なシルエットのセダンに、白黒のツートンカラーと赤のパトライトは、とても似合っていた。つい先日まで現役だった1台をここでレポートしよう。
画像ギャラリーパトカーといえばセドリックかクラウン。そんな常識も過去となり、かつては当たり前だった『セドリックのパトカー』も、なんと全国に数台しか残っていないらしい。重厚なシルエットのセダンに、白黒のツートンカラーと赤のパトライトは、とても似合っていた。つい先日まで現役だった1台をここでレポートしよう。
2024年8月26日で姿を消した、貴重な1台
パトカーといえばセドリックかクラウン。それが常識だったのは、もはや過去の話だ。判で捺したように数多く存在していた大型セダンのパトカーたちは、今や少数派。あれほど存在したセドリックのパトカーも、全国に数台しか残っていないのだという。
そのうちの1台が、山梨県北杜市にあった。北杜警察署所属のこのセドリックは、平成10年に山梨県により調達され、平成26年から警察署の『顔』として活躍してきた。知名度も高く、8月の第3週末には最後の啓発活動を行った。
そう、最後なのだ。累計走行距離は9万6436km。車検切れを迎えるこのセドリックは、2024年8月26日を以て現役を退いている。
市販版ではありえない装備の数々
長年にわたり、警察の『顔』を務めたセドリックのパトカーは、セダンボディ、フェンダーミラー、鉄ホイール、ビニールの内装という「パトカーらしいパトカー」だったが、また1台、その数を減らしたことになる。
グローブボックスの前にはマイクなどがつるされ、下に無線もある。中央にはマニュアルのシフトレバーがあり、これでV型6気筒、3000ccのエンジンを操ることになる。
状態がいいだけにもったいない
官製オークションなどにかけられる可能性を尋ねたが、その可能性はなさそうだ。下回りの錆も少なく、予想よりもかなり状態はいいのだが、ボディには年相応の劣化と使用の痕跡があるので、引退も時代の流れと受け止めるしかないだろう。
『おとなの週末Web』のウェブサイト上では、撮影した写真のすべてが「画像ギャラリー」で御覧いただける。長年にわたり活躍したワークホースの最後の雄姿を、ぜひ御覧いただきたい。
文・写真/深澤紳一(ふかさわ しんいち):PCゲーム雑誌から文芸誌、サブカルチャー誌まで幅広い寄稿歴をもつライター。レーシングスクールインストラクターなども務めつつ、飼犬のために日々働く愛犬家。