円安や原油価格の高騰のため、2024年9月24日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は、1Lあたり174.7円と3週連続の値上がりが続いている。こうなると燃費に優れたクルマが欲しくなるが、モーターやバッテリーを搭載したコンパクトカーのフルハイブリッド車は、ノーマルエンジン車より35万円以上高くなる。そこで燃費に優れ、コスパの高いマイルドハイブリッドやディーゼル車をご紹介しよう。
画像ギャラリー円安や原油価格の高騰のため、2024年9月24日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は、1Lあたり174.7円と3週連続の値上がりが続いている。こうなると燃費に優れたクルマが欲しくなるが、モーターやバッテリーを搭載したコンパクトカーのフルハイブリッド車は、ノーマルエンジン車より35万円以上高くなる。そこで燃費に優れ、コスパの高いマイルドハイブリッドやディーゼル車をご紹介しよう。
スズキは車両重量を抑えて燃費を向上
燃費性能の優れたクルマといえば、ハイブリッドが思い浮かぶが、ノーマルエンジン(マイルドハイブリッドを含む)でも燃料消費量の少ない車種がある。(※マイルドハイブリッドとは、シンプルなエンジンアシストシステムのみを装備して燃費向上を狙ったコスパに優れたシステム)
注目されるのがスズキだ。ボディやプラットフォームを工夫して、ライバル車に比べると車両重量が軽く、燃費性能を向上させている。例えばコンパクトカーのスイフトMXは、直列3気筒1.2Lエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせて、5速MTのWLTCモード燃費は25.4km/Lだ(燃費数値はすべて2WDで表示)。
スイフトのライバル車になるノートXは、フルハイブリッドのe-POWERを搭載して、WLTCモード燃費は28.4km/Lになる。フィットのe:HEVもフルハイブリッドで、WLTCモード燃費はベーシックなホームが29km/L、SUV風のクロスターは27.1km/Lだ。
スイフトMXの5速MTは、マイルドハイブリッドながら、フルハイブリッドに相当する燃費性能を達成した。
安い軽油を使ったディーゼルターボはコスパが高い
また同じくコンパクトカーでは、マツダ2が搭載する直列4気筒1.5Lクリーンディーゼルターボも注目される。XDスポーツ+の6速MTは、WLTCモード燃費が25.2km/Lだ。しかもディーゼルが使う軽油の価格は、税額の違いでレギュラーガソリンよりも1L当たり約20円安い。
従ってディーゼルのWLTCモード燃費が25.2km/Lなら、燃料代は28.5km/Lのレギュラーガソリン車と同等だ。つまりノートXなどのハイブリッド車とほぼ同額に収まる。
しかもマツダ2が搭載するディーゼルの最大トルクは、6速MT仕様が22.4kg-m(1400~3200回転)だ。発進直後から2.3Lガソリンエンジン車に匹敵する高い駆動力を発揮する。このようにクリーンディーゼルターボは、動力性能が高く、燃料代はハイブリッドと同程度で安い。
マツダ2・XDスポーツ+では、クリーンディーゼルターボの価格を1.5Lガソリンの同グレードと比べて31万9000円の上乗せに抑えた。
コンパクトカーのハイブリッドは、価格をノーマルエンジンと比べて35~38万円の上乗せにすることが多く、クリーンディーゼルターボは動力/燃費性能が大きく向上する割に価格は安い。このようにクリーンディーゼルターボは割安だ。
ボディの軽い軽自動車も燃費性能に優れている
ルーフが低く、ボディの軽い軽自動車も、燃費性能が優れている。アルトは車両重量が700kg前後と軽く、マイルドハイブリッドも設定した。ハイブリッドS(121万8800円)のWLTCモード燃費は27.7km/Lだ。この燃費数値も、フルハイブリッドを搭載するノートやフィットに近い。
以上のように、ボディの軽い軽自動車やコンパクトカーは、ハイブリッドでなくても燃費性能が優れている。価格を高めずにハイブリッドに相当する低燃費車が欲しいなら、ボディの軽い小さな車種を選ぶと良い。コンパクトカーはマツダ2に限られるが、クリーンディーゼルターボも魅力だ。
文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
写真/日産、ホンダ、マツダ、スズキ