より味わい深く。麺にもこだわりを目一杯練り込んで。そんな進化系がある一方で、昔ながらのしみじみ旨い一杯を提供する店も健在。ラーメン界はさらに多様化しています。 「本当にうまい「究極のラーメン」…超極太麺の「もっちり麺」に…
画像ギャラリーより味わい深く。麺にもこだわりを目一杯練り込んで。そんな進化系がある一方で、昔ながらのしみじみ旨い一杯を提供する店も健在。ラーメン界はさらに多様化しています。
「本当にうまい「究極のラーメン」…超極太麺の「もっちり麺」にうまみが凝縮《浜松町・恵比寿・西永福》で発見」に引き続き余韻よし、後味よしという、毎日でも食べたい一杯を集めました。
国分寺「中華蕎麦 ひら井」
スープをひと口飲んだ瞬間に、心を奪われる。豚と牛、鶏のダシを巧みに組み合わせた重層的なスープと、食欲をかき立てるスモーキーな“炭火焼き油”の魅惑的な香り。動物系の素材だけで、こうも奥深いコクと突き抜けた旨みを体現できるものかと驚かされる。
さらに、麺を啜ってまたびっくり。低加水の細麺でありながらたおやかで力強く、濃厚なスープを纏いながらもなお口の中で小麦の豊かな香りがスパークするのだ。パワフルなスープをも凌駕するその圧倒的な存在感に、否応なしに気付かされる。このどんぶりの真の主役は“麺”なのだと!
下北沢「貝麺みかわ」
メニューの筆頭「中華そば」のスープは、アサリを軸にハマグリとホタテの干し貝柱でとった貝ダシ×牛白湯という個性的な組み合わせ。新感覚の旨みのフュージョンで魅せてくれる。同じスープでも、「塩」は貝の旨みが際立ち、「醤油」は牛の風味が前面に出るから不思議。
前述の貝スープにホタテペーストを加えた“貝感”マックスの「貝麺」は、圧巻の旨みで貝好きをも唸らせる。日本料理出身の店主が繰り出す月替わりの「貝ごはん」は、極上の美味しさで楽しませてくれるぜひモノの逸品。最後は雑炊にして、一滴残らず貝の旨みを堪能されたし。
六本木「入鹿TOKYO 六本木」
東久留米の名店が、分厚いコクの名物ラーメンを引っ提げて六本木にやってきた。旨さの秘密は、高級食材のダシから成る重層的なカルテットスープ。名古屋コーチンと比内地鶏、鹿児島県産黒豚、ムール貝、伊勢エビをそれぞれ別に炊き、極上の旨みを丼で共鳴させている。10種類の塩と濃縮させた魚介ダシを合わせた塩ダレが、スープをさらなる高みへ。ひと度啜れば、リッチな余韻がいつまでも続く。
新橋「はるちゃんラーメン」
丼の縁までなみなみとスープを湛えた堂々たる佇まいに歓喜! スープは大量のゲンコツとバラ肉、ウデ肉、背脂などからとる豚清湯で、力強いコクにあふれている。どっしり重厚な味わいながら、煮干しの旨みも利かせているので、最後まで後を引く。たっぷりのスープのみならず、もっちりピロピロの中太平打ち麺は170g、とろとろに煮込まれたチャーシューは60g と、うれしい盛り。午後への英気を養ってくれる。
『おとなの週末』2022年2月号より(本情報は発売当時のものです)
…つづく「東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、あまたひしめく町中華のなかから、おいしいラーメンの店を紹介します。