東京、本当うまい「醤油ラーメン」ベスト5…鶏ガラ濃厚、究極の一杯を《荻窪・田原町・花小金井・三ノ輪・本郷三丁目》で発見

本郷三丁目『麺庵 利休』 店主のたけおちゃんは多くを語るをよしとしない。それは「情報を食べてほしくない。まずラーメンを食べよう」ということ。なのだが、実はこだわりが詰まっている。 ともかくスープが秀逸。配合バランスを足し…

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現在もますます増え続けているラーメン店。群雄割拠といえる中、東京を中心に近年開店したお店を調査。「今食べるべき」醤油ラーメンのあるお店5軒をご紹介します。近所の店へ行くもよし、遠征するもよし。気になる店へおでかけください!

荻窪『there is ramen』

チャーシュー麺

なみなみと張られた琥珀色のスープ、丼を覆い尽くす脂きらめく大量のチャーシュー。このビジュアルに、そそられない人なんている?煮干しを強めに効かせたスープは、湯気からもその存在がわかるほどで、息を吸い込むだけでおいしさが伝わってくる。

と思いきや、ファーストアタックに鶏がガツンと奇襲。親鶏由来の濃厚な鶏油を多めに合わせることで、無化調のスープにパンチを加えているのだそう。それを下で支えているのが豚のゲンコツ。すぐさまそこに煮干しが加勢し、深い余韻となってしんがりまで務め上げる。

途中、ずどんずどんと悦びの大砲を打ち込むのは、総量100gにも上る柔らかなチャーシューの大軍。口の中で広がる肉の旨みと脂の甘み、何より食べても食べてもチャーシューが減らない感動といったら!最後の最後までテンションを上げ続けてくれる至福の一杯。幸せここに極まれり。

田原町「自家製麺 うるち」

東京醤油ラーメン+味玉

名門『地雷源グループ』や老舗『春木屋』など、数々の名店で腕を磨いた店主が満を持して暖簾をあげた。繰り出すのは、煮干しが香る中華そば。昔ながらの作り方を踏襲しながらも、丁寧な仕込みに心を砕き、ネオクラシックな一杯に仕立てている。

ひと口目は、鮮烈な煮干しの香りが先行。後から追いかける魚介の風味をフルボディの動物スープが下支えする。タレには木桶2~3年熟成させる小豆島の濃口醤油を使い、重厚なスープと張り合える力強さを持たせた。トラディショナルな中細麺ではなく、平打ちの極太麺を合わせているところも面白い。つるつる感と歯切れのよさ、風味豊かな小麦の味をあわせ持つハイブリッド麺のおいしさが、満足度とネオ感をぐいと引き上げている。

三ノ輪「喜多方ラーメン 新じま」

醤油ラーメン

あぁ、ほっとする――。スープが体にじんわり染み渡るのを感じながら、思わず天を仰いだ。

店名に掲げる通り、こちらは喜多方ラーメンを供する。店主・新島さんのお母さんが喜多方出身。約10年間数々の店を渡り歩き、独立する際、選んだのが幼少期から親しんだ味だった。豚骨をベースに鶏ガラを加えて旨みを補強。そこに複数の煮干しに昆布を加えたスープは、冒頭で書いたほっとする旨さだ。

それを持ち上げる麺は、地元で有名な曽我製麺製。ちぢれがあって絡みがよく、スルスルっとのどを伝う。

カエシに節類や昆布が使われているから全体にダシ感があり、心地いい余韻を残す。子連れのお客さんも多いというのも納得のやさしい味。こういう店が長く愛されるのだろう。

本郷三丁目『麺庵 利休』

特製中華そば 醤油

店主のたけおちゃんは多くを語るをよしとしない。それは「情報を食べてほしくない。まずラーメンを食べよう」ということ。なのだが、実はこだわりが詰まっている。

ともかくスープが秀逸。配合バランスを足し算引き算しながら煮詰めたそれには地鶏、牛骨、豚骨、貝、羅臼昆布、煮干しやカツオ節……。でも何かが突出することはない。きれいな清湯というより少し粘度のある中に感じるコクと重層的な味わい。いろんな旨みが顔を出す。醤油の香りと味わいも丸みがあって心地よく溶け込んでいる。

中細のストレート麺がこのスープにぴったりですすり心地よく、適度な弾力。黄身が赤く濃厚な真っ赤卵を使う味玉や、特製には3種のるチャーシューにもグッとくる。多くを語らずとも旨いものは旨い!

花小金井『たかのちゅめ』

特しょうゆらぁめん

カフェのような空間で供されるのは、醤油と塩を軸とする洗練された佇まいのラーメン。スープは、鶏ガラをベースに豚の背ガラと牛骨で厚みを持たせた動物系のダシと、昆布やカツオ節、アジ煮干し、ムール貝、椎茸などでとった魚介ダシを合わせたもの。ひと口で旨みの沼に引き込まれる。聞けば、寸胴鍋の半分は食材とのこと。旨みの階層が異なる素材を幾重にも重ね――それも惜しげもなく使うことで、深い味わいに仕立てるのだ。

「しょうゆらぁめん」は、艶やかな醤油の香りも相まって、思わずうっとり目を閉じてしまった。対する「しおらぁめん」は、食べ進める度に増していく貝の旨みに、目を見開かずにはいられない。どちらもレンゲが止まらない。実にけしからんラーメンである。

『おとなの週末』2024年2月号より(本内容は発売時のものです)

…つづく「東京、本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、あまたひしめく町中華のなかから、おいしいラーメンの店を紹介します。

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