旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。さて、今回のテーマとなる食材は? 文/おと週Web編集部、画像/写真AC 【今月の旬食材は?】いま1年で最…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■スーパーフード
正解:くるみ
難易度:★★★★☆
食べすぎには注意!
くるみは、クルミ科クルミ属に属する落葉高木の総称です。そのため、ひと口にくるみといっても、さまざまな種類があります。
食用にできるのは、くるみの種子の中の仁と呼ばれる部分です。
健康志向の高まりにともない、ナッツブームが起きていますが、さまざまなナッツのなかでもくるみは日本人にとってとくになじみ深いナッツです。日本人はなんと縄文時代からくるみを食していたというのです。
国内産として流通しているもののおもな種類は、鬼ぐるみ、かしぐるみ、姫ぐるみなどです。 ほかに、輸入ものも多く流通しています。輸入ものは、アメリカ、チリ、中国産が多くなっています。
北海道から九州まで日本各地に分布する野生のくるみのほとんどは鬼ぐるみです。これは日本古来の在来種です。縄文人が食べていたのも鬼ぐるみといわれています。
鬼ぐるみは西洋や中国の品種と比較して、殻が厚く、硬いのですが、味が濃厚でえぐみも少なく繊細。しかし、いまや希少となっていて、スーパーなどで販売されていることは稀です。
くるみは粘りけのある黄緑色の外果皮と呼ばれる皮に包まれていて、その外果皮が開き始めた9月下旬から11月上旬にかけてが収穫の最盛期となります。
落ちた状態で外果皮が裂けないものは、日陰で数日乾燥させると手でが剥けるようになります。
くるみは日本人となじみ深い種子のため、くるみを使った郷土料理も多く存在します。なかでも、「くるみ豆腐」、「くるみ雑煮」のほか、くるみの入った小麦粉の団子「まめぶ」を使った「まめむ汁」など、岩手県では、くるみは郷土料理や郷土菓子の食材として欠かせないものとなっています。
栄養の宝庫で、スーパーフードといわれているくるみですが、難点は高カロリーという点。約70%を脂質が占めているのです。そのため、食べすぎには注意しましょう。
美味しいくるみの見分け方
新鮮なくるみはカリカリとしています。いっぽう、酸化が進むと柔らかくなり、潰れやすくなります。
くるみは脂質が多いぶん酸化しやすいため、開封したらできるだけ早めに食べ切ることが必須です。また、開封後は密封してできるだけ空気に触れないようにして冷蔵庫か冷凍庫に入れて保存しましょう。理想は、遮光の袋に入っているものを選ぶことです。
また、形が崩れていると割れた部分から酸化しやすくなるため、できるだけ形が崩れていないものを。
開封したときに、酸っぱい臭いがしたり、油臭いようなものも酸化が進んでいる可能性があります。
賞味期限が切れても食べられる食品が多いといわれていますが、くるみに関しては、賞味期限切れのものや、賞味期限ギリギリのものは避けたほうがいいでしょう。
くるみの注目栄養素
くるみは不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質の一種である「オメガ3(n-3系)」という油の含有量が多いことが特徴です。約28gで、1日にとりたいオメガ3脂肪酸をとることができるほどです。
オメガ3脂肪酸には、血液をサラサラにする、悪玉コレステロールを減らす、血管をしなやかにするなどの健康効果が認められています。こういった効果により、生活習慣病、心筋梗塞や脳血管障害などのリスクを減らすことが期待されている超良質な油なのです。
ただし、前ページでご紹介したとおり、くるみは約70%が脂質のため、食べすぎると肥満を招くので注意が必要です。
また、オメガ3脂肪酸は酸化されやすく、酸化されると毒性の強い過酸化脂質という油に変異してしまいます。そのため、購入したらなるべく早く食べ切りましょう。
酸化の心配なく食べることができるのは殻付きの生くるみです。
↑上記にそのほかの「旬食材」をまとめていますので、ぜひご覧ください。